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「普通の家族がいちばん怖い -崩壊するお正月、暴走するクリスマス-/岩村暢子」という本を読みました。

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『普通の家族がいちばん怖い -崩壊するお正月、暴走するクリスマス-/岩村暢子著(新潮文庫)』という本を読みました。

平成19年に新潮社から刊行されたもので、文庫化は平成22年となっています。これもまたブックオフで見つけた本です。

日本の食卓がどうなっているのか、223世帯を対象に実施された「普通の家族の実態調査」が元になって結局この本が出来たわけですが、たぶん当初の目的というか想定されていた結果よりも別の次元で驚くような結果が出てきたことが読んでいてわかりました。

各家族からは日々の食卓の写真や、家庭内の様子の写真やレポートが提出されていて、著者がその過程で気になっている事象がクリスマスと正月に顕われていて、その部分に焦点を当てています。

簡単に言うと、調査結果として「クリスマスはどんどん大きなイベント化して行き、暴走といえるような状態になっている」。「お正月はどんどんその儀式的な部分は風化し、崩壊し、衰えていく」そんな状態になっているというのです。

ここでレポートされているのは、ごく普通の家庭で、特殊な家庭を選んでいるわけではないのですが、お正月は「おせち」をつくる家庭はほぼ皆無というか、つくらなくても何か買う程度で、それも一品か二品くらい。
で、実際は実家に行き、“上げ膳据え膳”で「おせち」をいただくだけいただき、手伝いなどは絶対にしない。おまけに高齢の父母(義父母)から親になっている四十代、五十代の自分達がお年玉までせしめている・・というのがほぼ一般的になっているのでした。

自分の家では、何もつくらず、元旦などは各自起きてきたら菓子パンなどを食べています。それだけ。負荷がかかることはしたくない、ということらしいです。雑煮なんてもちろんつくりません。
お飾りや、鏡餅、お屠蘇などは何でそんなもの飾るのか、考えたこともない・・んだそうで、これもこのレポートでは多数派です。
知らなかったなぁ・・。

これに比べてクリスマスはどんどん大きなイベントとなり、家中にクリスマスの飾りをして、エスカレートすると、かつてよく見た家の外の電飾化が“モンスター化”といえるくらいの状況になります。

クリスマスプレゼントは、子供のほしがるものをリサーチし、サンタがいるんだということを熱烈にプレゼンして、中学生になっても高校生になってもなんとかして信じさせようとしているのがこのレポートでわかりました。

結局、プレゼントをもらって喜ぶ子供を見る自分を確認して自分の喜びのためにクリスマスという一大イベントの恒久維持をはかろうとしているのが、これまた多数派なんだそうです。
でも、クリスマスに料理はつくらない・・負担になるから。
で、チキンなどを買ってくるんだそうです。さらにクリスマスケーキはママ友や子供たちとつくる姿がこれまた自分の喜びとなるので二個つくってしまったりしているのだそうです。

私、この著者が十数年前にラジオに出演されていたのを聞いたことがあったのを思い出しました。
もともとは一般家庭の食の状況調査だったらしいのですが(そのラジオ番組では食の状況をお話されていた)、その番組の中で「ちょっといいですか、今日の放送内容とは関係があまり無いんですけど・・」と、“ぽそっ”と言っていたのが上記の内容でした。

そのときに、電力を強化工事までしてクリスマスの電飾を家に施しているような家はすでに家庭崩壊しているようだ、というお話をされていたのです。
そういう家は、大学生の子にまで「サンタさんはいる」と教え込んでいるようで・・。

というわけで、読んでいて、もう冒頭から数ページあたりで具合が悪くなってきました。
最後まで読めるだろうかと不安になりながらも何とか読み終えましたが、その後味の悪さはひどいものでした。
救いようのない話を聞いちゃった・・という感じです。

この本が報告している内容は、もう一度冷静になって考え直す必要があると感じました。
とりあえず、今は忘れたい・・(^^;)そんな気持ちでおります。

 

2022/12/01

『The Beatles REVOLVER SUPER EDITION を聞く・第一回 NEW STEREO MIX を聞いてみた』

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ビートルズのアルバムには、今までにも「サージェント・ペパー・・」や、「ホワイト・アルバム」、「アビー・ロード」に「レット・イット・ビー」などスペシャル・エディションやアニバーサリー・エディションが企画されてきましたが、ついにその企画はアルバム「リボルバー」に到達いたしました。

