ひそやかに大反響・・読後の満足感に続々増刷・・・という本
この本、書店で平積みされていて、パールっぽいピンクの表紙に引かれ、手に取ってみると「石田衣良」さんの本じゃありませんか、でタイトルか・・sex・・・です。
というわけで、『 sex /石田衣良著(講談社)』を読みました。
腰巻きには、「好きな人とたくさん」と書かれています。
中身をそっとのぞくと・・・「わわわ」とあわてて閉じ、あたりを見回しました。
「よし、誰もいない」と、再度ページを開くと、次から次へと石田さんのsexに関する“妄想”が短編でいくつも繰り広げられます。
それも、「そこまで書くんかい!!」っていうくらいの過激さ、というか突拍子もなさっていうくらいに。
石田さんの本は今まで何冊も読んでいるけど、こういう内容は初めて。
読後に後書きを読むと、石田さんのコメントが。
この国の草食男子の増殖、ロケットのような未婚率の上昇、sexそのものを厭(いと)う時代の空気、それらを感じた石田さんが、目一杯の気持ちで書き上げた作品のようです。
「セックスは時代遅れの冴えない悪徳」になりさがったようになっている昨今、「頭と心と身体のすべてが参加する全人的な行為で、生きものとしての人間になくてはならないものだ」とおっしゃっています。
「人にかかわるすべてがあらわれてしまう」ともおっしゃっています。
それらすべてのことが、この作品にうねるような流れで書かれています。
どれも信じられないような幻にさえ感じるエピソードが織り込まれ、読み出したらあっという間です。
ただ、電車でも読めないし、家でもうかつにページを開いていたりしたら、「なに考えてんのっ!」って叱られそうなので、なぜかかくれてこそこそ読みました(^_^;)
案外この本には、現代が抱えている男女の心と体の奥底の問題、ひいては社会問題へのひとつの回答が書かれているのかもしれません。
そぉっとおすすめです( ̄▽ ̄;)
【NowPlaying】 あの娘におせっかい / Paul McCartney & Wings ( Rock )
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