月組『エリザベート』 -愛と死の輪舞- ついに見ました
宝塚歌劇・月組の東京公演、「エリザベート」をついに見ました。
“ついに”というのは、トップスター・瀬奈じゅんが“ルイジ・ルキーニ”、“エリザベート”の過去二役を経た後、ついに主役の“トート”を演じるということ、そして、異例の宙組からの中堅男役「凪七瑠海(なぎな・るうみ)」の娘役トップ扱いの“エリザベート”役での特別出演が話題を呼んだ公演だったからです。
「いったいどうなっているのだろう」と、思っていました。
事前に色々評判を聞いてしまうとまずいと思い、予備知識を入れずに見にいきました。
また、今回は主要な役である“ルドルフ”役が「遼河はるひ」、「明日海りお」、「青樹泉」の三人による“役替わり”というのも、ひとつの見どころです。
私が見たのは、「明日海りお」の回となりました。
そして、何よりも、この「エリザベート」は、宝塚歌劇が大事にしている演目のひとつです。宝塚ファンとしては見逃せないものです。(と言っても、宝塚からしばらく遠ざかっていたため、私は水夏希さんの雪組・エリザベートしか、過去見ていないのですが・・・。)
まず、瀬奈さんは、ご本人自身の“トート像”をつくりあげていたと思いました。
雪組・水夏希さんの凍り付くようなトートとは、またひと味違った、ちょっと人間っぽいトートに私は感じました。
とても大きく演じていたと思います。
そして、注目の凪七さん。
最初に言っておきますが、私はどの組のファンかというと、今は宙組。凪七さんのことも、もちろん応援しています。
本場宝塚では、すでに一ヶ月の公演を経ているわけですが、まず結婚前の十代のエリザベートを演じる凪七さん、もうひとつ“はじけて”いてもよいのでは・・と、正直思いました。相手は天下のトップスター・瀬奈じゅんです。どんなに思い切ったことをしても受け止めてくれる度量があるはずです。
・・しかし、いまひとつ不発という印象でした。
その後、“きりやん”の「フランツ・ヨーゼフ」との婚姻を経て、物語が佳境に入っても、何か“精一杯がんばって”いるのはわかるのですが、こちらにくるインパクトが、やはりもうひとつでした。
“凪七”流のエリザベートが前面に出てこないように思ったのです。
本人が男役ということもあると思うのですが、“歌”の方も、もうひとつ“冴え“がほしいと感じるものでした。
一幕が終わる頃には、思わず「凪七、がんばれ~っ!」と、宝塚禁断のかけ声をしそうになりました(魂の叫び(# ゚Д゚) 。
「今だっ!ここが見せ所だ」「エリザベートが変貌するのはここだ」などと、客席で見ていながら、「ここで“ガツン”と演じれば」と思うところが何度もありました。
それと、時々瀬奈さんと絡むときに、立ち姿がやはり男役っぽく見える部分が何度かありました。
逆に、それが不思議と凪七さんの存在感を感じるところでもあったのですが、やはり男役がやる娘役というのも、過去いくつか見たなかで見事なものがいくつもあったので、さらに研究して千秋楽までに色々と修正できるかもしれない、とも感じました。
ひょっとして、私だけの感覚かもしれないので、上記の「凪七、がんばれ」的な声援はお門違いかもしれませんが、以上が私の今回見た感想です。
馴れない娘役、たったひとりでの月組への特別出演、多くのエリザベート候補を押しのけての主演娘役、など、凪七さんにはたいへんなことばかりだと思います。
でも、もっと“甘えて”というか、大胆になって、瀬奈じゅんを“くってやる”くらいの気持ちでちょうど良いのではないかと思いました。明日海りお?私についてきなさい(^_^)くらいにね。
でも、この[エリザベート」は、きっと凪七さんのこれからの宝塚人生においてきっと大きな『宝』になると思います。
もういちど、「がんばれっ、凪七瑠海!」
追伸、本日は「愛華みれ」さんがご観劇。
お馴染みの銀橋でのルイジルキーニ(龍真咲)との絡みもアドリブであり、スポットライトがあてられ、ポーズを取っていましたよ(^_^)v
さらに追伸・・・「明日海りお」さん、いいねぇ、光ってました。今後が楽しみ!
【NowPlaying】 スーパー・フライデー / ミッキー安川 ( ラジオ日本 )
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