高額なため、やっと手に入れることとなりまして、このブログ上に聞いてみた感想を書くという運びとなりました。
なるべく事前に情報を入れないようにしてフレッシュな気持ちで聞こうとしておりますので、関連書籍などは読んでおりません。

ただ、情報として入っているのは、「リボルバー」は4チャンネル録音時代のもので、各トラックには複数の楽器の音が重なって入っていて、ミックスをやり直そうにもハードルが高く、これまでなかなか出来なかった理由がそういうことだった・・が、今回は映画「ゲット・バック」のリミックス時にAIを使用して楽器ごとの音を分離することが可能となって来たということで、いよいよ作業に突入することが出来て、今回のリミックス発表となったということです。これは楽しみ!

では、「ニュー・ステレオ・ミックス」一曲ずつ聞いて行きます。

1.TAXMAN

最初の咳払いから人の声がする部分がいきなりクリアー。
ポールのベースが“着ぶくれ”していない。カチッとした音です。
バックのコーラスもかなりはっきりと聞こえます。
さらに、印象的なギターのリフもかなりくっきりとしています。
リンゴのスネアの音もパシパシと決まっています。


2.ELEANOR RIGBY

ポールのボーカルが奇妙な“パン”を経て始まる部分は当然ながら修正されています。
ボーカルの音声はかなりはっきりと発音まで聞こえます。
バックのクラッシック弦楽器もギュッギュッとキレ良く入っています。


3.I'M ONLY SLEEPING 

もともと色々な音が重なってはっきりしない印象のサウンドですが、ややそれは改善というか、解消されています。
ただ、曲調ですから、ジョンのもっさりとしたボーカルの印象はのこしてあります。
ギターの逆回転の音はクリア側に“振って”いるのがわかります。
ジョンダブルトラックのボーカルのバックの方はややクリアになっていると感じました。


4.LOVE YOU TO

シタールをはじめとするインド楽器の音はそれほど極端にいじっていないように思います。
ジョージのボーカルは生音に近づけた自然な音になったと感じました。
またジョージのボーカルがシタールの音と共に途中、右から左に移動したりしているのも発見しました。


5.HERE,THERE AND EVERYWHERE

もともと歪のない音で録られていたギターの音ですが、よく整理して余分な余韻成分のようなものをカットしているように感じます。
ポールのボーカルもダブルトラックになっているのですが、よく分離された感じで聞こえ、“ハモり”の部分もよく聞こえます。ボーカル自体の音声は生音に近い感じ。


6.YELLOW SUBMARINE

バックの波などのエフェクト音と、リンゴのバスドラムの音がきちんと分離して聞こえるのが従来との違いだと感じました。
またリンゴのスネアの音はオリジナルでは“カンカン”いってましたけど、このミックスでは普通の落ち着いた音になっています。
途中のジョンらしい掛け声のような声も分離が効いているように思いました。


7.SHE SAID SHE SAID

ギターの音のややグワグワいってた部分は整理されて聞きやすくなった気がします。
ジョンのボーカルもうまく余分な響きを削って聞きやすくなったと思います。
ただ上記の処理をすることによって、やや“毒気”が抜かれた気がしないでもない(^_^;)


8.GOOD DAY SUNSHINE

最初のリンゴのスネアが大人しい・・。
ポールのボーカルがボワボワいってたのもすっきりと整理されている。
ピアノのゴワンゴワンいっていたのは、露骨な整理はされておらず、この曲の持ち味であるピアノの音までは余計なところまで手をつけなかったようです。
エンディングの分離の仕方が不自然・・。


9.AND YOUR BIRD CAN SING

オリジナルのシャープでキレの良いギターの音がやや丸みを帯びていて、ちょっと全体に引っ込んでしまった感じがする。
オリジナルの方がよかったかも・・。
ポールのベースも躍動感が引っ込んでしまったかなぁ・・。
リンゴのドラムも“張り切っていた”感じがちょっと冷めてしまっている。


10.FOR NO ONE

どこでどの楽器が鳴っているかが、オリジナルよりもよくわかるようになった。
ホルンの音もオリジナルよりフレーズがよくわかるくらいになっていた。
ただ劇的にここが良くなった、という部分はあまり感じられない。


11.DOCTOR ROBERT

イントロのギターがくっきり!
ジョンのボーカルに掛かっていたエフェクトはかなり抑えめになった。
それはバックのコーラスも同様の処理。
オリジナルよりもふわふわとやわらかいサウンドになった気がする。
これもやや“毒気”が抜けちゃった感じです。


