黒い瞳/ Rock on ! 初日を見ました
宝塚歌劇・雪組全国ツアー『黒い瞳/ Rock on ! 』を、23日の土曜日に、市川市文化会館で観劇しました。
主演男役・音月桂(おとづき・けい)さんはこの間まで東京宝塚劇場で“トップお披露目”をしたわけですが、今回は、決まっていなかった娘役主演が舞羽美海(まいはね・みみ)さんに決まり、トップ二人が揃ってのお披露目となりました。
ミュージカル「黒い瞳」は、1998年に月組、真琴つばささん、風花舞さん、紫吹淳さんらによって公演されたものの再演だそうです。
1700年代の帝政ロシアと、その圧政下で苦しむコサック民族が起こした反乱の中で起こる物語です。
まずは、このミュージカルの感想ですが、音月さんは震災のあった東京宝塚劇場での前回公演期間中に色々あった中で、あのロミオとジュリエットをやり遂げたことの自信からかと思いますが、非常に落ち着いて、トップらしい印象になってきました。
雪組を見渡している様子も感じられました。
それに、自身の魅力を舞台上で強調して発揮されていたように思います。
明るく、前向きで、少年的なルックス、それに軽やかに、しかも力強く“歌える”持ち味が、この作品で十分に発揮されていました。トップ就任後、三作品目で“いい味”が出て来ました。
そして、主演娘役に正式になった舞羽さん。のびのびと、自信を持って、歌い、演じていました。
トップに正式に指名されるということが、こういうことなのだとわかりました。
早くも立ち居振る舞いにトップとしてのそれが感じられました。歌も成長されたように感じました。光り輝いています。
特筆すべきは、反乱軍の首領を演じた未涼亜希(みすず・あき)さん。
その堂々とした振る舞いと、セリフ回し、音月さんと対等に舞台に立つ姿は、今回、音月さんとともに、まさに“主演”していました。
歌も素晴らしかったし、赤い衣装で出て来たところでは、思わず座席でひとり、「すごい、すばらしい」と唸ってしまいました。
一幕が終わり、幕間のロビーでも、未涼さんに対する賞賛の嵐でした。
「よかったねぇ」「トップになってもいいと思う」などという声が耳に入ってきました。
私が見ても同様に感じました。未涼さんも雪組に馴れて、掌握してきたようです。
晴華みどり(はるか・みどり)さんの女帝エカテリーナ役も釘付けになるくらいの存在感と、歌唱力でした。
宝塚の持つ魅力である、煌びやかなうつくしさや、のびやかな歌声を存分に魅せてくれました。実力者です。
沙央くらま(さお・くらま)さんは、今回敵役で演じ甲斐のある役でした。前回のロミオとジュリエットでの乳母役に続いていい役どころですが、もっと悪く演じてもよかったかも、・・・あと歌の方でちょっと声が出ていないように感じました。これは、その日の体調からかもしれませんが。
そして、ショー「ロックオン」ですが、水さんのサヨナラ公演で一度観たものです。
あのときは、その前のミュージカル「ロジェ」でがっかりしたあとに、トドメを刺された感があったのですが、今回はとても良くなっていたと感じました。
派手なエレクトリック・サウンドとリズムで始まる部分についても、前回はなんだかなぁ、という印象でしたが、今回は逆に音月さんを後押しするような迫力を逆に感じさせてくれました。
その他の部分についても、全国ツアーといえども、かなり細かい部分まで稽古したあとがうかがわれました。
洗練されていたし、個々の細かい動きも計算されているようで、シーンごとに構築していったあとが感じられました。それだけ見どころも多く、前回違和感を感じたエレクトリックな黒燕尾ダンスも今回は「けっこういい」と思いました。
また、今回、彩風咲奈(あやかぜ・さきな)さんが、かなりフィーチャリングされていて、劇団の期待の強さを感じました。また、彩風さんもそれに応えていました。
とても見栄えのする彩風さん、これからがとても楽しみです。
全体にショーの方も、パワフルでスピーディーなものになっていて、なおかつダンスも洗練されていて、見どころがたくさんあるものでした。とても良かった。
雪組も順調に軌道に乗り始め、いよいよこれからの宝塚歌劇、おもしろくなりそうです。
いまのところ、次は月組の東京宝塚劇場公演を観劇する予定です。
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