事業仕分けの現場
政府が、今、行っている行政刷新会議の「事業仕分け」の会場に行ってきました。
ボディチェック、受付を済ませると、チャンネルを選べるモニターを手渡され、体育館内で3つに区切られた会場に入ることができました。
私は自分の担当も絡むので、第2WGへ。
そこでは、テレビなどの報道で見られる、「各省庁の予算要求に対する厳しい見直し」が行われていました。
インターネットでも中継され、テレビ局のカメラが何台も入り、傍聴人多数。
今まで一般にはここまで細かく知られることのなかった予算要求の内容が白日のもととなり、省庁の考え方が“ナマ”で役人の口から次々と語られる、その光景は新鮮でもあり、驚きでもありました。
仕分け作業の状況も、テレビなどの報道は、視聴者を刺激しようと編集されているのかと思っていましたが、実際はあのとおりの場面が延々と続いているのです。つまり、サンドバッグのように仕分け人が省庁を間断なく叩いているのです。
私は自分の目で実際に見るまでは、先入観を持つまいと考えていました。
周囲では、「こんな大きな予算の内容をたったの1時間程度で決めてしまってよいのか」とか、「鬼の首を取ったようにスタンドプレイに“はしって”いる」という意見。
また、「こうする以外に前政権からの政策転換ができないのでは」とか、「ムダを排除するのが目に見えてよい」などと賛否両論でした。
私がきょう、たまたま傍聴した件については、省庁の天下り先への補助金などが次から次へと、そして天下った人たちの名前と役職、いくら給与をもらっているかがはっきりとワーキンググループによって語られ、さらになぜ国がやっているのか?と、誰もが思うようなことがどんどんと出て来て、傍聴者からは禁止されているにもかかわらず、期せずして「拍手」が・・・。
例えば、若者向けにメールで職業相談をする事業などは、一日にたったの2通、メールを受け取り、相談に乗っているだけで、相談員一人の年収は単純計算で500万円になっている(総額は1億を優に超える)のに、役人の方は、「相談できてよかった」と言ってくれている、満足度は90%だった。などと悠長なことを言っていて、会場では失笑が何度も・・・。
私も同時に行われている作業を全て見ているわけではないし、一概には言うことはできません。
しかし、6件ほど傍聴したものについては、自分達の作った“天下り”の構造をいかに延命させるか、あるいは次の天下り先を見いだすための時間かせぎを何とかしようという、そんな態度が見えていました。
つまり、テレビや直接傍聴させるなどの方法は、その人の本質が否が応でも見えてしまうという効果を狙ってか、狙わずともこうなったのか、このやり方がある意味効果を発揮していたのです。
その「事業」がほんとうに必要で、大事なものかというのは、その必要性を語る人の様子でわかります。
もし、中継等見る機会があったら、それを感じてみるのが良いかと思います。
“ばっさ・ばっさ”と数十億、数百億の予算が削られていくのを見ていると、今まで国民が払ってきた税金はどこに行っていたのか・・と、思っているのは間違いない私の今の感想です。
【NowPlaying】 ラジオ深夜便 / 熊谷富夫 ( NHK-AM )
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コメントありがとうございます。
次世代コンピュータが見送られることになったのは、隣のWGでやっていたようでした。貼られていた「評決結果」の写真を報道がさかんに撮っていました。
ウイルス解析や気候変動のシミュレーションが期待され、現在世界一の米国のものよりも10倍の速度をもつということですが、まったく仕分け側と、文科省側の論理(「全てに背中を見ながら」ということになってしまう)は、すれ違っていたようです。ものの考え方の違いとしか言いようがないのですが、説得は難しかったのでしょうか、それとも最初っから聞く耳を持たないというような状況だったのか・・・。
高速道無料は、無用なクルマの通行を増加するだけであり、大気にもよくないし、経済効果を期待するなら、業務用車両のみに適用するとか、何か方法はないものかと思います。
投稿: はっP | 2009/11/14 20:57
次世代スーパーコンピューターが事業仕分けで見送られるようでは、夢も希望もない。
ノーベル賞受賞者が怒るのも無理は無い。
民主党の蓮舫のような科学技術に無知で、日本の将来に無関心な人物が仕分け人では、致し方ないこと。
毎年2.5兆円の税金を使う高速道路無料化は、無駄な予算であるから、事業仕分けによって廃止してもらいたい。
投稿: 馬鹿まるこ姫 | 2009/11/14 07:21