12.I WANT TO TELL YOU

イントロ時のリンゴのスネアが響き線の音もこちらの耳で拾えるくらいよく聞こえる。
ギターの音をはじめ、全体のサウンドが濁りのないように整理されたと感じる。
ポールのベースも弾いているフレーズがよくわかります。
ただ、グルーヴ感という点ではやや物足りないかもしれません。


13.GOT TO GET YOU INTO MY LIFE

この曲も、ブラス・セクションとボーカルの音がよく整理されていて、こんな感じにきちんと前に進んでいくような曲だったんだ(^_^)とあらためて感じた。
この曲に関しては、音の整理が効果を生んでいるような気がします。聞いていたら欲が出てさらにブラスを加えたい気持ちになってしまいました。


14.TOMORROW NEVER KNOWS

オリジナルはジョンの独特のエフェクトが掛かったボーカルが良かったのですが、あえてそれはかなり引っ込めている感じです。
ギターの逆回転の音もやや抑えめ。
鳥の鳴き声のように聞こえる音やその他の効果音的なサウンドもすっきりと整理された気がする。

このCDに同梱されていた印刷物にポールの言葉が載っていたのですが、この曲についてドラムがテープリールによる、言ってみればアナログ・サンプリング・サウンドになっている旨の発言がありました。
すでにデジタルリマスター時にコンピューターを使って研究している人から「驚くべきことにこのドラムはサンプリングだ」という発言がされていて、半信半疑だったのですが、やはり事実だったのですね。

当時の1960年代半ばに、ドラムのリズムトラックを一曲叩けばそれでいいのに、わざわざサンプリングしてテープリールを作って、あの独特の不思議な感じが出るという効果をねらったというのは、ビートルズはやはりすごい人たちのバンドだったのだとあらためて感じることになりました。

次回からは、セッションズや、モノ・マスター、リボルバーEPなど、順次取り上げて行きます。頑張ります(#^.^#)

 

2022/11/29

「ゆかいな珍名踏切」という本を読んだ。

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『ゆかいな珍名踏切/今尾恵介著(朝日新書)』という本を読みました。
ブックオフで見つけたのですが、著者は地図研究家で一般財団法人日本地図センターの客員教授、日本地図学会専門部会主査などという肩書の方です。

路線名だとか、駅名の「珍名」ならなんとなくわかりますが、「踏切」の名前で珍名を探そうという視点が独特です。
しかも、その珍名から由来を尋ねてご近所の人や通りかかった人に話を聞いたり、図書館などで調べたりということをコツコツと続けていく著者にはなんだか頭がさがります。

で、実際の“珍”踏切名はどんなんだろうというと・・。

「馬鹿曲踏切」「壺焼き踏切」「パーマ踏切」「レコード館踏切」「虚無僧踏切」「洗濯場踏切」「切られ踏切」「ファッション通り踏切」「豆腐屋踏切」「天皇様踏切」「爆発踏切」

・・などなど、“踏切界”には詳しくない(^^;)私が聞いても面白い名前がたくさんです。

なんでそんな名称になったのか現地を訪ねつつ、いろいろと調べて回るわけです。
たぶんこうであろうというところまでは、ほとんどの踏切でたどり着いていました。

馬鹿曲踏切は、現行路線と異なり、以前の路線が大きなカーブを描いていたので、“馬鹿に曲がっていた”ことからそんな名前になっていたり、洗濯場踏切は、かつて湧き水が出ていてけっこう大きな洗濯場があったのだということを近隣の方から聞き出したりしています。

でも、大きな下水管が埋設されたことによって水脈が断たれ、湧き水も止まり、廃止されてしまったのだというところまで突き止めています。
そして踏切近くを探すと、かつて洗濯場であった痕跡まで見つけることに。

それがどうした、という人もいるかと思いますが、私はこういうの好きです(*^-^*)

旅行に出たときなど、地元の人から話を聞いて、「かつてこれこれこういうものがあった、あれが名残だ」などと遺跡のようなものを見せてもらったりすると、「ここにはこんな歴史があったのだ」などとしばし感慨を持ちつつ佇むことがあります。

なので、いろいろな珍名踏切の由来などが徐々にわかってくる過程も楽しくて、面白がりつつ読了いたしました。

今度から踏切を渡るときには、その「名前」を見てみようと思います。
身近なところに意外な珍名踏切があるかも。

 

