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2008/12/12

林芙美子随筆集読んでます

Fumiko_hayashibook1
林芙美子の作品を今まで読んだことのない私が、本屋で立ち読みをしているうちに、その本から離れることができなくなってしまい、購入したのがこの本です。
「林芙美子随筆集/武藤康史編」。

林芙美子の昭和10年頃の随筆を集めたものだそうです。

なぜ、この本から離れられなくなったかというと、一読して私の心の中にある感覚にぴったりの日本語で書かれていたからです。
読めば読むほどに何の違和感も、突っかかりもなく、渇いたのどに水がおいしいのと同様に、染み渡ったのです。
これほど読んでいて気持ちのよい書きっぷりの本はこれまでの人生の中でも一番と言っていいくらいです。

著者の芙美子自身にして、「随筆を書いている時は、私の一番愉しいことを現している時間です。古里へもどったような気持ちです。」と書いています。

「貸家探し」というお話では、日暮里の方に出かけて色々な風景や人物などの描写があり、当時の世相がうかがえて、とても興味深いものを感じました。

・・・そこを出ると、すっかり暗くなったので、浅草へ出てみることにした。浅草へ出るとさすがに晴々して池の端の石道をぽくぽく歩いてみた。関東だきと云うのか、章魚(たこ)の足のおでんを売る店が軒並みに出ている。・・・

などという記述があり、『ぽくぽく歩く』なんて言葉は初めて聞きましたが、なぜかとても気持ちにすんなりとなじみました。いい表現だなぁ、「ぽくぽく歩く」なんて・・・。

その他、訥々(とつとつ)と、「どこの奥さんも旦那以外の男性に恋しているのはあたりまえで、そうでない人なんてこの世にいやしない」というような内容のことを書いています。
昭和10年の当時、自身に夫がいてこれを書くということは、どんな受け取られ方をしたのでしょうか。

「ま、そりゃそうだな」なんて、思っていたとしたら昭和10年頃の“オトナ”は、ほんとうの“大人”だったに違いありません。

読めば読むほど“虜”になるくらい、潔いといって良いでしょう、この「林芙美子随筆集」、かなり“おすすめ”です。
妻にちょっと見せたら、しばらく返ってこなかったくらい、数分で入り込める作品です。


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コメント

こんばんは!
 面白そうな本ですね~
興味湧いてきました。今度探してみますね。
良い本教えてくれてありがとうございます

みいさん、こんばんは!
コメントありがとうございます。
林芙美子の書きっぷりがあまりにも良いので、きょう本屋に立ち寄った際に「放浪記」の文庫本を買ってしまいました。
昭和5年の「放浪記」と、「続放浪記」、敗戦後に発表された「放浪記第三部」を併せて収めたものです。
待ちきれずに駅のホームで読み始めましたが、やはり、とても潔い書きっぷりで、“虜”になりそうです。

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