『吉原手引草』読みました・・おもしろい
職場の“心配性の天使“が貸してくれた『吉原手引草/松井今朝子著(幻冬舎文庫)』を読みました。
第137回直木賞受賞作なんですね。
一気に読みました。
江戸・吉原で全盛を誇った花魁(おいらん)が、忽然と消えたという事件があったことを、引手茶屋の内儀、遣手、床廻し、お大尽、女衒(ぜげん)、楼主らへのインタビュー形式の記述で知り、郭内の様子やそれぞれインタビューをしていく人たちの日常までが精緻な表現でよみがえります。
もう、それだけでお腹いっぱいになるくらいの見事な表現で、眼前にその世界が立ち上がってくるが如くです。
読んでいるうちに、いったいこのインタビューをしている人は誰なんだろう?という疑問も持ち上がるのですが、もう先が気になるし、主人公の花魁の心の内側に入った記述は全く無いので、関係者から聞いた事情聴取の内容からしか想像することが出来ない物語となっています。
そして読み進む内に、ミステリーチックになってきて、最後は「ああ・・そうだったのか」と目の覚めるような結末が待っていて、・・おもしろかったぁ~(^_^)
しかし、この一部の破綻もない書きっぷりには舌を巻きます。
時代劇的にも楽しめるし、人生模様も楽しめるし、ミステリーとしても面白いし、いい本を貸してくれました。
天使、ありがとう!いい時間を過ごせました。
【NowPlaying】 砂漠のような東京で / いしだあゆみ ( 歌謡曲 )
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コメント
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みいさん、こんばんは!
この本、気になられていたのですね。
とてもおもしろかったですよ(b^ー°)
さらに、物語の運び方に“ほころび”がありません。
お見事っ!って言いたくなるくらいです。
おすすめです!
投稿: はっP | 2011/05/08 19:05
こんにちは~
この本、直木賞受賞した時に、気になっていたんですが。
まだ読んでなかったんだけど。
はっPさんの書評読んで、読みたくなりました^^。
文庫化されたんですね。今度本屋に立ち寄って探してみます。
紹介ありがとうございます^^。
投稿: みい | 2011/05/08 12:11