今度は『愛妻日記』を読んだ
『愛妻日記/重松清著(講談社文庫)』を読みました。
読みましたと書きましたが、途中でいやになり、一回ほったらかしにしました。
読み初めてすぐに思い出したのが、このブログでも書きましたが、石田衣良さんの「sex」という著書です。
ある意味似たような作品とも言えて、“そういう性愛行為”が全面的に肯定され、これでもかっていうくらい、あらゆるパターンの行為が描かれている、そこまでは似ているのです。
「あれっ」と思ったことは、“この両作者の年代”の人たちは少年時代、そして学生時代、就職して結婚してから現在に至るまでの、その行為に対する“思い入れ”が、屈折したり、激情的になったり、その人の生き方にとって大きな意味を持っている世代なのではないか、ということでした。
そういう部分では共通しているのですが、重松さんの方は、更にコンプレックス的な部分が強調されている作品であると感じました。
石田さんの作品は、「もっといけ」「謳歌しろ」「恥ずかしがるな」と後押しする感がありましたが、重松さんのこの作品は、「こんなことまで言っちゃうぞ、やっちゃうぞ」「いいのかな、でも書いちゃうよ」みたいな感じで、こちらとしては、ドギマギするばかり。
なので、「もういいっ」とばかりに、一回ほったらかしにしてしまったのです。
でも、気になって二週間ほど間をあけて読み始めたわけです。
重松さんの後書きを読んでも、この作品については、いろいろとひどいことを言われたらしいのですが、でもきっと、男がその年代に達して、書かねばならないテーマなのではないかと思うようになりました。
重松さんの他の作品からは想像できないインモラルな一冊。40代~50代の方には一度読んでもいいかも、とおすすめします。でも、読んでいるときにのぞき見されてどんなことになっても知りませんよ。
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