お里のたよりは・・・
「きびしょ」の話の続きです。その言葉が出てきた「お言葉ですが/高島俊男著」に童謡・赤とんぼのお話しが出ていて、気になったのでそれを書きます。
『十五でねえやは嫁にゆき、お里のたよりもたえはてた』の状況についてです。
“ねえや”というのは、長姉ではなくて子守り奉公をする少女だということで、“ねえや”は当時の雇われている女性のことを言ったのだそうです。
赤とんぼを“負われて見た”のは、その“ねえや”の背中からだったわけです。
山の畑で桑の実を小籠につんだのも、ねえやの背中からだったらしい。
そのねえやもしばらく音信不通で回想に心を奪われ、ふと気付くと竿の先にとんぼが・・・。
ということです。
で、お里のたよりというのは
①ねえや自身が嫁に行き、雇われていた家に手紙も来なくなった
②少女の親元から少女を雇っている家に宛ててきていた「いつもお世話になります」という手紙が少女が嫁に行ってから来なくなった・・・要するに少女が辞めたとたんということ
③十五でねえやが嫁に行ったあと、しばらくはねえやの実家から「娘は婚家でつつがなく暮らしております」という手紙が来ていたが、それもやがてなくなった・・・主人公とねえやのつながりが消えた
④ねえやの実家から送られていた中元、お歳暮の類(昆布、豆、米など)が、たえて、今度は婚家に送られるのだろうな・・・という余韻をただよわせるもの
などなど色々な説が書かれていて、今まで全然気にしていなかったのですが、想像するだけで、しみじみとしてしまいました。
私としては③の説を取りたいと思いました。
みなさんはいかがでしょう?
すごい説としては、ねえやの名前が「お里」という説もあります(^^;)
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わ~ジェリー藤尾さんの歌はまったく同感でした!記事を見つけて嬉しく思いました!
4月7日(土曜日)に娘が横浜で結婚します!CDは廃盤のようですね.
政村秀實
山口県下松市在住(男62才)
自宅の辞書工房で虫のように
働いています.
投稿: 政村秀實 | 2007/04/04 18:55
私もはっPさんと同じ③の説に賛成です。(^^)
ちなみに、政村さん、お嬢様のご結婚おめでとうございます。お嫁に出すお父様のお気持ちはいかに?お里はいつまでもお里でいて欲しい・・嫁いだ娘側(昔々)の心境はこうです。(^^)
ジェリー藤尾さんやはかま満緒さんの時代って、「ゆめであいましょう」や「ヒットパレード」や「シャボン玉ホリデー」あたりですよね?
懐かしい~。(^^)
投稿: ymama | 2007/04/04 22:54
政村さん、コメントありがとうございます。
ジェリー藤尾さんのあの曲、ほんとにいいですね。そしてお嬢様のご結婚おめでとうございます。
ぜひお嬢様の披露宴で使われては・・と思います。
はかまさんの娘さんの結婚式でも実際に使われて、出席された画家の安野光雅さんとその奥様はたいそう感動されたとお話ししていました。
ymamaさん、こんばんは!
私と同じ③の説ですか、妻はこちらがどの説も説明しないうちに「ねえやが“お里”という説はありかも・・」と言いだし、私もびっくり(^^;)
こんなすっかりお馴染みの歌でも、あらためて聞き返してみると面白いですね(^^)
投稿: はっP | 2007/04/05 00:03
はっPさん こんにちは。
何も考えずに歌っていましたが、いろいろ想像するのって楽しいですね^^
「ねえやの名前がお里」うん、面白い^^
私もありかも・・・と思ってしまいました^^
投稿: みい | 2007/04/06 11:49
みいさん、こんばんは!
今まで何気なく歌っていた曲の歌詞をあらためてよくかみしめてみるっていうのも面白いかもしれませんね(^^)
「ねえやの名前が“お里”」ってけっこう“いい線”いってるのか?(^_^)
投稿: はっP | 2007/04/06 23:42
突然ですが・・・コメントを一番最初にいただいた『政村秀實』さんって、英語の辞典を書かれている“ご高名”な方でいらっしゃるようですね。
ネットで検索させていただきました。
これからも、うちのブログに遊びに来ていただきたいです(^o^)
投稿: はっP | 2007/04/07 00:06
「お里のたよりも絶えはてた」
「たより」はもちろんねえやの里からの手紙ということもありますが、それより「音信」とか「うわさ」(風のたより)の意味でしょう。「ねえやが嫁にいって里のうわさも聞かなくなってしまった」ということでしょう。
明治中期に娘を子守女に出す家庭では一般に手紙をひんぱんに書く習慣はありませんでした。
投稿: MOKUMOKU | 2007/04/27 09:50
MOKUMOKUさん、こんばんは。
なるほど、“たより”って実際にそういう意味に使ってますよね。
最初に感じた印象で、ひとつのことに凝り固まって考えてしまうのかもしれませんね。
色々想像していくと、馴染みの歌も楽しいものです。
投稿: はっP | 2007/04/28 23:07