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2009/06/13

ずっと伝えられなかった言葉を

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現在上映中の『60歳のラブレター』という邦画を見てきました。
メガネが壊れたので新調しようと眼鏡屋さんに行った帰りに映画館が近かったので、ふと気が向いたのです。

☆ネタばれがあるので、これから映画を見る人はここでやめといてね。☆

物語は、中村雅俊さん扮する大企業でのし上がり、重役を務めて退職を迎えた男性(若い愛人がいて、過去30年妻には何の気遣いもせず、苦労ばかりかけてきた男)、とそれに30年間耐えて平凡な専業主婦として生きてきた原田美枝子さん扮するその妻が中心となって進行します。

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そのほかには、元グループサウンズ(イッセー尾形)とそのおっかけ(綾戸智恵)の魚屋さん夫婦。
この夫婦のエピソードも泣かせました。
自分の糖尿病の診察に行って、妻の大きな病気が逆に見つかって大手術(そのシーンでは私自身の手術のときとあまりにも似たシーンと看護士さんのセリフだけで泣いてしまいましたが)となり、術後のベッド脇で昔取ったきねづかのギターを弾き、ビートルズの「ミッシェル」を歌うイッセー尾形さんの心をゆすぶる歌に涙が止まりませんでした。


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さらにちょっと社会的には浮かばれない医師(井上順)と、翻訳作家(戸田恵子)、さらに医師の亡くなった奥さんとの間の娘も含めた素敵で不器用な恋愛にもまた落涙。
長女の書いた手紙を井上順さんが戸田さんに届け、その英語で書かれた「宿題」の翻訳を戸田さんがすると・・・あとは映画で見て泣いてください。


さて、最初の中村さんと原田さんの夫婦のエピソードはちょっと出来過ぎで、もし中村さんがキャスティングされていなかったらストーリー展開的にはうまくいかなかったでしょう。中村さんのキャラクターがあってこそのもので、結局はいい話になっていましたが。

ただ、中村さんの退職を待って離婚した原田さんが、その後戸田さんの元で働き、生き生きとした美しい女性に変身していく部分は良く描かれていました。

問題は、昇進のために上司の娘と好きでもないのに結婚して、一度も手料理に「おいしい」と言ったこともなく、愛人までつくって、“それが男”だ的な考え方、仕事が男の全てを物語るみたいな男が、30年前の新婚旅行先で内緒で書いた奥さんからの手紙を見たことで、そうそう変わるとは思えないということです。

そういう男は一生治らない“不治の病”であることは以前にもこのブログで書きました。

映画の中で、退職後に以前取引をしていた会社と取引をしようとして、さんざん一緒に仕事をしてきた会社の相手から「勘違いをされていませんか、当方はあなたと仕事をしたのではなくて、○○会社という企業と仕事をしてきたのですよ」と言われてへこみます。こんな人多そうです。

これは退職後の町内のつきあいに“会社の肩書き”を持ち込んでくるパターンと同じようなものです。

それに、別れた奥さんの第二の人生での恋愛対象の男性のことを「あいつはろくなヤツじゃないからやめておけ」と言うと、元奥さんから「ろくでもないヤツっていうのは、30年も妻をほっておいて、愛人までつくって平気な男だ」と言われたシーンがありました。
はっきり言って、私は胸がすっとしました。
そんな男はほんとうに多い。私の見てきた上司の人たち、周りの人たちにもたくさんいました。そして現在もいますよぉ・・・。

で、話を元に戻して、映画が、涙のラストシーンを終えて、エンドロールになると、本日ほとんどが老夫婦の客席の“男ども”が余韻にひたっている奥さんをさておいて、どんどん席を立ってスタスタと出口に向かうのでした。
今の今まで見ていた映画が何の教訓にもなっていないのですね。
このあと、また奥さんとケンカになるか、冷戦状態になるのでしょう。・・・お気の毒・・っていうか、自業自得!
ああ、愚かな男は一生“変わらず”“わからず”・・ということなのです。

【NowPlaying】 A Day In The Life / The Beatles ( Rock )

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コメント

みいさんもご覧になりましたか。
原田さんが生き生きしていくところについては、いっしょの感想ですね(^^)

それにしても原田さん、若い頃よりも今の方が全然美しいと感じました。人生経験とともに美しさが増しているような感じ・・・。

同じく人生経験を積んだ私達にも、面白い映画でしたね。

こんばんは!
 わたしも、この映画友人に誘われて観ましたよ。
わたしも、原田さんが美しく生き生き変身してゆく姿は、いいなと思いました。でも、中村さんが急に変身(こころが・・)する所は、「ないだろう!)って思いましたよ。勝手すぎ!
魚やさん夫婦は、内面の優しさが伝わってきてホントよかった・・・です。

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