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2010/11/09

プロの持つ楽器

20101108_senju01


『千住家にストラディヴァリウスが来た日/千住文子著(新潮文庫)』という本をブックオフで見つけて、読んでみました。
これは、ヴァイオリニストの千住真理子さんのお母さんが書いた本です。

著者の長女、有名なヴァイオリニスト、真理子さんがそれまで使っていた「千住家にとっては高価であったが、物理的にも、彼女に備わった実力に対しても」無理が来ていたヴァイオリンに替わり、あの銘器「ストラディヴァリウス」を手に入れるまでのお話しです。

この1716年製のストラディヴァリウスは、249代ローマ教皇クレメンス14世に捧げられたもので、教皇亡き後側近が引継ぎ、フランス貴族のもとを経てスイスの大富豪のもとへ渡っていたものです。
その間、正式に演奏されたことは無く、300年間プロのヴァイオリニストに弾かれることなく眠り続けていたのです。

以前に所有していた貴族の名に因んで「デュランティ」の称号が与えられているものです。

この銘器を手に入れるには、億単位の金額が必要で、最初は“試奏できるだけでも幸せ”という気持ちでいた(ほんとうはそうでなく親子して悩んでいたのですが)が、亡くなった父親の教えや、芸術家兄弟である兄達の強い支えなどを得て無理に無理を重ねて遂に銘器を手に入れるくだりに至っては、ドキドキしなが読んでしまいました。

この本の魅力は、ストラディヴァリウスを手に入れるまでの過程が、絶望と希望が交互に現れるような形で描かれていること、そして、千住家の家族のつながりが素晴らしく力強く描かれていることです。
千住文子さんの文、ハラハラ・ドキドキさせてなかなかのものです。

楽器そのものについて言うと、プロの使う楽器というものは、たぶん私達が遊びで弾くものなどとは異なった、独自のものがあるのでしょうね。
特にヴァイオリンのような、アコースティックな楽器についてはなおのことだと思います。

私も下手くそながら、ドラムを叩きますが、やはり楽器が違うと、その叩いた時の感触や、もちろん音の響き、扱いやすさ、その他、メーカーや価格によって雲泥の差があります。
プロにとっては、きっと自身の分身のようなものでしょう。

千住さんのストラディヴァリウスの音色、ぜひ聞いてみたいものです。


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