仕事で新潟に
昨日は、朝早くに起きて、新幹線で新潟に向かい、現地で全国の方達とともにあの大震災後の復興状況を見せていただきました。
写真は、崖が崩れ、車とともに親子が下敷きとなり、男の子が救出されたあの現場です。
あのテレビで見たシーンを思い起こすだけで胸がはりさけそうになったあの場所を反対側の川向こうから見たところです。当時、テレビもこの側から映していました。
現在は、その県道も復旧されていますが、写真のとおり、あのとき川に向かって落ちていったがれきはそのまま残されています。アスファルトの“帯状”になったものやガードレールなどです。
あれから5年も経ったのです。
現在開通している道路もバスで走ってくれました。完全復旧しています。地元の人たちの“命”の道路です。
旧山古志村にも行きました。現在は合併していて、写真はその当時、村の職員だった方。
皆で元の山古志村役場にゴザを敷いて、当時のテレビ映像をその方と一緒に見ましたが、写真は当時インタビューを受けていたご本人のもので、壊滅状態だった村を放心状態の中でも復興に向けて早くも心が動きだしているようすが見て取られ、私は大きな衝撃を受けました。村が壊滅したその時の映像です。
この方は、自分の家が壊れているのにその被災した日から2年間家に帰らず、土日もなく復興のために働き続けたのだそうです。休みだと言われても事務所に来てしまったそうです。・・私に出きるだろうか・・。
次はあのテレビで見た地滑りで山ごと崩落してしまったあの映像の場所です。まだ傾いた家もありますが、驚くべき復興の状況です。
山古志に行って感じたのは、地元の人たちの落ち着いた様子です。雪深い国の人たちは、じっと黙って、復興に力を注いでいるのだと思いました。
畑仕事をしている人を見ても、神々しくさえありました。
案内してくださった方々も、落ち着いて、優しく、東京の人間には絶対まねできないことであると思ったのです。
次は、あのテレビのニュース映像で衝撃的だった地滑りにより水が押し寄せ、水没してしまった山古志・木籠の地域です。
この地方は深い雪対策で、1階がコンクリート基礎、2階、3階が通常の住居となっているので、見えている屋根は3階なのです。
あまりの光景に立ちすくんだのですが、現在はこの上に道路を走らせ、この地まで山古志・木籠の方達も来ることができます。そして、この地の近くに新たに集落を形成するまでにいたっています。
ちょうど、「地震で沈んだ村 皆の力でここによみがえる」という碑を建立作業中でした。山古志・木籠の方達には、万感の思いがあるのではないでしょうか。
現在も工事車両がひっきりなしに行き交い、地滑りで出来てしまった湖の水抜き用水路を作っています。
税金はこういうところに投入してもらいたいものです。
ここは、最後に行った被災者の方が一部入っている公営住宅です。
木造で、ちょっと昔風なところと、現代風なところが同居している落ち着いた建物でした。
私も10年近く前には阪神淡路大震災のあとを受け、市内の小中学校約200校の耐震工事にたずさわりました。
あのときは、情熱をもって、全力で仕事をしましたが・・・、今回いろいろな場所で地元の方々や、復興の現場を見るたびに、山古志の方々(役場の方も住民の方もです)のように心を強くもって復興の仕事や日々の生活ができるかと考えてしまいました。
自らをもう一度初心に返らせて考え直さねばならないと思いました。大きな反省を胸に帰ってくることになりました。
追伸:山古志の風景はすばらしく、空気もきれいで、特に棚田の連なる風景は絶景です。
地元の方もおっしゃっていましたが、ぜひ山古志に行ってみてください。日本人の心の奥底にある現風景と、人の心があります。
【Now Playing】 Mother Nature's Son / The Beatles ( Rock )
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