詩がなくては曲が成り立たない
作詞家の阿久悠さんが亡くなって、テレビなどの報道を見聞きしてたいへん驚きました。
知っている曲もありましたが、もう「あれもこれも、えっあの曲も!」と数限りない名曲が阿久悠さんの作詞になるものだったことを知り、ただ、ただ驚愕したのでした。
「上野発の夜行列車降りたときから・・・」というワンフレーズで、上野から青森の長い旅が表現されていることに、当時もすごい詩だ、と思ったものでした。
「私はひとり連絡船に乗り・・」というフレーズでも、他に乗客はたくさんいるであろうに、孤独に寂しく船に乗り込む女性の姿が浮かんできます。
堺正章さんの「街の灯り」や、井上順さんの「昨日・今日・明日」も阿久悠さんの詩だったのですね。
「ジョニィへの伝言」や「また逢う日まで」、「あの鐘を鳴らすのはあなた」なども好きな曲です。
ちょっと無国籍な感じもいいです。
どれも阿久悠さんの香りがするのでなく、その曲が曲として成り立つために作られた最良の詩であると思います。
つまり、“詩”がなくては、どの曲も成り立たないと思えるくらいに、“詩”に重みがあり、すばらしいものでした。
“詩”なくしては、成り立たない曲を作る人には他に永六輔さんがいらっしゃいます。
あの「幼なじみの思いでは青いレモンの味がする・・・」って、あの曲、詩なくしては曲自体成り立たないと思います。今聞いても最後には、「これは俺のことか」などと、涙が止まらなくなることがあります。・・詩を忘れてしまった方はぜひ一度詩を見直してみることをおすすめしたいです。
話を戻すと、阿久悠さんは、その時代の人々の生き方などを常に観察して、的確に詩に表現されていたと思います。別れ方ひとつとっても、その時代らしいシチュエーションが表現されています。
家にUSEN放送を入れているのですが、「シニア・ライス・ポップス」というチャンネルが有り、主に昭和40年代から50年代の極上の歌謡曲をかけています。
ライス・ポップスというのは、要するに“お米”のように常食にするような曲ということらしいです。
USENを入れている人はB-6チャンネルが超おすすめですよ。
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