Twitter社会論という本
『Twitter社会論 -新たなリアルタイム・ウェブの潮流- /津田大介著(洋泉社)』という本を通勤時に読みました。
タイトルどおりのジャーナリスティックな内容の本です。
「tsudaる」というのは、著者の名前から来ている「ツイッター中継」の業界用語のようになっているのですね。
そのツイッターによる中継方法なども書かれていました。
今や、会議や討論などの内容もツイッターで同時にネットに流れるような時代となり、さらにその様子も同時動画中継(UstreamというYouTubeの生放送みたいなもの)されたりもできる時代です。
会議に参加しながらのタイピングだとか、事前準備、話のまとめ方なども書かれていました。
そういう機会を得る方には参考になると思います。
この本の内容で気になったところは、ツイッターが既に情報の伝搬性では間違いなく一番速いものになり、報道メディアの“一番乗り”的な形の報道は減っていって、その情報自体の確実性を増した形で伝えることが大事になってくることではないか・・ということ。
何か被害があったときでも、「ハッシュタグ」という方法を利用して、どんどん状況が把握され、報道メディアも自分だけ情報をおさえておくようなことも無意味となり、協力せざるをえない状況になってきた事例も紹介されていました。報道メディアは、単なる情報に“価値”を付加しなければ成り立たなくなってきたようです。
また、ツイッターの「監視機能」としての“はたらき”についても触れられていました。
今までは議会などの小委員会的なところで討論されていた詳細な問題などは、結局議決されてから知ることになり、大問題化してから気づくなんてこと(たしか古い電気製品についてナントカマークが無いと売ってはいけない)なんてことがあって、あとから皆怒りだしたなんてことがありました)は、ツイッターの中継などがどんどん可能になってくれば、大幅に減少するのではないでしょうか。
情報を囲い込むことで成立していたメディアが成立していた時代は終焉をむかえ、爆発する情報の中で情報の室を担保していくことが、これから求められるのでは・・と結ばれていました。そうかもしれません。
今後は、特に政治の世界でツイッターはかなり利用されそうです。
すでに多くの議員が利用しているようですし、次々と新たな利用方法が見出されることでしょう。
そして、自治体などがどう使っていくかも課題と言えるかもしれません。
これはまだ完全な未知数です。
そして、企業の利用についても注目されます。
すでに海外の企業で成功している例も見られますが、二匹目のドジョウがいるかどうか。
どんどん新しい利用法を考え出さないと、成功は難しいかもしれないです。
巻末に、あの勝間和代さんと著者との対談も載っていて、「達人」の言葉には思わず、うなずいてしまう箇所がいつくもありました。これも参考になりました。
また読んでみたツイッター関係の本について書いてみました。
【NowPlaying】 夢が見れる機会が欲しい / Moon Riders ( J-Rock )
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