非情だって?
プロ野球日本シリーズでは、中日ドラゴンズが53年ぶりの日本一に輝きました。
中日ドラゴンズのファンの方々、ほんとうにおめでとうございます。ドラゴンズは、勝つための方法を知っていて、それに向かってきちっと全力で突き進む、すばらしいチームだと思います。
さて、ほとぼりもさめたので、もう一度落合監督の“非情”と言われた最終戦、最終回の采配について考えてみたいと思います。そういうことを考えることが、プロ野球ファンにとっての最大の楽しみだと思いませんか?ただ、完全試合が見たかったと言うだけの方々・・・。
多くの監督経験者や、解説者、OBの方々、マスコミ等のご意見は、最終回も“8回まで完全ピッチングをしていた”山井を投げさせ、一本でも打たれたら岩瀬に替えるべきだったとのことでした。
私も、もし自分が監督だったらそうしたと思います。
テレビを見ていて、私は「でも、落合監督なら100人中99人の監督が採る方法はしないかもしれない」と思いました。7回くらいから。
テレビ中継のアナウンサーは、「日本シリーズで完全試合達成のシーンに我々は立ち会っているのです」と、もう達成したかのようなおめでたいアナウンスを繰り返し、「パーフェクト」という言葉を連発!・・言う度にドキドキ感が薄れていくのを感じました。
むしろ「日本ハムは、まだランナーを一人も出していません」と言う方が緊張感が高まったのでは・・。
で、聞いた審判もびっくりしていた9回の岩瀬へのスイッチ。
冷静に考えてみましょう。
あなたが中日の監督だとして、通常の試合で、8回まで1点リード、9回には、誰をマウンドに送りますか?
岩瀬しかいないですよね。
それは、今回も同じことですよ。
53年間、必死に目指してきたものは「日本一」。あと三死でその悲願が達成されるのです。
上記の岩瀬投入の理由を踏まえた上で、「悲願達成」を取りますか、「個人記録達成」を優先しますか?
去年の秋季キャンプから、ペナントレース、クライマックスシリーズを戦い抜いて、やっと見えた眼前の「悲願達成」。それと「個人記録」どちらを取りますか?
と、考えると落合監督の採った采配はそんなに非情とは思えません。むしろ当然のように感じます。
で、新聞報道等を読んだり、血に染まったユニフォームの写真を見ると、山井の指のマメがつぶれた、そして「もういっぱいいっぱいです。替えてください」と言ったというのも本当のことではないかと思います。
それでもパーフェクトを目指せとマウンドに送り込むと、当然山井は、“目指せ”と言われたパーフェクトのために、ストライクを投げ込もうとするわけです。
マメがつぶれた状態でストライクゾーンにボールを俗に言う“置きにいく”と、どういうことになるか?
たぶん本塁打を打たれる確率はかなり高いでしょうね。
同点になって岩瀬が出てくる状況はどうでしょう?
このまま勝ちは無く、しかも長い延長戦は戦えません。
もしも、敗れてしまえば、敵地の札幌ドームに行かなければなりません。
日本ハムの強さは、敵地では3割増し、4割増しです。
大逆転の日本シリーズもあり得るのではないでしょうか。
というわけで、9回頭からの岩瀬投入は作戦として『有り』だったと、私は結論づけました。いかがでしょうか?
「あそこで続投させるのが、プロ野球全体のことを考えている監督、完全試合を達成していれば、野球に興味のない人まで関心を持ってくれるチャンスだった。それが野球人気につながっていくのに」と、発言した某プロ野球OBの意見が新聞に載っていました。
ほんとうですか?野球に興味のない人のために作戦を変えるのですか?
野球に興味のある、ファンのために真剣勝負をした方が野球人気はかえって上がるのではないですか?
不思議な発言だ。一過性のファンもどきのために53年ぶりの優勝をも犠牲にすべきなのか?
『喝っ!!』でお馴染みの、大沢親分は、「自分が監督だったら続投だと思うが、落合監督の采配は正しい、あっぱれ!」と発言していました。駒沢の暴れん坊、張本さんも「正しい采配だった、お見事」という発言をされていました。私も同意見です。
以上が今回の騒ぎに対する私の意見です。
反対の方も当然いらっしゃると思いますが、どうかひとつの意見として軽くご覧になってください。
読んでくださった方、ありがとうございました。
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