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2011/06/24

「女の人差し指」を読んで

20110624_mukouda01


『女の人差し指/向田邦子著(文春文庫)』を読みました。
昭和57年に単行本が出版、その後昭和60年に文庫本化、そしてこの平成23年に新装版として出されたものです。

向田さんの文はいつも読んでいるという気がしない。
その文の中にある世界に入ってしまうので、自分が読んでいるという実感なしに本の向こう側にいってしまう感覚なのです。

この本には、あの懐かしいテレビ・ドラマ「寺内貫太郎一家」を書き、放映されていた頃のことも書かれていました。
あの番組を見て一々、「現実はああいうものじゃない」とか「もっとリアルに書け」というような電話がじゃんじゃん掛かってきたときの様子も書かれていました。
なぜか日本人に多い、生真面目ちゃんがここにも顔を現していたのですね。今でもたくさんいます。向田さんは「わかってくれ」というように書いていますが、まだあれから何十年も経って、わかっていない人は逆に増えてしまったかもしれません。

骨董屋に自分が使う茶碗や器などをもとめて入っていくときの楽しそうな様子は、まるで自分が店に入るような気分で読めました。

スーパーで買いすぎて、レジにひとつひとつ品物を返して値段を下げていく様子、家に汲み取りの作業に来た人に飼い猫が飛びかかり叱られた時の子供の頃の様子、妹さんを巻き込んで開店した「ままや」という小料理屋について書いているところなど、どれもこれも珠玉の書きっぷりです。

何の気負いもなく、自然に、気持ちのよい流れで書かれていて、向田さんの文は今やどこにもない唯一のものになっているような気がします。
私の大好きなコラムニスト・山本夏彦氏も向田さんの文には脱帽していたようです。

あの手に取るような感じ、自分の記憶が瞬時によみがえるような感じは読んでいて心の中になにか温かいものがぽっと灯るようです。

向田さんのドラマもまた見てみたくなりました。


【NowPlaying】 My Band / D12 ( Pops )

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コメント

読書中毒の年寄り(76)です。
視力老化にブレーキが利かず、文字の大きさが自由自在な電子書籍で読書してます。
男も女も寝押しの仕草が懐かしい。
それにしても、向田さんの本は知らず知らずのうちに引き込まれていくようです、

さかいさん、こんばんは!
ただいま帰宅したところです。コメントありがとうございます。

おっしゃるように向田さんの作品はいつの間にか引き込まれていますね'(*゚▽゚*)'
それに寝押しのことが書かれていましたが、昔の家庭などでの様子も今やなかなか見ることがなくなり、妙に懐かしいものです。

電子書籍での読書、76歳にして読書中毒(*´∇`*)
いいです、すばらしいです。
これからもこのブログにお立ち寄りくださいね。
お待ちしています。

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