ソロモンの指輪/マリポーサの花
現在、東京宝塚劇場で公演中の宝塚・雪組「ソロモンの指輪/マリポーサの花」を見ました。
雪組と言えば、トップスターは私の地元千葉市、県立千葉女子校出身の水 夏希(みず なつき)さんです。ちょっとひいき目に見たいところですが、そこはファンの厳しくも優しい目で、公平にリポートしたいと思います。
まず、この公演は変則的な構成で、通常のお芝居(ミュージカル)1時間半のあとにショー1時間というものではなく、ショー30分(びっくり、たったの30分!)のあとにお芝居2時間(フィナーレも含めると2時間10分以上の長丁場)というものでした。
ショー「ソロモンの指輪」は時間も短いので、組全員が全力で一気に駆け抜けるというか、怒濤の圧倒的なショーでした。
野球で言えば一試合を3イニングにして、阪神の藤川が全打者高めの直球で三球三振させて終わらせてしまうような感じでした・・って、野球を知らない人にはわからないか(^^;)
つまり、組全員でもてる力を一気に出して、観客を圧倒して気がついたら終わってた・・という感じでしょうか。
全編クライマックスでした。そして雪組のショーにおける総合力の高さをまざまざと見せつけるようなものでした。
あまりの迫力に後ずさりしそうなくらいでした。
水さん、そして彩吹真央さんを中心として、とても組がまとまっていることがうかがえました。
上々のスタートを短時間で切って、休憩時間に。
いきなり早めの休憩なので、とまどいつつ劇場ロビーに。稽古中のビデオなどが流れているモニターなどを見て時間を過ごしました。そして、長丁場のミュージカル「マリポーサの花」へ。
これは作・演出が、異色の作品の多い「正塚晴彦」先生のものです。
高級クラブを経営するかたわら、密輸で巨額の富を得ているという面向きの顔を持ちつつ、国の将来への熱い情熱、そして愛する人への想いを秘めて、実際にアクションを起こし、危険と隣り合わせに生きていく男のストーリーです。
舞台は赤い太陽の沈むカリブ。白い蝶のように咲くマリポーサの花のかぐわしい香りが感じられ、燃えたぎる情熱とラテン音楽が渾然一体となったような、ちょっとレトロな雰囲気さえする、“男”のストーリーでした。
この長い時間をほとんど、ストレート・プレイかと思わせる芝居中心の展開でした。
それを見事に演じ切った水夏希さんの実力はたいしたものだと感じました。しかも、この難しい危険な香りのする男役を違和感どころか、見ているものを完全に役柄にのめり込ませるくらいの名演でした。
こういうタイプの男役は、非常に貴重だと思います。
それに、彩吹真央さんはその主役との関係性(友人でもあり、人生の同士でもあり、男同士のつながりが強固である)をやはり演じ切れていたと思います。この人がうまくやらないと、2時間は観客にとって我慢大会になってしまうかもしれない構成でした。
なので、ほんとうに素晴らしいと思ったのです。
十分見応えのあるミュージカルで、堪能しました。
いろいろ、ブログ等で評判を事前に調べましたが、退屈だという人も中にいて、見る前はけっこう不安だったのです。
でも、私が見た限り、「いいです!高得点(^^)」
フィナーレでは、娘役トップの白羽ゆりさんがステージセンターで最後の挨拶をするときに、胸を張って、自信満々に観客席にアピールしていたように感じました。銀橋でも、うれしそうに、そして「見てください、私達を」というような心からの熱いものを私は感じたのです。
雪組としては、自信をもってお客さまに届けていることがよくわかりました。
ストロングスタイルの堂々とした公演、宝塚ファンとしては見ねばならないでしょう!!
どうぞ、いってらっしゃい(n‘∀‘)η
【NowPlaying】 In Walked Horace / J.J.Johnson ( Jazz )
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