2022/11/27

宝塚歌劇・雪組東京公演初日「蒼穹の昴」を観て来ました。

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『宝塚歌劇・雪組東京公演(初日)「蒼穹の昴(グランド・ミュージカル)』を観劇してまいりました。

今回の作品は、浅田次郎氏のベストセラー小説『蒼穹の昴(そうきゅうのすばる)』をミュージカル化したもので、ショーは無く、いわゆる“一本物”と呼ばれる大作です。
幕間の休憩を挟んで正味2時間半を彩風咲奈(あやかぜ・さきな)さん率いる雪組が演じます。

長丁場でしかも一本物、舞台は清朝末期の中国ということで、ドラマチックな展開をうまく表現しないと退屈な作品になってしまうのではないかと思いましたが、雪組は“和物”の作品を演じることが多く、その中で培ってきた「じっくりと芝居に取り組む姿勢」が生かされていたと思いました。

しかも、今回観劇したのは初日。
ドタバタした部分などが見え隠れするのかと思いきや、すでに一~二週間演じてきたような“どっしり”とした印象でした。組子全員落ち着いていました。

さらに専科から京三沙(きょう・みさ)さん、汝鳥伶(なとり・れい)さん、一樹千尋(いつき・ちひろ)さん、夏美よう(なつみ・よう)さん、悠真倫(ゆうま・りん)さん、そして主役もとれる凪七瑠海(なぎな・るうみ)さんの六人が加わり、実に頼もしい重鎮の方々が舞台を引き締めていました。
この人たちだけで舞台が一本作れるような顔ぶれです。

 

 

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さて彩風さんは、主役のリァンウェンシウを聡明でやさしく、爽やかで、しかも憂国の思い熱く、人格者でもあるという、まさに“難役”を実に自然体で演じていて、“真っすぐ”な感じがするご本人の人柄にも合っていて、いいなぁと思いました。素直な感想です。

相手役の朝月希和(あさづき・きわ)さんも、リィリンリンを丁寧に、そして年齢と共に成長し、変化していく心模様などもうまく演じていました。

二番手男役の朝美絢(あさみ・じゅん)さんも、若気の至りや、妙に達観した部分、美しい心根、いろいろな境遇の人への気遣いなど様々な側面を見せるリィチュンルを見事に演じていました。この人の実力も並外れたものがあると思いました。

すっかり雪組に馴染んできた和希そら(かずき・そら)さんのシュンコイも、男気があり、一途な人物像を描いて見事でした。“男役”のひとつの形をもう作り出していて、雪組に来てまたひとつ大きな存在になったと感じました。
そして、声も“通る”し、歌も上手い、さらにダンスは群を抜いています。

光緒帝を演じた縣千(あがた・せん)さんも、時代と周囲の人々に翻弄される難しい役どころをうまく演じていました。

そして、専科の凪七瑠海さん。李鴻章という重要な役をさすがの演技で見せてくれました。
同期の錚々たる輝かしいメンバーは卒業してしまいましたが、いまだ光り輝いて舞台に立ち、存在感を示し、やはり舞台に立つ姿には自然と光が射しているように思いました。
それに美しい男役です。

その他、舞台衣装も注目すると刺繍の見事さや、大勢の人が居並ぶシーンの豪華さなど、見どころがありました。
舞台装置についても大階段を使った紫禁城の太和殿や、ラストシーンに出てくる船のセットなど宝塚歌劇ならではの大掛かりなものが圧倒的でした。

また重要な場面で「京劇」が演じられるのですが、これも見ごたえがありました。
特に重い衣装を身につけての激しい踊りをこなした朝美絢さんと眞ノ宮るい(まのみや・るい)さんには感心いたしました。

最後のおまけのショー的フィナーレまで雪組らしい派手ではないが、美しく煌びやかな舞台は初日とは思えないくらいの仕上がりでした。
今後さらにブラッシュアップされていくことと思います。

通常の宝塚にはないカーテンコールですが、初日なので三回のコール。
そして最後はスタンディング・オベーションとなり、晴れやかな気分で劇場をあとにしました。

 

2022/11/25

「さよならの力/伊集院静」を読みました。

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『さよならの力 -大人の流儀7-/伊集院静著(講談社)』を読みました。
2016年から2017年にかけて週刊現代で初出、単行本化に際し修正・書き下ろしを加え2017に刊行されたものです。

