『過不及なし』
新潮文庫「あの人に会いたい/NHKあの人に会いたい刊行委員会編」を通勤途上、つり革にぶら下がりながら読んでいます。
NHKの「あの人に会いたい」という番組に登場した方々のインタビュー内容が載せられています。
この本を読み始めて最初に「おっ、これは」と思ったのが、里見 弴(さとみ とん)/作家・・有島武郎の弟、同人雑誌「白樺」を創刊、『善心悪心』『多情仏心』などの心理描写、会話の妙に定評のある作有り・・の言葉です。
これは、ブログを書くときにも、とても大切なのではないかと思い、自分に言い聞かせました。
以下引用させていただくと
「わかるためには口で言うとおりに書けばいいんだよ」
「つまり口で言う話がくどかったり、あるいは言葉が足りなかったり、自分の心持が相手に伝わらないというのは言葉が下手なんだろう」
「上手な話し方というのはどういうものかというと『過不及なし』ってんだよ。『過』は過ぎる、『不及』は及ばずだね。そうでなけりゃいいんだよ。」
「余計なことを言ってくどくなったら『過』だね。過ぎるんだ。『不及』というのは、肝心な言わなくちゃならないところを抜かしちゃうんだね。」
「心がけるとすれば、『過不及』なく話そうと。その通り書こうと。これだけで良いんだよ。簡単なんだ」
これは「言うは易く」そして「行うは難し」ですね。
いつもブログを書いていて、余分なところまで説明しようとする自分と、なるたけ簡潔にまとめようとする自分がせめぎ合いをしているのです。
文章が長いと言われることが時たまありまして、なるべく短くしようとすると、言わなくてはならないことを落としてしまったり、言葉足らずになってしまうこともあります。
ブログを書いているときは、どちらを取ろうかと迷いますが、里見さんの言うように「自分の心持が相手に伝わらないというのは言葉が下手なんだろう」ということになるのでしょうね。
普段からの言葉がもうひとつ上手でないために、私は色々と苦労し、試行錯誤を重ねているのだと思います。
日常でも、仕事上でも、話すときにはそういう『過不及』の無い話っぷりにしたいものです。
うん、これからはそう心がけよう!
【NowPlaying】 Mori Song / Tommy Kotter Trio ( Jazz )
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