センセイの書斎
『センセイの書斎/内澤旬子著(河出文庫)』を読みました。“見ました”の方がニュアンス的に近いかもしれません。
イラストルポなのです。多士済々、さまざまな著名人の方々の「本のある仕事場・書斎」がイラストと共に紹介されています。
それに、著者の独特の感想も・・・。思い込みで訪ねてみると意外な中の様子に驚いたりもします。
タイプ的には、仕事場の書物については、あくまで資料として置いているだけで、愛着等があるわけではなく、一旦その仕事が終われば、それらを全て新しい仕事用に入れ替える人。
それとは正反対で、一冊一冊に思い入れがあり、あの本はどこにある、あの本のあのページには何が書いてある、あの本はあそこで買った本だ、などというディテールまで覚えていて、購入した書物を抱え込んで、収納場所に困り、あちこちに本を送って何とかしている人。
だいたいは、このビジネスライクなパターンと、思い入れパターンに分けられるようです。
一番衝撃だったのは、家の塀に厚みがあって、その中がライブラリーになっているという、“生まれて初めて”聞いた収納方法です。
書斎からそこには、外に出なくても繋がっているのです。すごい!
キッチンの脇に書斎があり、生活の中で自然に仕事をしている人、足の踏み場もないほどの本が溢れていて、本をどかして「どうぞ、場所を空けました」みたいな人、きちんと整理されていて、しかもそれ自体も扉でフタをして見せない人、など様々で、読んで、見て楽しい本でした。
最初は“探る”ようにして、センセイに近づいていき、やがてセンセイの考え方に「ほほぉ」と感心したりする著者にも親近感が湧きます。
きょうは、イラスト入りの楽しい本のご紹介でした。
【NowPlaying】 ニュース / NHK ( AMラジオ )
« 長女が買った色鉛筆 | トップページ | 板についてきた節電モード »
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 古本の頁を繰っていて見つけるもの(2022.01.23)
- 中学生時代から今に至るまで、「レコード盤を貸してくれ」「CDを貸してくれ」「本を貸してくれ」と言われる話。(2021.12.21)
- 「日本人も知らなかったニッポン/桐谷エリザベス」を読みました。(2021.10.03)
- 「小林信彦 萩本欽一 ふたりの笑タイム -名喜劇人たちの横顔・素顔・舞台裏-」を読みました。(2021.09.28)
- 坪内祐三の「最後の人声天語」を読んだ。(2021.09.25)
コメント