この本のテーマはタイトルどおり“さよならした人”、かつて“さよなら”したこと、“亡くなった人とのさよなら”などについて書かれていました。

伊集院さんは、大学生の頃、弟さんを海の事故で亡くし、27歳という若さの奥さん(夏目雅子さん)も亡くし、父を亡くし、そして東日本大震災で仙台に住む伊集院さんは多くの人とお別れすることになりました。

そういう心に遺された痛み、傷のようなものが時を経てどう心の中で変化していくのか、ということが書かれています。
これは他の伊集院さんの著書でも書かれていることがありましたが、特に突然失ってしまった配偶者や自分の家族などについては、さまざま多くの人がそういうことに遭遇することになる・・そんな人にどんな声を掛ければいいのか、自分に対してもどう考えればいいのか、ということが丁寧に静かに書かれていて、涙してしまうことが読んでいて何度かありました。

それから、小さい頃にいろいろ面倒をみてくれた近所のお兄さん的存在だった人。
その人が中学を卒業してから会っていない、さよならしたきりだ・・ということが書かれていましたが、私にも小さい頃に近所にちょっと悪い感じだけど、でも自転車に乗せてくれて、いろいろなところに連れて行ってくれたり、自分が知らなかった遊びなども教えてくれる“トシ坊”というお兄さんがいました。
そして、やはり私が小学校高学年になった頃にはもう我が家にも遊びに来なくなり、さよならしたきりです。
そんな人が誰にもいたんじゃないかなと思いました。

「さよならだけが人生だ」なんて言葉もありましたが、さよならすることよって人間は何かひとつ乗り越えていくような気がします。
そして人に対してやさしくなれるような気もします。

さよならについてしみじみと考えることになる本でした。

 

2022/11/24

「東京育ちの京町屋暮らし/麻生圭子」を読みました。

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『東京暮らしの京町屋暮らし/麻生圭子著(文藝春秋)』を読みました。
いつもどおりのブックオフで安価にて購入。
2000年7月発行の本です。

著者、麻生圭子さんはエッセイストで、作詞家としても吉川晃司、小泉今日子、中森明菜などの曲を手がけている方だと知りました。

その麻生さんが京都のいわゆる“町屋”暮らしをしようとするのですが、その町屋を借りようとして大家さんに会うと、「町屋かなんか知らんけど、あんたみたいなよそから来た人間がやな、勝手に、そんないい方してるだけや。我々、京都の人間はそんなことば、使いませんな」・・と、初っ端から痛い洗礼を受けます。

ま、一筋縄ではいかないわけで、不動産屋さんから知人、その他あらゆる“つて”を頼って町屋を探し、借りる際の改修をどこまでやっていいのかという条件などの擦り合わせも大変なことになりました。

いったん借りることが出来、契約もきちんとして、その後、夫も含め多くの人の手を借りて床を漆で塗ったりたいへんな作業をするものの、途中で話がご破算になり、苦労が水の泡となることもありました。

しかし、著者、麻生さんの町屋に対する「住んでみたい」という願望は最後まで衰えることはなく、本を読んでいるだけでもこちらが気絶しそうなくらい大変な思いと作業を経て“町屋暮らし”に漕ぎ着けるのでした。

そして、町屋暮らし・・優雅でいいじゃない、と思うと、それは現代の快適な環境、たとえばエアコンや水、給湯関係などが麻生さんが住もうとしている町屋では、昭和三十年代のような暮らしをしなければならないことになるのです。

冬は外と同じくらいの寒さの中で暮らさなければならず、台所などは土間にあり、足の先から芯まで冷たくなるらしく、夏はエアコンもないので当然あちこち開けて暮らすわけで、だから蚊帳を吊るのは当然のこと・・。
冷蔵庫も今どきの大型のものを置く場所もなく、小型で冷凍庫もない生活を選びます。

とうてい現代人には耐え難いような環境かと思いますが、でも、それでも“町屋暮らし”をしたいという気持ちはなんだか理解できます。
現代社会の皆が共有している、いわゆる“便利で快適”な生活よりも大きく深い喜びがきっと町屋暮らしにはあるのだと思います。

掲載されている写真を見ていると、なんだか私も憧れてしまいそうな“豊かさ”を感じてしまいます。

このあいだ、またもブックオフで麻生さんの「京都暮らしの四季」について書かれた本を見つけ、購入いたしましたので、読みましたらまたここでご紹介したいと思います。

今回は、京都の町屋暮らしって、なんだか良さそう・・というところまでの読後感ご紹介でした。

 

