「エドワード8世/ Misty Station 」を観て来た
宝塚歌劇・東京月組公演『エドワード8世/ Misty Station 』を既に観ていましたので、その観劇記を。
今回の公演は、月組トップスター・霧矢大夢(きりや・ひろむ)さんと、娘役トップスター・蒼乃夕妃(あおの・ゆき)さんの同時退団によるサヨナラ公演となっています。
「エドワード8世」という、王位を捨て、退位してまで結婚を選んだイギリスのエドワード8世の“王冠を賭けた恋”についてのミュージカルと、きりやん(霧矢大夢・きりやひろむ)、まりもさん(蒼乃夕妃・あおのゆき)ら退団者を大フィーチャリングしたショーから成り立っています。
客電が点いたまま、放送事故かのような龍真咲(りゅう・まさき)のアナウンスで始まる「エドワード8世」は、ウイットに富んだ洒落たミュージカル作品となっていました。
王冠を賭けた恋が、“美談”になるでもなく、とてもシニカルに描かれている部分もあって、大人の作品と言えるのではないかと思いました。
男と女、身分、国籍、思惑、さまざまな要因が主演二人の間に横たわり、それを単なる恋物語には終わらせないのが今回の作品の見所かもしれません。
芝居巧者の主演二人には、それらがまるで演じた役の本人が舞台に立っているかの如く見せることができていました。
男と女、大人の関係というものは、こういうものだ・・という深く渋い人間関係を苦みを覚えながら味わうのが、本作の“ウリ”だと感じました。
この公演でやはり退団する青樹泉(あおき・いずみ)さんにも良い役が振られていて、青樹さんの実力が遺憾なく発揮されていました。いつもながら、この人の誠実な演技には、心惹かれます。
とてもいいミュージカルだと思いましたが、私としては、「場面転換」に乏しいような印象を受けました。
トーンも同じような場面が続き、もうひとつ気持ちの切り替えができるような場面転換があるとより良いと思ったのですが・・いかがでしょうか。
ショー「ミスティ・ステーション」は、観客に“ガンガン”訴えかけてくる圧倒的な迫力あるものでした。
退団者に大きな場面が与えられ、月組の魅力が大いに引き出されていました。
しっとりとしたシーンもあるし、手拍子必須の楽しいシーンあり、男役燕尾のダンスあり、デュエットダンスありの満点ショーと言えると思いました。
月組らしい綺麗な印象を受けるショーで、月組以外の組には似合わないものだとも思いました。
最初から最後まで文句なしの楽しめるショー、宝塚らしさも久しぶりに強く感じました。
きりやん、まりもさん、ありがとうございました。
月組公演は、欠かさず観ました。
いつも宝塚ではなかなか無いような演目をこなし、観客も楽しめる仕上げ方には舌を巻きました。
お二人の今後にも注目いたします。ほんとうにありがとう。
・・長男は、生まれて初めて宝塚を経験して、大好きになったのは、きりやんでした。
きりやんの特集本も買っていましたが、長女だけでなく、まさかの長男との宝塚観劇まで実現させてくれた月組・きりやんに大感謝です。
【NowPlaying】 And Your Bird Can Sing / The Beatles ( Rock )
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