「ベルサイユのばら」を初めて見たって言ったら驚く?!
久しぶりに東京宝塚劇場で宝塚を見ました。
宝塚歌劇・月組東京公演『ベルサイユのばら』でした。
実は宝塚ファンだなんだかんだ言って、いろいろブログでも書いておりましたが、“ベルばら”本格初体験なんです(^_^;)すまん。
過去にそれらしきものというと、真飛聖さんの頃の花組東京公演「外伝・ベルサイユのばら 」というちょっと本編からずれているような演目で、しかも一本立てではない作品でした。
なので、今回が正直初体験と言ってよいかもしれません。
宝塚ファンだと言っておきながら、どういうことだと叱られそうですが、・・そういうことなんです。
正直に言いましょう。
「ベルばら」には全く興味がなかった。むしろ見たくなかった、というのが本音でした。
でも、この機会に真摯な気持ちで、心を真っさらにして見てみようと思い立ったわけです。
私が見た回は、トップの龍真咲(りゅう・まさき)さんがオスカル、準トップの明日海りお(あすみ・りお)さんがアンドレ役でした。
いきなり劇場内に入ると、そのいつもと違う、昔のベルばらブームの空気漂う漫画チックなセットが見えていました。甘い香りが漂ってきそうな、そんな感じ。
・・大丈夫かな、最後まで気持ちが持ち堪えられるのか、と心配になりました(-_-;)
そして見た感じをそのままお伝えしましょう。
龍真咲さんは、この“男装の麗人”には、もってこいでした。
漫画から抜け出たような、きっちりと所作などが決められていると感じさせるこの役柄にはピッタリだと感じました。
妙に心情などを個性的な演技で強調することなどもなく、ベルばらファンには「よしよし」と満足できる内容ではなかったかと思います。私の思い込みですけど。
明日海りおさんも、龍真咲さんと同様、きっちりと“型どおり”の演技を繰り広げ、私が思っていた以上に、この「ベルばら」というものは、ある意味宝塚の古典というか、宝塚が歌舞伎化されているような伝統芸的なものを強く感じました。
アラン役の星条海斗(せいじょう・かいと)さんや、ベルナール役の美弥るりか(みや・るりか)さんは中心的な役どころですが、ここは割と型にはめ込まれているようには感じませんでした。
「スカーレットピンパーネル」あたりの演技を少し“濃く”したくらいと言えばよいでしょうか。
全体的には、全てのシーン、音楽(けっこう楽曲も演奏も古く感じた)、演技、セリフに“型”があるように感じました。
それを今の月組が定型の型の中できっちりと伝統を守りつつしっかりと進行しているように思いました。
ただ、龍さんのオスカルが“なよ”っとすると「これはいったいどうしたもんだろう」と、何か違和感が私の中を走りました。
妙に脚を女性っぽく流すようにしてしなだれかかったり、突如女性として甘えたような“しなっ”とするような仕草が、これがあの・・歌舞伎の御大から指導された場面かと、思いはしましたが、この現代では、かなりな違和感でした。
「そこがいいんだ、バカっ!」って人も数多いとは思いますが、ちょっと考えてもいいのじゃないかと、・・正直言うと思いました。
それはラストでオスカルとアンドレが馬車に乗ってクレーンで空中に浮き上がるシーンでも、すごいとは思いましたが、「なんだこれは」と、戸惑いが優ることとなりました。
・・周囲のおばちゃんたちからは、感嘆の声が上がっていましたので、私のような印象はたぶん持たれていないと思いましたが・・。
この「ベルばら」では、舞台装置も、音楽も、ストーリーも、演技も、みな独特の“型”を持った伝統的なものが連綿と続いているのだと強く感じました。
そして古典をきっちりとやりこなしていくのが、宝塚のもうひとつの面であるとあらためて思ったのでした。
見終わったときの感想は、かなりな充実感がありました。
こってりとしたクリームと、しっかりとしたスポンジのケーキをお腹一杯味わった感じ(^-^;
たいへん申し訳なく思いつつ書きますが、5年に一回程度で十分じゃないかと思いました。
私は、作品が書き下ろしで、一回限りのミュージカルを見るのが宝塚観劇の楽しみの大きな部分であると感じていますので、このあと雪組も演ると聞いて、ちょっと複雑な気持ちになりましたが、いったい雪組がどう演じるのか、という楽しみもあるので、・・・また行ってしまうかも(#^.^#)
【NowPlaying】 Good Morning Good Morning / The Beatles ( Rock )
« Jimmy's Birthday アメリカが刻んだ「死の暗号」・・Jimmyとは誰だと思いますか | トップページ | 北原照久さんのfacebook 100の言葉 第二弾も読んでみた »
「宝塚」カテゴリの記事
- 宝塚歌劇を長いこと見てきたという人に会った。(2024.08.14)
- 俳句を詠んでみる_0138《宝塚俳句[ミュージカル Me & My Girl に登場した弁護士役 未沙のえる さんの名演に捧げる]》【 お屋敷の弁護士 胸に薔薇ひとつ 】(2024.06.21)
- 俳句を詠んでみる_0132《宝塚俳句[※個人的な思いで創った句です。宝塚歌劇団、元花組娘役 青柳有紀さんに捧げる]》【 緑さす とどけ ナーヴの ボーイソプラノ 】(2024.06.15)
- 俳句を詠んでみる_0126《宝塚俳句[ミュージカル、「エリザベート」で宝塚歌劇に新たな一頁を加えた一路真輝さんを詠む]》【 一路真輝 蝦蛄葉仙人掌(しゃこばさぼてん) 黄泉(よみ)の国 】(2024.06.09)
- 俳句を詠んでみる_0120《宝塚俳句》【 大晦日(おおみそか) 幻のアーニーパイル 】(2024.06.03)
« Jimmy's Birthday アメリカが刻んだ「死の暗号」・・Jimmyとは誰だと思いますか | トップページ | 北原照久さんのfacebook 100の言葉 第二弾も読んでみた »
コメント