麗しのサブリナ/EXCITER!!観劇
宝塚歌劇・花組東京公演「ミュージカル・麗しのサブリナ/スパークリングショー・EXCITER!!」を長女とともに見てまいりました。
サブリナの方は、オードリー・ヘップバーンの映画代表作。ショー、エキサイターの方は同じ花組の昨年の公演からの再演となります。
そして、トップ娘役「蘭乃はな(らんのはな)」さんは月組からの組替えで花組に。トップお披露目公演となりました。
まずは麗しのサブリナ。
映画を事前に見たときに、ああ、このサブリナが木の上からパーティーの様子をうかがっているシーンは絶対にやってほしい。パーティー・シーンは宝塚には“お手の物”だ、素晴らしいゴージャス・シーンになるだろう。
サブリナが自殺しようとガレージのクルマのエンジンに灯を入れてむせかえるシーン。
テニスコートでの愛のシーン。
ライナスの会社の大きな窓から見える大都会。
宝塚らしく、より魅力的なシーンにしてほしいと思っていましたが、・・全てがゴージャスで美しいシーンになっていました。素晴らしいです。
さらに蘭ちゃん演じるサブリナの衣装。特にあの白いドレス(刺繍もすごい)のサブリナには「うっとり」でした。
しかも、蘭ちゃん好演!トップお披露目は大合格点でした。
真飛さんのライナスは、映画よりも若い設定で、ただカッコイイだけではなく、内面までにじみ出るようないい男を演じていました。真飛さんはこういう役をやらせたら一番ではないでしょうか。包容力に満ちているのに、ちょっと寂しい表情を見せる孤独な感じの表現はこれも大満足の満点でした。
壮一帆さんのデイヴィッドは、女好きの遊び好きを楽しく軽快に演じていましたが、ラストの“粋”なはからいの演技も見事でした。
愛音羽麗さんは、料理学校からその他パーティーの参加者など、とにかく色々な役をこなしていましたが、ああいう風に様々な役をさせるのであれば、もっと「ひとり言」や「ささやき」などを含ませて、ストーリー・テラー的な役割をくっきりとさせた方が良かったのでは、と思いました。ちょっと役不足でした。
きょうは、ものすごく前の席に当選したため、写真のように銀橋にはほとんど手が届くような状態でした。
そのせいか、花組の皆さんの息づかいも聞こえるくらいの臨場感で公演を見ることができました。
サブリナは、皆さんとても心をこめて演じていられて、こちらも緊張感と楽しさを感じつつ十分に堪能しました。
とても良かった・・・。
また、未涼亜希さんにはいつも感心させられるばかりの絶妙な演技と舞台さばき。この人がいるから舞台が“締まる”のです。
サブリナは、きっと見に来た人の心を大きく動かして、しかも「恋愛」の素晴らしさを魅力的に見せてくれることだと思います。チケットが入手可能なら是非ご観劇を!
そして、ショーのエキサイターに突入!
昨年の公演の再演ですが、評判の良かったエキサイター。蘭ちゃんも新たに加わって、まさに“エキサイティング”で“ダイナミック”で“ゴージャス”な真飛さんに最も似合うショーと言えるかもしれません。
最初から大階段を使ったり、圧倒的な群舞、ハードな振り付け、色鮮やかな衣装、そして、ミスター・ユウのコミカルなシーンも健在。誰も文句のつけようのない満点ショーです。
蘭ちゃんも全力でした。ラスト前の真飛さんとのデュエット・ダンスでも見事に美しく、トップ娘役としての役目を果たしていました。組替えのとき、色々と言っていた人もこれには満足できたんじゃありませんか?
パッと左足を流して真飛さんに手を差し伸べるときには、こんなに体力的にも全力で大丈夫だろうか、と心配するくらいの力のいれ具合でした。
さあ、ラスト。フィナーレが始まり、蘭ちゃんが歌いながら大階段を降りてきて、ステージ最前列で挨拶し、大階段中央にスタンバっている真飛さんを迎えるポジションに蘭ちゃんが走って行ったとき・・・・・・・・・。
蘭ちゃん『大転倒』しました。
「アアッ」と観客からは悲鳴にも似た声が上がりました。
駆け寄る周りの組子。必死に立ち上がる蘭ちゃん。
オーケストラの音楽が真飛さんの歌を待ちに入り、一旦静かになるその瞬間です。
観客もざわっとしたあと、息をのむように静かになりました。
真飛さんは、歌い始めを遅らせ、蘭ちゃんの無事を確認(蘭ちゃん必死に頭の冠り物も直し、なんとか態勢を立て直す)。
少しうなづいたように真飛さん歌い始める。
大階段を降りきると蘭ちゃんと目と目で「大丈夫?」と確認。
真飛さんは悠々とステージ最前部に出ていつものように頭をさげ、頭を上げると「ご心配おかけしました」とひと言。
客席からは安堵の笑いと、割れんばかりの拍手(^^)
蘭ちゃんは、そのあと銀橋に向かうときには、観客に「大丈夫です」とばかりに満面の笑顔を振りまき、皆ひと安心(*^o^*)
このときに、真飛さんと蘭ちゃんの関係は“相当良い”と感じました。
やさしく包み込むような優しい真飛さんの視線は蘭ちゃんをあたたかく見守っていました。
アクシデントでしたが、いいシーンを見られた、と思いました。
今回の花組は、もう満点も満点、大満足のミュージカルとショーでした。
ありがとう、花組!
また行きたいくらいです。・・・って行っちゃうかも(^-^;
【NowPlaying】 セント・トーマス / ソニー・ロリンズ ( Jazz )
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