オランダ人教授からみた『日本』論、読んでみた
『いまだ人間を幸福にしない日本というシステム/カレル・ヴァン・ウォルフレン著(角川ソフィア文庫)』という本が書店で目に付き、タイトルも長いが、興味を持って読んでみました。
ジャーナリストでアムステルダム大学名誉教授という著者のこの本は、阪神淡路大震災後に出版され話題となったものに、大幅に加筆修正をして出されたものだということでした。
読み始めてすぐにこの人の言いたいことが「日本は官僚が支配していて、誰もそれを制御するものがなく、第二次世界大戦後にはアメリカの考えでは、政治家がコントロールできるだろうと思っていたのだが、あに図らんやまったく変わらなかった」・・で、どうなる、どうする日本・・という内容でした。
300ページを超える本ですが、じゃあ実際にはどんな例があったの、と読み進んでも詳しい事例はほとんどなく、観念的に説明されていて、・・それはこういう事例のことだろうか、ああいう事例のことだろうか、と自分で考えているうちに疲れ切ってしまいました。
言わんとしていることはわかるけど、それが響いて来ない、そんな印象でした。
しかも、日本人の側に立って書かれていないので、なんだかこんなシステムになっている日本の悪い部分の責任は自分にあるような気がしてきてちょっといやな気分になったりもしました。
学問的に読むのには良いけれど、読み物的にはちょっと読めない本でした。
【NowPlaying】 永六輔その新世界 / 若山弦蔵他 ( TBSラジオ )
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