心に波立つ日
2010年も押し詰まってまいりました。
体調もあまり良くない中、いったい一日でもよいから静かに暮らすことはできないものか、と思います。
心に波立つようなことが、今日は一日、平穏に過ごせそうだと思っていると起こります。
日々、地獄の通勤も含め、職場に着いてからもひっきりなしのメール、電話、同業他社をまとめている会の幹事を務めているため、それらの人との直接の応対、外回り約7kmもこなし(自転車で回ると、寒さも厳しい)、とりまとめる書類、作成する書類も多数・・・。
何が何やらわからぬうちに夜になり、遅く帰宅するとすぐに就寝時間。
気づくと朝になっている日々の繰り返し。
もっと仕事に邁進し、周囲も制御せよ、職場の状態は如何かと問われ、自らの重い立場にしばし呆然と立ちすくみました。
現在の体調著しく不良な日々の中、苦しい気持ちで押しつぶされそうです。
家族がいなければ、消えてなくなりたい気分です。
これは、愚痴。
また来週も厳しい現実が待ち受けている職場に向かいます。
そんなとき、電車内で読んでいた『高橋是清随想録/高橋是清著(中央公論社)』に心をあらたにいたしました。
高橋是清と言えば、日銀総裁から原敬首相暗殺の後、首相に。そして、都合七度の蔵相も務めた人ですが、この人の随想は非常に興味深い。
「誇り得るものがあるとすれば、それはいかなる場合に処しても、絶対に自己本位には行動しなかったといふ一事である。」として、どんなつまらない仕事を当てがわれた時もその仕事を本位として決して自分に重きを置かなかったというのです。
だから、世間に対し、人に対し、あるいは仕事に対しても一度も不平を抱いたことがないと・・・。
われわれが世に処して行くには、何かの職務につかなくてはならん。職務について、世に立つ以上はその職務を本位とし、それに満足し、それに対して恥ぢざるやうに務めることが、人間処世の本領である。
・・・何か悩みの解決がすべて示されてるような気がしてきました。
授かった仕事が何であろうと、満足して一生懸命にやるから衣食は足りる。「こんな仕事ではだめ」「あんな仕事が欲しい」と言っているから困るような破目に落ちて行く・・とも。
何か仕事が無ければ、到底独立してゆくことの出来ないものは、『仕事を本位とする』より外に仕方がないではないか・・ともおっしゃっている。
仕事のことでのくだらない悩みなどをするよりも、与えられたことを日々全うしていくことで解決が見いだされそうです。
ただ、まだ人間ができていないので、私が感動したことなどをまじめに話しているのを冷ややかに批判されると、・・ほんとうにがっかりしたり、あるときは怒りに似た感情を覚えることもあって、・・さらに日々、仕事も生活も淡々と自然体でできれば、と思っているところです。
【Now Playing】 会いたい / 岩崎宏美 ( J-Pop )
« ビタミン 「T」が不足してきた | トップページ | 美術館「笑虎」へ先生に会いに »
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 古本の頁を繰っていて見つけるもの(2022.01.23)
- 中学生時代から今に至るまで、「レコード盤を貸してくれ」「CDを貸してくれ」「本を貸してくれ」と言われる話。(2021.12.21)
- 「日本人も知らなかったニッポン/桐谷エリザベス」を読みました。(2021.10.03)
- 「小林信彦 萩本欽一 ふたりの笑タイム -名喜劇人たちの横顔・素顔・舞台裏-」を読みました。(2021.09.28)
- 坪内祐三の「最後の人声天語」を読んだ。(2021.09.25)
「心と体」カテゴリの記事
- 「座右のニーチェ 突破力が身につく本/齋藤孝」を読みました。(2024.10.01)
- 映画「エターナル・メモリー」を見てきました。(2024.09.23)
- 俳句を詠んでみる_0228【 夏の朝 珈琲淹れる 生きている 】(2024.09.19)
- 「老人をなめるな/下重暁子」を読みました。(2024.09.14)
- 俳句を詠んでみる_0211【 秋暑 雑踏に出で 払う寂しさ 】(2024.09.02)
「仕事で生き生き」カテゴリの記事
- 「対談サラリーマンの一生 -管理社会を生き通す-/城山三郎・伊藤肇」を読みました。(2024.10.09)
- 「座右のニーチェ 突破力が身につく本/齋藤孝」を読みました。(2024.10.01)
- 【忖度(そんたく)についてもう一度考える/過去に会った人、過去にあった出来事について振り返る №72】(2024.09.13)
- 「運を支配する/桜井章一・藤田晋」を読みました。(2024.09.03)
- 「syunkon日記 スターバックスで普通のコーヒーを頼む人を尊敬する件/山本ゆり」を読みました。(2024.08.28)
コメント