「ワイン・エッセイ」というのを読んだ
『ソムリエという仕事/細川布久子著(晶文社)』を読みました。
この本も西千葉の古書店ムーンライト・ブックストアで購入したものです。
2002年9月初版の本で、著者の細川布久子さんは、1947年生まれ、1985年に渡仏し、その後パリに在住、ワイン研究に専念されている方とのこと。
この本は細川さんが知り合った一流のソムリエ達の子供の頃から下積み時代、そしてコンテストなどを経て世界でも名が知られることになった様子を愛を込めて書いたものです。
そして、ソムリエの仕事について実に丁寧に書かれていますので、その真価というものがよく伝わってきます。
フランス料理というものが、ワインと料理とサービスで成り立っていて、そのどれも欠くことができず、店と客でおりなすレストラン文化についても、このエッセイはよく描いています。
紹介されている7人のソムリエのひとり、エリック・ボマールは、元々は料理人を目指していたのですが、交通事故で片腕が不自由になり、それでも料理人になろうとリハビリをして復帰するのですが、やがて師匠にすすめられ、料理の世界を断念し、料理に深く関わる職業ということでソムリエの修行を始めます。
その後の血のにじむような努力と、悔しい思いを何度もさせられる場面を読んでいて、その努力と忍耐と気力に頭が下がりました。
一流の人というのは、どうしてみなあきらめないのだろうと、いつも思います。
その他の6人のソムリエ達のエピソードのどれもが、心打つお話ばかりでした。
非常に丁寧できめ細かい、今どきにはあまり無い美しい日本語で書かれているこのエッセイ、読み応えがありました。
この方は、このほかにもワイン研究などに関する著書を書かれています。
また書店などで見かけたら読んでみようかと思いました。
実生活の中ではなかなかお目にかかったことのないソムリエ、今度ソムリエのいるようなレストランに行ってみたいなぁ(*´`*)
【NowPlaying】 Tyrone / Larry Young ( Jazz )
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