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2011/04/03

食べきれなかった・・・本

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『宝塚を食べる!/荷宮和子(にみや・かずこ)著(青弓社)』を読みました。
有楽町の三省堂・演劇関係コーナーで見つけ、「人気も実力もあるスターがトップになれないのはなぜか?」「華はないけれど存在感のある男役○○について」など、・・これは面白そう・・と思って手に入れたのです。

でも、「クサいミナコ(前・雪組娘役トップスター・愛原実花さんのこと)は止められないのか」あたりまでは笑って読んでいたのですが・・・。

水夏希さんがトップスターのときに“二番手・男役スター”であった彩吹真央さんがトップスターにならずに退団したことについては劇団に対し、「恨み骨髄」に徹っしていて、私は引いてしまいました。

彩吹さんは、誰から見ても真面目に舞台に取り組んでいて、実力もあり、私は特に歌が好きでした。「声」も大好きでした。
でも、トップスターにはしてもらえなかった・・・。

著者が一般的には、あまりウケなかった「ロシアン・ブルー」や「ソルフェリーノの夜明け」を取り上げて、微に入り細に入り、彩吹さんに対する『萌え』な部分を再三とりあげるのには、相当マニアックなファンでなければついてこれないもので、最初は「こりゃ、マニアックな視点だ」と感心していたものの、だんだんとついていけなくなりました。

著者も宝塚ファンに「愛称」を使うことをすすめているような記述がありましたが、マニアックな部分に関しては、ほとんど愛称で書かれていて、“宝塚リハビリ中”の私には、どれがだれだかわからなくなる中で、読み進むのが大変でした。

劇団のやり方や、作家に対する厳しい批判も再三出て来て、最後には「宝塚を食べる」というタイトル本なのに、“食べきれなく”なりました。

これは、宝塚歌劇に対する著者とのスタンスの違いが原因であることは間違いありません。
私のスタンスについては、これまでのこのブログの記述でわかると思いますが、批判的な視線で宝塚歌劇を最初からとらえることがありません。
「それはどうなんだ?」と言われれば、「そういう気持ちなので今後も変わりません」としかこたえられません。

宝塚との出会いが、私の人生にとって“良い影響”を与えてくれたものであり、その後知り合った生徒さんも私にとって素晴らしい人であったため、歌劇団そのものに対してもあまり悪い意味での視線を送ることができないのです。

この本の中では、ある組に入ってきた生徒が関わった裁判や、その生徒の配役にまでふれていますが、そこまで関わって宝塚歌劇に入り込むことは、私にとって“深入り”し過ぎて、宝塚そのものを楽しむことができなくなってしまいます。

とことん、どっぷりとマニアックにファン気分でつかりたい人には、とっても“濃くて”面白い本になるでしょう。
私も・・・時には読んでみたい本になるかも・・というものでした。


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