あの頃の『F-1のこと』久しぶりに想い出しました
『人はなぜスポーツするのか/海老沢泰久著(ランダムハウス講談社文庫)』を読みました。
これは、新田次郎賞や直木賞などを受賞した海老沢さんのスポーツに関するコラムをまとめたものです。
内容は半分以上が「ゴルフ」について、特に自らプレイするときのエピソードなどについての話で、面白い話がたくさんなのですが、私自身がゴルフをしないのでそれについてはここではちょっと触れずにおきます。
懐かしく感じたのが1987年頃のホンダ・ターボパワー炸裂時代のF-1レースについての記述でした。
1000馬力を軽く超える当時のF-1の迫力はテレビで見ていても、とても興奮するものでした。
その頃の海老沢さんの著書『F1走る魂/海老沢泰久著(文藝春秋社)』を、当時私も読みました。
あのアイルトン・セナがロータスに乗っていて、まだエンジンが若干非力なルノーであるにもかかわらずポールポジションを何度も取った頃の様子が書かれていたり、中島悟が初めてF1に参戦した頃(日本で深夜に見ていた私達ファンがドキドキしていたのを昨日のように思い出す)、セナがホンダ・エンジンを得てからの様子など、今読んでも、当時の、ものすごいエネルギーがこちらに伝わってくるものです。
予選中はほとんど瞑想していて、最後の最後にコースに飛び出して人間の限界領域を超えるようなタイムを出すセナに、瞑想中は、実際頭の中でどんなことをしているのかと聞くシーンがありました。
「コース内の全ての部分をシミュレーションしている、コースに出てからはそれを実行するだけだ」と語っています。
これは、私達普通のドライバーにも役立つことではないかと思いました。
どこかに車で出かけるとき、一度道中を頭の中でシミュレーションして、どのルートをどのようなドライビングをするかと一度やっておくと、とても実際の走りが楽だし、楽しいのですよね。
ものすごいスピードで走ることに爽快感を感じるのだろうか・・と運転をしない著者が水を向けると「そのクルマでできる限界ぎりぎりで性能を最大限引き出すことに“達成感”を感じるので、「ただ飛ばしただけでの喜びという感覚はわからない」といようなことも言っています。
これは、日本人F1ドライバーの中島悟も同様のことを言っています。
これも一般ドライバーにとって大事なことだと常日頃私も感じていることです。
自分のクルマの良いところを引き出して、そのコースに最適な形で機能させながらドライビングする。
これがドライビングの一番の楽しみ方ではないでしょうか。
ちょっと話がそれてしまったかもしれませんが、アラン・プロスト、ミケーレ・アルボレート、ステファン・ヨハンソン、ティエリー・ブーツェン、ナイジェル・マンセル、ネルソン・ピケ、ゲルハルト・ベルガー、リカルド・パトレーゼなど、当時は“役者が多い”とあらためて感じました。
そして、劇的な展開がたくさんありました。
今年はF1をもう一度じっくり見直してみようかなどと思っているところです。
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