2022/11/23

ギャラリー笑虎での強烈で不思議な出来事

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※写真は2016年頃から数年間のものを使用しています。

昨日、私の中学時代の担任で美術の先生がJR飯岡駅併設施設でレコード・コンサートを開き、そこに私が出掛けたことをこのブログで書きました。
そこへ行く途中での出来事を書きます。

上記先生から「来月、横芝光町の“ギャラリー笑虎”でやる個展の作品の一部、大作をギャラリーに既に持ち込んであるから、飯岡に来る途中なのでちょっとのぞいてくればいい」とのことでしたので、レコード・コンサート会場に行く道すがらその“ギャラリー笑虎”に寄ってみたのでした。

 

 

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昨日は火曜日。
先生からは定休日は水・木曜日とのことだったのですが、行ってみると笑虎独特の大きな門は閉められていて、真ん中に印刷したばかりのように見える真新しい貼り紙が・・。
「火・水定休日」と書かれているのでした。

門は閉まっているし、貼り紙はあるしでしたが木製の格子が掛かっている窓から中をのぞいても人の気配はなく、明かりも点いていない。
仕方なくあきらめて飯岡の会場に向かいました。

 

 

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到着して先生に「ギャラリー笑虎の定休日が変わったようです。門も閉じられていて、店は開いていませんでした。」と伝えました。

「えっ、そんなことあるはずがないなぁ。個展の案内葉書にも定休日はもう入れて印刷してしまったよ」と、ギャラリー笑虎に電話してくれました。

 

 

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・・・そしたらね・・・先生から「おいっ、いったい何処に行って来たんだ。笑虎は開いているし、さっき行って来たという時間にはとっくに開店していたって言ってるぞ。それにそんな貼り紙もしていないって。」・・・と。

さあ、たいへんです。

笑虎は毎年先生の個展が開かれ、何度も何度も通った場所です。
第一あんな建物ほかにありません。間違うわけがないっ!

私が見た光景はなんだったのでしょうか。
現実のものではない光景をこの眼で見て、現実ではない状況にあるギャラリーがそこに存在していたことになります。

 

 

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飯岡からの帰り道、再びギャラリー笑虎に行ってみたのですが、開かれた門にもあの貼り紙はなく、直感として午前中に見た感じと違う雰囲気が漂っています。
中に入って馴染みの女性マスターに話を聞こうと思ったのですが、なんだか見てはいけないものを見てしまうような気がして怖くて門から中には入れず、そのまま帰宅しました。

帰宅後も何がなんだかわからず、夜になっても恐怖が襲い掛かり、暗いところに行けなくなってしまいました。

このブログで私の過去の不思議な体験をいくつか書いてきましたが、またひとつ不思議な体験が増えました。
妻に話してみたら、「何か見てはいけないもの、遭ってはならないものがその日にギャラリーに存在していて、緊急回避的回路が動作したんじゃないのかしら」ということで、「そうなのかも」と、今、思いつつあるところです。

 

2022/11/22

中学時代の先生が開いた「レコード・コンサート」に行って来た。

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私の中学時代の担任で美術の先生、特にジャズが好きで、しかもアナログ・レコードでいつも聞いています。
そして、絵画や造形作品の個展も年に数回行っている中、今回は「レコード・コンサート」をJR飯岡駅併設の「ふれあい館」で行いました。
・・先生のバイタリティーは私なんかをはるかに超越して驚くべきものがあります。
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今回使われたスピーカーも異彩を放っていました。

昔のナショナル「8PWT」という不思議なウーファーと同軸上にスコーカーがあるようなスピーカーは、たぶん自作のケースに入り、しかもさらに自作の石膏で固められたホーン型ツイーターが上に乗っておりました・・さらに先生のカラフル・ペイント付き(^^;
で、これがまたいい音出すから不思議なんです。
ヘレン・メリルのモノラル・レコードが素晴らしい音で鳴っていました。

 

 

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そのほかにも、JBLの楕円型20㎝スピーカーがエッジも無かったものをご友人の協力で修理して、これまた自作のケースに入れて、またまたいい音で鳴っていた・・(^_^;)
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そして40年くらい前の電気屋さんの処分品のA&D(アカイ電気と何処かが組んだブランドらしい)のスピーカーが現役バリバリで豊かなジャズを奏でていたのでした。
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さらに壺状花瓶に穴を開けてスピーカーユニットを入れた“陶器スピーカー”もあって・・(^^♪
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最新鋭の今どきのスピーカーの“小洒落た”きれいな音ではなく、どれも気合の入った低音から中音が下から湧き上がるようなたくましい音を出していて、先生もごきげんでしたが、聞いているお客さんも私もごきげんになりました(*^-^*)

いい時間を過ごせて幸せでした。
やはりレコード盤の音はいいし、昔のスピーカーの音もいいっ!!

