ジプシー男爵/Rhapsodic Moon の感想を
現在、東京宝塚劇場で公演されている宝塚歌劇団・月組『ジプシー男爵/Rhapsodic Moon 』をすでに見ていましたので感想を。
ジプシー・・の方は、ヨハン・シュトラウス二世の喜歌劇「ジプシー男爵」を谷正純先生の作・演出により宝塚版のミュージカルに仕立てたものです。
元々がオペレッタのこの作品をトップスター霧矢大夢さんを中心に月組の生徒の多くが常時舞台に立ち、歌い上げる感じは壮観でした。力感あふれ、また歌劇を観ている喜びが満ちてくるような“勢い”のある作品でした。
二番手男役スター、龍真咲さんは、影のあるジプシーで、しかも男気のある演じ甲斐のある役を生き生きとこなし、その立ち居振る舞いの凛々しさにうっとりするほどでした。
また、ライバルの明日海りおさんも、金持ちの豚飼いの娘に恋する若者を演じて、好演。
ちょっと可愛すぎる役かもしれませんが、みりお(明日海さんの愛称)さんの魅力は存分に出ていましたし、銀橋の歌も聞くことができましたので、満足(o^_^o)しておきます。
お二人がラストに近いところで銀橋の左右に分かれて兵士姿で歌うシーンがあるのですが、あまりの美しさに息をのみました。ここはいいシーンですよ。滅多にない美しい二番手コンビを存分に味わってください。
それに龍さん、明日海さんのそれぞれの恋人を演じた娘役のお二人も楽しくも、力の入ったいい演技でした。
なんといっても、このミュージカルは軽快で楽しいのです。
霧矢さん、蒼乃さんのトップお二人は早くも充実した時を迎えているといった印象。
霧矢さんは、役柄も縦横無尽なのですが、ご本人も全身に喜びをたたえて歌いまくり、踊りまくりました。
そうそう、幕開きは、いきなりトップ二人の迫真のダンスで始まります。
かなりの時間を取っていますので、これから劇場に行かれる方には、いきなりの見どころですよ。
くるくると展開も台詞も早回しで、あっという間に楽しい歌劇の時間は過ぎ去ります。
現在のトップ娘役の中で唯一体育会系な印象のある蒼乃夕妃さん。ここでもキレのいい、スピーディーでリズム感あふれる演技とダンスを見せてくれました。
ミュージカルとショーの二部構成の通常の宝塚公演を行う月組を久しぶりに見て、とてもウキウキと、そして安心したような気分を感じました。
写真は、今回見た二階席二列目から舞台を見たところ。
二階S席は、15センチ嵩上げ工事をして、銀橋が見渡せるようになったとのこと。
たしかに見やすくなった印象です。
さて、ショーの「ラプソディックムーン」は、最初からいきなりエンジン全開です。
霧矢さんと蒼乃さんのダンスもいいし、龍さん、明日海さんのそれぞれのシーンもいい。
月組はこういう組全体で押してくるような形が際立つ組です。
音楽自体もオーケストラが演奏しているからそれなりに聞こえますが、最初のテーマなどは、リズムなど含め、ヘビメタと言ってもいいくらいです。
ロックな印象の曲も多かったのですが、月組の若々しく瑞々しい雰囲気は、それが逆に美しくさえ感じさせられました。
これはけっこう宝塚ならではのオブラートのくるみ方であると思います。
美しい衣装や、華麗なダンス、たおやかな歌声、そよぐように流れるオーケストラの演奏が全てをマッチさせてしまいます。
今回は、ミュージカルも、ショーも満点です。
月組ファンならずとも東京宝塚劇場にお出かけしても損はないですよ!!
【NowPlaying】 The Way It Should Be / Jon Yamasato ( Pops )
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