“普通”の宝塚
このブログ、以前は宝塚の話題を載せると、アクセス件数がかなりの急上昇をいたしました。
でも、最近は別の話題でも満遍なくアクセス件数が伸びています。
なので、宝塚の話題を書くときはちょっと緊張していたのですが、最近では伸び伸びと自分の思っていることがだんだん書けるようになってきました。
きょうはその宝塚の話題で、中身は、気になる近頃の「演目」、「出し物」についてです。
私が昔から宝塚を見てきた印象では、「宝塚の出し物」、通常は前半にミュージカルを持ってきて、後半はショー、そして、原則として同じものは二度と舞台に掛からないというものでした。
というわけで、このスターのこの出し物はもうこれっきり、二度と見られないかもしれない・・と、かなり観劇するこちら側も感情を込めて見ていたように思います。
それに、「舞台」というものは同じ演目でも二度と同じものにはならないわけで、常に「一期一会」的な気持ちで劇場に足を運んだものでした。
基本的にそれは今も変わらないのですが、最近は名作・名演の呼び声高かったものについてはすぐに再演されることが多くなりました。
最近の例では「スカーレット・ピンパーネル」が挙げられると思います。
さらに地方公演などではかつて20年くらい前に私が見たことのある演目が頻繁に舞台に掛けられています。
前者、スカーレット・・については、星組の安蘭けいさんの記憶も新しく、まだ心の中で反芻しているような状況だったのにすぐに月組が再演。
もちろん、素晴らしい出来だったのですが、当時の星組を見た人の心に残っていた思い出のようなものは消しゴムで消されたような気もいたします。
花組のショー、「エキサイター」についても同じ花組が、このあいだ見たばかりだというのに再演。
きっとまた素晴らしいものになるのでしょうが、でもなんだか納得がいきません。同じような気持ちのファンの方もいらっしゃるのではありませんか。
やはりそのスターが演ずる新しいものを見てみたいという気持ちはファンであれば誰しも強いのではないかと思います。
また、先ほど書いた20年も前の古い演目をほぼそのまま今の舞台に掛けているのも、実際に見てみると、かなりの違和感がありました。
「それはないだろう」というくらいの、今の人たちにはちょっと理解できない男女のあり方など、少し脚本に手を入れたらどうだろうと思うものもいくつかありました。
つまり、言いたいことは、基本的に宝塚のミュージカルもショーも“一回きり”ということで、観客の心の奥深くまで残ってきたのではないか、ということです。
20年前に見た一回きりのものは、私の心に深く残っていて、今でも素敵なものとして染み着くように体に感覚として残っています。
そんな、“いい作品”をどんどん新作として出していただけると、ファンとしてはとてもうれしいのです。
それに、あくまで私の感覚なのですが、『普通の宝塚』が見たいという気持ちが強いのです。
スカーレット・ピンパーネルはもちろん素晴らしい作品で、曲もいいし、見どころもいっぱいです。
でも、普通のミュージカルと約一時間のショーがセットになっている「大作」でない“普通”の宝塚・・それが一番見たいものなのです。
よく、宝塚を見たことがないので、一度連れて行ってくれ、という人に「ベルばら」は毎公演やっているのか?などと聞かれますが、「やってるわけないだろ!逆にやられたら困る」というのが私の思いです。
さらに上記のような頼み方をされた人が思わず「大作」に連れて行ってしまうのも、いけないことだと思います。
まずは、「普通の宝塚」を普通に味わってもらいたい。
そこに本来の宝塚の世界があるのだから、それを感じてもらいたいのです。
本日は、「宝塚を見るなら、普通の演目を紹介してもらいましょう」というお話しでした。
【Now Playing】 メッセンジャー・オブ・ザ・サン / シリル・ベルドー ( Healing Music )
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