アリスの恋人・・みてきた
宝塚歌劇・月組東京特別公演『アリスの恋人(バウ・ラブ・アドベンチャー)』を見てきました。
もう、チラシ、ポスターを見た時点で「こりゃイケてるに違いない」と思ってしまいました。
しかも作・演出は今年星組の「めぐり会いは再び」の作者、小柳奈穂子先生。
女子たちの“胸キュン”&“ちょっとオタク”な恋愛を描かせたら、かなり、すごいこの先生!
今回もやってくれました。
今回の公演は、月組二番手(月は二番手が二人いる?状態)の明日海りお(あすみ・りお ※愛称は「みりお」)さんが主演男役です。
そして、男役から娘役に転向して娘役主演となった愛希れいか(まなき・れいか)さんは、2009年初舞台の初々しい娘役です。
物語は、作家を目指す明日海りおさんの夢の中で繰り広げられ、仕事がうまくいかず、しかも失恋してぐでんぐでんに酔っぱらった愛希れいかさん扮する「アリス」がマンホールに落っこちると、明日海さんの夢の中、しかもそこは「アリス・イン・“アンダーグラウンド”ワンダーランド」というぐあいです。
そこには明日海さん扮する「ルイス・キャロル」を永遠に夢の世界に閉じ込めようとする「ナイトメア・星条海斗(せいじょう・かいと)」や、我が儘で怖ろしい「赤の女王・愛風ゆめ(あいかぜ・ゆめ)」や、不思議な「帽子屋・紫門ゆりや(しもん・ゆりや)」など、ワンダーランドにふさわしい“濃い目”のキャラが続々登場!
ひと言でいうと、少女マンガが舞台で演じられているような、そんな印象です。
職場の宝塚ファン、天使と女神の二人は、すでにこの公演を見ており、かなりな好評でしたので、私もかなり期待して見始めたのですが、最初のうちは何が起こってどうしようとしているのか、実はよく飲み込めませんでした。
宝塚でこの不思議の国のアリスなストーリーをどうやって描こうとしているのか・・頭の中を整理しているうちに前半は終了・・!!( ̄◇ ̄;)
今回ご一緒いただいた、T市の「マダム・K」も、最初に見たときは私と同じ様な状態に陥ったとこのこと。
で、今進んでいるストーリーと舞台運びとキャラクターを頭に入れ、「よしっ」ってことで第二幕に突入!
おおっ、今度は何がやりたいのか把握しているので楽しく見られる(^-^)☆
紫門ゆりやさんは、かなりな目立ち度。キザな軟派師のくせして、控えめな女子にはいまいちオドオドな様子がキュート(*^^*)
赤の女王の愛風さんは、2008年初舞台の若手だが、堂々と悪~いキャラを怖くて可愛く演じ、なかなかのもの。
ナイトメアの星条さんは、一見怖ろしく非情なんだけど実は・・っていうキャラクターをさすがのベテランぶりを見せて演じてくれました。
その他、みなさん独自のキャラを自分で磨いてきたと見えて、どれもこれも“マニア的”に胸キュンキャラでした。
少し手を加えれば大劇場でも上演可能な印象も持ちましたが、私が思ったことをひとつ。
これはこれでいいのかもしれませんが、ストーリーは冷静に見るとかなり平坦です。
こうなるだろうと思ったとおりに展開するし、ルイス・キャロルの“みりお”さんと、アリスの愛希れいかさんの恋も想像どおりに成就します。
ええっ!こんなことだったの?!っていう展開が夢が覚めたときにあったら、なお面白いんじゃ・・とか、今回のストーリーでは、夢の国は結局消滅せずにハッピーエンドだったものを、もっとはかない最後にしてしまうのも印象的だったのでは・・などと思いました。
でも、・・きっとこれでいいんですよ。小柳先生の作風ってこういうものなんだろうとあらためて思いました。
これからの小柳作品でさらにその奥義が判明してくるものと思われます。
まだまだ新たな展開がありそうです・・・。
私が観劇したのは千秋楽で、明日海さんも感極まっていましたが、愛希さんも舞台で泣いていました。
明日海さんが「泣きながら、ちゃぴ(愛希さんの愛称)は、がんばってついてきた」とほめていました。
たしかに、見ていて、愛希れいかさんは、必死でくらいついている印象でした。
でも、明日海さんのあまりにも美しい(今、宝塚男役で一番美しい?!)ルイス・キャロルに抱きしめられ、キスされて、幸せそうなアリスを懸命に、立派に演じていました。
これからが楽しみです。
最後に明日海りおさん。
立派な男役になって素晴らしいのですが、まだまだもうひとつ乗り越えるべきものが見えたような気がしました。
トップらしい風格や、見得を切るような仕草。歩いているだけでドキドキさせるようなオーラ。
きっと現トップの霧矢さんが退団された頃にはそういうものも身につけているに違いありません。
応援しています。
【NowPlaying】 3つの聖歌 ~左手のためのフィンランディア~ / 舘野泉 ( Classic )
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