Sgt.Pepper's Lonely Hearts Club Band 40周年
写真のジャケットをご存知の方はけっこう多いかもしれません。
1967年6月1日に発表された、ビートルズ作、20世紀の傑作「サージェントペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」です。
きょうで40周年。今聞いてもその新鮮さはまったく失われていません。いや、むしろ“新しい”と感じさえするのです。
アルバムタイトルと同名の架空バンドが演奏するという想定の中、目眩く世界が繰り広げられます。
タンジェリンの木と、マーマレードの空の世界に、セロファンの花が咲き、その中をボートを漕ぎだすと、ガラスのネクタイをして赤い粘土の帽子をかぶったポーターが新聞紙で出来たタクシーに乗ってやって来たり、お金持ちの夫婦の娘がハープと弦楽の演奏の中自動車のセールスマンと駆け落ちしたり、サーカスの呼び込みが現れたり・・・。
インド音楽にどっぷりと浸ったかと思うと、アメリカのパーキングメーター係の婦警さんが現れたり、64歳になった自分を想像したり、ニワトリやウマや狐や銃を持った人が右から左にもんどりうって通り過ぎたり・・・。
ラストは人生の一日をフルオーケストラ160人分の各楽器最低音から最高音までの演奏が不気味に盛り上げたり・・・。とにかく単なるロックバンドのレコードではありませんでした。
録音技術も当時の機材も乏しい中、極北とも言える最高のものでビートルズにエンジニアが応えます。
サーカスの曲では、スチームオルガンのバックが欲しいと言われ、ライブラリーから持ってきたスチームオルガンの演奏をテープに録り、それを切り刻み、空中に放り投げ、さらにスプライシングテープでつなぎ合わせ、一つのバックミュージックにしたり、ラストでは、5人で一斉にピアノを強打し(そのために何台ものテープレコーダーをシンクロさせるシステムを作製)、余韻をフェーダーをぎりぎりまで上げて録り、その音は未知の境地に達した感がありました。
人類の歴史に残る一枚のアルバムが、40年を経た今でも輝きを失わないことに驚きと嬉しさを感じ、きょうが終わる前に書き込んでみました。
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