ぬるいんでないかい?
ラジオで、作家の「石田衣良」さんのインタビューを聞いていて、そうだなぁと思ったことがありました。
最近のひとは、「○○が好きです」なんて言っても、ちっともその“○○”について詳しくもないし、興味がある風にも見えない・・というような話でした。
例えば、小説が好きだと言っても、実際の題名を挙げて読んだことがあるというので、読後感を聞いてみると、いったいお前は何を読んでたんだ!というくらい浅いことしか考えていないやつが多いということでした。
ほんとうに手間ひまかけて作った料理と、ファーストフードを同列に語ったり、ビートルズが好きだというから、どのアルバムが好きだなどと訪ねると解散後に発売されたベストの「赤盤」「青盤」しか持っていないと言ったりするやつ・・・。それでよくお前はビートルズが好きだなんて言えたな!ってところでしょうか。
コンビニで弁当でも買って、エアコンの効いた部屋にこもって、テレビでも見ていれば、それはそれで幸せだと思ってしまうのだから、ぬるいやつばかりになるのだ、と聞き手の山田五郎さんも言っていて、またもや同感。
ですから、最近は書店の文庫本コーナーに行っても、ヘッセなどはせいぜい「車輪の下」くらい、モームにいたっては置いていない、カミュやカフカ、モリエールやイプセン、ツルゲーネフ、ボーヴォワールなどは置いてあるのでしょうか。今や難しくても背伸びして読んでみるなんてのは、ひと言「かっこ悪い」ですまされてしまうようです。
自分がわからなかったりしたら、『かっこ悪い』ですませる。だから、ぜんぜん深いところまでつっこんで行かないのだと思います。
このことについては、HP分館“オトナの研究室”でまたふれてみたいと思います。
今晩はこの辺で。
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