『なぜ宝塚歌劇の男役はカッコイイのか/中本千晶さん・著』読んだぞぉ~っ(^-^)v
表題の『なぜ宝塚歌劇の男役はカッコイイのか/中本千晶著(東京堂出版)』を読みました。
私は、最初、現在の宝塚歌劇の状況を見て、「男役のカッコよさ」について書かれたものかと思っていました。
しかし、読み進むうちに、もうすぐ100年になろうかという宝塚歌劇の歴史を丁寧に振り返ることによって、現在の男女役トップスターを中心とする宝塚の姿が浮き彫りになってきて、なかなかに読み応えのある書でした。
特に「歌劇」という宝塚歌劇の雑誌のバックナンバーや「おとめ」という宝塚歌劇の野球で言えば“選手名鑑”のようなものを創刊当時のところから丁寧に紐解き、その当時の宝塚の出しもの、スター、当時のファンの考え方、劇団の考え方、さらには、写真の掲載されている大きさや掲載のされ方によるスターの扱い方まで、丹念に調べ上げられているところに、その仕事の深さを感じ、驚きました。
私にとっても、初めて宝塚を観た頃以前の宝塚は“ブラックボックス”であり、「男役トップスター中心」というのが当たり前ではなかった宝塚の歴史の変遷を知り、なにか頭の中で雲がかかっていたような知らなかった過去が判明して、今の宝塚が逆に鮮明に見えてきたような気がしました。
それに、昔の宝塚について、私はけっこう“お遊戯会の延長”みたいなものだったのかも・・・と勝手に思い込んでいたのですが、実は海外のレビューを取り入れた頃のエピソードなどを読んでいくうちに、昔も今と変わらぬ先進性と、頭が下がるような取り組みがなされ、きっと“いいステージ”であったに違いないと思うようになりました。
つまり、宝塚の魅力がこの本を読んでさらに増したと感じたのです。
男役の極め方について、様々な取り組みのことも書かれていて、一々頷きながら読んだのですが、終盤、娘役の現在のあり方について中本さんが書かれているところで、最初中本さんが思い描いていた結論とは書いている内に違う結論になってしまった・・と記述されている部分がありました。
最初は、現在の娘役のあり方について、やや否定的な結論にしようと思われたようですが、いやいや、やはり男役と並んで生き生きとする娘役は、現在それぞれがそれぞれに異なる魅力を発揮していて、女子の理想を映す鏡とも言えるのでは・・という結論に変わっていったようです。
私も賛成です。
現在の宝塚を見ていて、娘役の魅力はただ単に、麗しい、可愛い、楚々としているなどというものだけではなくなっています。
今どきの女性の魅力を発散するが如く、見せてくれる生徒はたくさんいます。
この本は、男役の魅力はもちろん、宝塚全体の魅力と共に、娘役の今後の魅力の展開についても触れられていて、読後感は充実したものでした。
それと、私が気づいたことは、「まだまだ宝塚の掘り下げ方には無限の可能性がある」ということでした。
私も、ブログ、その他で微力ではありますが、「男」の見方としての掘り下げもして行きたいとあらためて思ったのでした。
【参照】私が過去に書いた中本さんの宝塚関係のご著書についての過去ブログへのリンクを下記に貼っておきます。
「宝塚(ヅカ)読本/中本千晶著(文春文庫」
「なぜ宝塚歌劇に客は押し寄せるのか/中本千晶著(小学館新書)」
【NowPlaying】 ニュース / NHK ( AMラジオ )
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