以上で今回のレコード・コンサートの報告は終わりです。

 

2022/11/21

【はっPのアナログ探訪_0168: 怪物くん / 白石冬美 ( フォノシート )】

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アナログ探訪、今回は珍しく“フォノシート(※この盤のハードジャケットの表面にはそう書いてある。ソノシートなんて呼び方もあったような気がする。)”、アニメ「怪物くん」の歌とドラマ入りです。
ジャケットをめくれば漫画まで入っていました。
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「TBSテレビほか全国テレビ放映中!」と書かれていて、藤子不二雄先生のまたひとつ名作が華々しくテレビに登場したことがわかります。
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A面は「おれは怪物くんだ」というタイトルの主題歌です。
白石冬美さんが歌うと、ドラキュラやオオカミ男、フランケンが「オォ~ッ」って合いの手を入れています。すっかり忘れていました。
さらにもう一曲、「そろた怪物三人組」という曲が入っていて、副主題歌です。
怪物くんのお供の三人の歌が入っていました。
伴奏はクラリネット中心の演奏で、なんだかペーソスのある曲です。
内容は怪物三人が自己紹介するものとなっておりました。
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B面はテレビで放映されていたと思われるドラマのダイジェストが入っていました。
どろぼうが怪物くんの家に入ってしまって、怖ろしい目に遭うというストーリーでした。
無事どろぼうを撃退する話ですが、怪物くんの親友ヒロシくんも騒動に巻き込まれるというもので、短くまとめられておりました。
まるで子供時代に戻ったような気分で聞くことができました。
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このようなフォノシートを、まだ数枚保有していますので、後日またこのアナログ探訪でご紹介したいと思います。

2022/11/20

「私の酒 -『酒』と作家たちⅡ-/浦西和彦・編」を読みました。

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『私の酒 -『酒』と作家たちⅡ-/浦西和彦編(中公文庫)』という本を読みました。
この本は文庫オリジナルで、2016年に発行されたものですが、内容は『酒』という一人の編集者の手で40年の長きにわたり刊行され続けた雑誌の中から名エッセイ四十九篇を収録したものです。

その四十九篇の四十九人の“名だたる”人たち、“錚々たる”顔ぶれには驚くばかりです。
収録されているエッセイの多くが昭和三十年代のものなのですが、今の人たちの酒の飲み方とはまったく異なる豪快なものばかりです。

当時画壇における最高齢者であった横山大観を東京駅長の加藤源蔵さんという方がたずねたときの話を作家の上田広氏が書いている文がありました。

大観氏に長寿の秘訣を尋ねると、「人生長生きするには御飯を食べない方がいいようだね」と言い、では何を食べるのかとふたたび尋ねると「お酒があるでしょう。お酒を飲んでいれば、御飯なんかたべる必要はありません」と答えるのでした(^_^;)

この大観氏の話題を筆頭に、酒は浴びるほど呑むのが昭和三十年代の飲み方であったことがわかります。
この「酒」という雑誌では、酒飲みの番付も作っていたようですが、きっと三役以上の名だたる作家の方々は、収入のほとんどを酒にして飲んでいたような方にちがいありません。
事実、そんなエピソードも書かれていました。
奥さんに家計簿を見せられ、家計の赤字の理由はもちろん“酒代”です(^^;)
だいたい一般の会社の課長さんの給料くらいは酒を飲んでいたのだな、とご本人が書かれていました。
そんなんばっか・・(^^;

深酒で記憶を失ったり、財布をなくしたり、雪の降る中、道で寝てしまったり、電柱にのぼったり、・・読んでいるこっちは面白いけど、当時の周囲の人たちは大変だったろうという話ばかり。

昔の話をたっぷり読んで、笑ったり、感心したりでした。
酒飲みにとって、話の“肴”になるような本でした。読み応えたっぷり!!

 

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