長嶋さんの本がとても良かった
『野球へのラブレター/長嶋茂雄著(文春新書)』を読みました。
本屋で見かけてはいたものの、あの長嶋さんのことだから、「バーッときてビュッ、でもってビシッ」みたいな表現ばかりの本かと思い、買うのをためらっていたのですが、テレビ・BS11の「BookTV」で、とても良い本だと紹介されたので、ついに買ってしまいました。
で、読んでみたのですが・・・ほんとうに良い本でした。
それに、私は長嶋さんのことをかなり勘違いしていました。
イチローや、松井のプレイヤーとしてのとらえ方、人工芝野球への考察、グラブなどの道具への深いこだわりと考え方、特にメジャーリーグへの感心は並々ならぬものがあり、自ら監督をされていたときには、かなり参考にしていた部分もあったようです。
特にトレードや、FAについては、「ジャイアンツは何でも欲しがる」という当時の評判の裏に、実はもっと別の考え方があったことが綴られていました。
レジー・ジャクソンがヤンキースに入ったことを挙げて、沈滞するチーム状況をかき回すような選手が入ってくることでチーム状態は混乱するかもしれないが、結果として強いチームになったことが頭の中にあったとのこと。
クライマックス・シリーズや、その他プロ野球、世界の野球の将来についても、なかなかこれだけの考えをもった人はいないのではないか、と思いました。
それに、長嶋さん自身が夢中です、今でも野球に対して。
報道などでは、長嶋さんの“不思議な発言”のようなものだけがクローズアップされていましたが、実は裏にはしっかりとした考え方があって、長嶋さんが記者に説明しているにもかかわらず、報道されたのは面白おかしいところだけ・・・っていうのが本当のところだったのだ・・と、この本を読んで知りました。
「カンピュータ」などと揶揄された采配にも、実は思いつきなどではなく、長嶋さんの野球に対する、そしてファンに対する“攻め”の考え方からなされていたことだったと知りました。
それに伴う、長嶋さんの「セオリー」に対する考え方もとても興味深いものがありました。
それから、現役時代のことも、監督時代のことも、克明に記憶されていて、今、目の前で起こっていることのように振り返ったりもしています。
とにかく、面白いっ!!
野球好きの人には、今までにない、話題にしやすいエピソードや考察が記されています。
読んで見て(^O^)v
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