愛のプレリュード/ Le Paradis ! ! 三回目
東京宝塚劇場では花組、真飛聖(まとぶ・せい)さんのサヨナラ公演『愛のプレリュード/ Le Paradis ! !』が行われています。
明日は千秋楽です。
そんな“さなか”、隣の事務所の行動派Kさんのご厚意により、当日券をいただきまして21日(木)夜の公演を観てまいりました。
二階最後列、さらに後ろには「お立ち見」の方々が手すりにかぶりついている緊迫した状態の席です。
ただでさえ、気合いの入っている当日席ですが、その前の何列かは真飛さんの軍団が同じコスチュームの大応援団で乗り込んでいました。否が応でもこちらも気合いが入ります。
ミュージカル「愛のプレリュード」は、東京でも終盤に入り、円熟味が増していました。
壮一帆(そう・かずほ)さんは、主役真飛さんの元同僚であり、親友であり、ストーリー上は“敵”であるという役どころですが、よりその不条理な関係性が深く描かれるようになっていました。
愛音羽麗(あいね・はれい)さんは、真飛さんを陰で支える、“静か”だが、“熱い心”の持ち主であり、より大きな人に見えるように感じました。
主演娘役、蘭乃はな(らんの・はな)さんは、より真飛さんに対する思いがこちらに伝わってきて、ラストまでその思いが会場中に余韻をもたらすくらいでした。
執事長役で、今回がやはりサヨナラ公演となる真野すがた(まの・すがた)さんも、品格のある執事役、そしてお屋敷の様子に心配りし、お嬢様である蘭乃さんの心配をする姿、巧みに演じられていました。
主役真飛さんは、あらゆる場面で自分の“間”を十分に使って、観客を虜にしていました。
お話自体は割と単純な展開なのですが、真飛さんの舞台上の相手役とのやり取り、その“間”が素晴らしく、ストーリーの中に引き込まれました。
もう、ラストが近づいてくると私の席の回り中が泣いていて(私もぼろぼろでしたが)、蘭ちゃんの絶叫のあと、幕が降り、ひとり銀橋(客席に突き出ているエプロン・ステージ)を歩き、下手に向かうと「嗚咽」も聞こえてきました。
下手花道のところで振り返り、たっぷりと“ため”を取って(すごく長かった)から去っていくときにはもうだめです。涙が止まりませんでした。回り中そんな感じ・・・。
とても、いい作品でした。宝塚のいいところをたくさん散りばめていて、“大作好き”の人はなんだかんだ言うかもしれませんが、こういう普通の作品で、役者の力でもって作品を作り上げていくタイプの演目は、とてもいいです。
ショーの方は、“洋風ちょんぱ”とでも言えばいいでしょうか。
照明が点いたとたんに、銀橋に皆が立っていて、思わず感嘆の声があがります。
前のショー、エキサイターは、エネルギッシュでゴージャスなショーでしたが、今回はさらに“オシャレ度”もレビューということで加わり、さらにカフェでのメニューを持ったギャルソンと女の子たちとのシーンなど、見どころもたくさん。
衣装についても、ブルー、トリコロール、ピンク、白、黒など、色彩的にも豊かで、見ているだけでもうきうきするような素敵なショーでした。
今回退団の真野さんにも多くの場面が与えられ、組全員が熱演に次ぐ熱演。
早くも今年ナンバー・ワンのショーになるんじゃないか、という印象を持ちました。
飽きるようなシーンはひとつもなく、全部が見どころ。いいショーでした。
私の前方に陣取る軍団の皆さんと、当日席、立ち見席の皆さんの拍手は、会場全体よりも0.3秒早く反応して拍手が始まり、演奏が聞こえなくなるくらいの大音量の大拍手。
アップテンポの曲では、手拍子が気持ちも手伝ってか、“走る、走る”。オケよりも先行しておりました(*^_^*)
真飛さんの花組、最後にきて、またひとつ大きくなったように思いました。
ありがとうございしまた。花組素晴らしかったです!
【NowPlaying】 永六輔その新世界 / 永六輔他 ( TBSラジオ )
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