星組・全ツ“Sonic City”☆すごかった☆
「宝塚歌劇・星組全国ツアー@大宮 Sonic City」を観劇しましたのでご報告を。
今回の演目は、ミュージカルの方が「琥珀色の雨にぬれて」、ショーは大劇場、東京宝塚劇場から引き続き「 Celebrity 」です。
琥珀色・・は、1984年の花組(高汐巴・若葉ひろみ)、1987年同じく花組(高汐巴・秋篠美帆)、2002年花組(匠ひびき・大鳥れい)、2003年花組(春野寿美礼・ふづき美世)と再演を重ねている作品ですが、残念ながら私はどれも見たことがありませんでした。
今回の星組では、この主人公のクロード役を柚希礼音(ゆずき・れおん)さんが演じたわけですが、人生の伴侶として理想的な女性であるフランソワーズ(音波みのり/おとは・みのり)と、衝撃的な出会いで一気に恋に落ちたシャロン(夢咲ねね/ゆめさき・ねね)という対象的な女性の間で揺れ動く男心を、その“衝動”を中心に描いていて良かったと感じました。
過去の同作品は見ていないのですが、例えば高汐さんなどが演じれば、もっと男のずるい部分や、ずるずるとまずい関係に引きずり込まれ、自らも望んでしまうような形で演じたのではないかと想像いたしますが、柚希さんの演じ方は非常に正直な男の気持ちが出ていたのではないかと思いましたし、現代的な表現であったと思いましたし、斬新にさえ感じたのです。
そして、柚希さんを惑わし、婚約者から妻となったフランソワーズに対し、あやしい大人の女として接するという役を夢咲さんは“魅力ある女”という形で演じ、これまた見事でした。
またひとつ、夢咲さんは階段を登ったという感じがしました。
ジゴロを演じた十輝いりす(とき・いりす)さんは、宙組から組替えで来て、大変重要な役を演じることとなりましたし、組の要としてフル回転でした。
十輝さんの実力が存分に発揮されていましたし、男役としての魅力も素晴らしいものが開花していると感じました。
フランソワの兄であり、柚希さん演じるクロードの親友を演じた鶴美舞夕(つるみ・まゆう)さんも好演、私が簡単・3分宝塚講座で一押しした壱城あずさ(いちじょう・あずさ)さんも頑張っていましたよ(*^-^)
この演目は、1980年代に見た頃の宝塚のリズム、テンポで物語が進行するゆっくりと落ち着いたものでした。
この感覚は懐かしく、じっくりと芝居を味わうことができましたし、個々のキャラクターの演じ方なども深く味わうことができる佳作だと思いました。
再演されてきたのもうなずける、濃い、大人のお話。
恋愛のかたちをしみじみと考えさせられる演目なんて、近頃なかなかお目にかかれなかったものです。
久しぶりに心の中に哀愁と潤いを感じるひとときでした。
ショー「セレブリティ」は、東京宝塚劇場の本公演でも演じられたものですが、今回は紅ゆずる(くれない・ゆずる)さん率いる日本青年館での公演と星組が二手に分かれているため、かなりな少数精鋭部隊となっていて、印象はかなり異なりました。
でも、“飛車角抜き”と言ってもいい陣容なのに、迫力は満点!
ここでも十輝さんが大車輪の活躍をして組全体を引き締めました。
そして、ミュージカルのあと、このショーも続けて見た段階で、「このトップコンビは今、頂点に近いところにいるな」
と正直思いました。
自分達の思う主人公像を揺るぎない形で演じ、観客の反応をその場で生かすこともでき、ショーでは自分達の魅力はここにある・・というものを充分自ら理解して、観客に対して最良のトップコンビ姿を見せてくれるというなかなか見られない境地に達していると思いました。
今回の全国ツアーは、よくあるちょっと緩い感じの公演ではなく、柚希さん、夢咲さんコンビが今までの舞台で得たものをあらためて私たちに見せてくれている素晴らしいものだというのが一番の感想です。
まだ“星組・全ツ”見ていない人は必見ですよ!
ちえ&ねね(ちえは柚希さん、ねねは夢咲さんの愛称です)コンビ、今“乗りに乗って”います!'(*゚▽゚*)'
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