映画「カルテット」を見てきました
公開中の映画「カルテット」を妻と見てきました。
これは、先週の由紀さおりさん、安田祥子さん姉妹のコンサート時に、由紀さんがお祖母さん役で出演されていて、千葉県浦安市の復興にも関わっている作品ということで紹介され、妻がチケットをそのときに購入していたものです。
楽しみに行きました。
監督:三村順一 主要な出演者:高杉真宙(たかすぎ・まひろ)、剛力彩芽(ごうりき・あやめ)、鶴田真由、細川茂樹 です。
由紀さおりさんは、主役となる上記家族の主人公、高杉真宙、剛力彩芽二人のお祖母ちゃん役です。
物語は、音楽大学に通っていた細川さんと鶴田さんが恋に落ち、子供が出来て鶴田さんは音楽をあきらめ、細川さんも結局生活のため音楽をあきらめて会社勤めをするのですが、リストラに遭っている状況。
子供達は高校生になったが、長女は音楽の道を“弟の才能”に希望を見出した両親を見てあきらめ、ドロップアウト。長男は何とか親の希望通りにとバイオリンの稽古に励みますが、父親がリストラで家事を行い、母親が市場で働くようになり、崩壊寸前の家庭に気を揉みます。
そして、お祖母ちゃんの由紀さおりさんの誕生日にかつて10年前に行った家族コンサートをしようと言い出し、無理矢理にやってみたものの、失敗。
でも、それを見ていた様々なコンサートを企画している、「サンプラザ中野くん」扮する音楽関係者が先ずは父・息子のピアノ・バイオリンのデュオでの出演を企画。
やがて、家族全員が音楽でひとつになろうとカルテットを組み、コンサートを開く、そしてバラバラになっていた家族の絆を取り戻そうとするのです。
大きなオーケストラに誘われた長男の高杉さんには、家族のカルテットと将来をかけたオーケストラの演奏のどちらを取るか心が揺れに揺れるのですが、・・結末は映画を見て・・ということで。
この作品は浦安市の市制30周年を記念して製作されたのですが、開始間もなくあの大震災。しかも、浦安市は液状化で壊滅的な被害を受けました。
でも、この映画には浦安市のロケーションが全編に繰り広げられ、エキストラの700人など、全面的に浦安市民が強力して完成したものだそうです。スクリーンには、昨年国への要請活動でご一緒した市長さんの姿もありました。
浦安市の景観、コンサート会場、市民の何か訴えかけてくるものがたしかにありました。
そして、現在様々なところで問題になっているであろう家族の問題にも、音楽という人にとって、かけがえのないものでひとつの解決にあたる、いい作品になっていました。
主演の高杉真宙さんの自然体で静かに秘めたような演技は、とても新人とは思えない落ち着いた堂々としたものでした。新人と聞いて驚きました。
そして、同じく姉を演じて光り輝いていたのが、剛力彩芽さんです。
この人は“なにか”を持っていますね。
見ている人を引きつける吸引力というか、体中から発散する輝きがただ事ではないです。
きょう、たまたまラジオをつけたら、剛力さんのインタビュー再放送の番組がかかっていて(ほんとうに偶然)、この映画でのフルート演奏も自分で実際に行ったということを聞いてたいへん驚きました。
そして、剛力さんの家族も四人で、前向きで一生懸命、ちょっと涙もろい父さん、剛力さんと二人で化粧鏡に向かいながら自分が可愛いとうっとりするお母さん、明るくて頑張る弟さんの話をしていて、まさにこの映画の家族のように暮らしているのだな・・と、ちょっと感激しました(*´∇`*)
ちょっとだけ、「サンプラザ中野くん」の演技が過剰表現だったのと、東幹久さんが登場しただけで、あのガスCMを思い出してしまい、急に冷めてしまったこと、ストーリーが順調にテンポ良く進み過ぎたということが気になりましたが、でもでもいい映画でした。
音楽と、家族と、周囲で見守ってくれる人達の温かさを感じる映画でした。
気になる方は、ぜひ映画館に足を運ばれると良いですよ。
【NowPlaying】 I Got No Strings / Ann Grennan ( Jazz )
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