Cynthia Lennon の 「John」読みました
ジョン・レノンの最初の奥さんである「シンシア・レノン」の著書を読みました。
ビートルズのデビュー前には結婚し、ジュリアンという長男をもうけた女性の回想録です。
ジョンの学生時代のようすや、二人が結婚し、ビートルズがヒットを飛ばし、夢のような時間を過ごすところまでは、二人の愛し合う姿や、夢が現実になるところがうれしさいっぱいに書かれていました。
ただ、ジョンの有名な叔母ミミについては、意外なほどひどい人だったというような記述もありましたが。
そして、ジョンはわがままで、時には自分にまずいことについては指摘されると怒ってしまったりすることが書かれていました。
オノヨーコが途中から現れ、ジョンを奪い、離婚訴訟に入っていく部分からは、今まで知らなかった事実が語られていて、ほんとうにジョンは通常の社会人だったら人間失格のひどい男で、ヨーコにしても、あまりにも計算高く最低の女であるように読み取れてしまいます。
本人からすれば、きっとそのとおりだと思いますが、今まで思っていたジョン・レノン像はかなり私にとっても変化しました。
自分が浮気してヨーコと付き合い、妊娠させておきながら、シンシアの浮気をねつ造して訴訟にするなど、それでも人間か・・・とがっかりするようなことや、息子ジュリアンに対する大人げない態度にも驚きました。
事実はどうかわかりませんが、読み物としてはビートルズ・ファンの私としては興味深いものでした。
本の中で、ポール・マッカートニーについてもふれられていて、離婚後シンシアが怒りにまかせて売ってしまったジョンから家族へあてた幸せな時期の素敵な手紙を高額な費用を払って買い戻し、シンシアとジュリアンにプレゼントした話がありました。シンシアはそれを今ではジョンと素晴らしい時間を過ごした佳き思い出として額に入れて飾っているそうです。
また、離婚訴訟中、ビートルズのメンバーや関係者がジョンを畏れてシンシアとの関係を断ち、孤独な中、ポールだけはシンシアのもとを尋ねて、なぐさめ、オノヨーコがビートルズの録音中のスタジオにベッドを持ち込みジョンと離れたくないと言ってスタジオに四六時中居座る現実を非難していたようです。
そして、ジュリアンに「心配するな」と歌いかけた曲が、有名な「ヘイ・ジュード」だったわけです。
それをジョンは勘違いして、ポールが自分を心配して曲を書いてくれたと思っていたという脳天気さも書かれていました。シンシアは心身共に地獄に堕ちるほど悩んでいたというのに。
以上、どこまでが真実かは難しいけれども、信憑性のある元奥さんの本のご紹介でした。
ジョンのファンは読んでおく価値があるのではないかと思いました。
最後に、シンシアは最後まで、ジョンときちんと話せる友人になりたくて、そして二人の間にもうけた息子をきちんと見守っていけるようにしたいと願い続けていたことは、とても良くわかりました。
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