『55歳からのハローライフ/村上龍』を読んだ
お昼休みに千葉銀座通りにある中島書店に寄り、背表紙をながめつつ店内をぐるっと回っているときにぐぐっと引きつけられ、立ち読みすると棚に戻すことができなくなりました。
『55歳からのハローライフ/村上龍著(幻冬舎)』を読みました。
5編の短編で構成されている本ですが、タイトルにもあるとおり、55歳からその後の人生を歩む男と女それぞれのストーリーが現実的に描かれていました。
婚活や再就職、家族への信頼の回復、ペットへの愛、老いらくの恋など・・以前の自分だったら現実味もなく、興味もそれほど持てなく、通り過ぎてしまうような本ですが、今の自分にはあまりにも厳しく5編のストーリーが襲いかかってくるように感じました。
男も女もそれぞれが自分の今までの人生を抱え、今までの自分はいったい何だったのだろうかと立ち止まる・・それが55歳以降なのではないでしょうか。
過去に生きてきた意味が見いだせないとき、今後の自分の生き方に意味を見出すことはたいへんな困難を招きます。
そのあまりにも厳しい状況がつぶさに描かれていて、読んでいる自分も辛くなりました。
希望のあるエンディングもありましたが、非常に“重い”本でした。
読んでよかったとは思いますが、辛くてもう一度読むことはないかもしれません。
自分がもう何年か経って、少しは心安らぐ状況になれたならば、もう一度ページをめくることがあるかも・・ないかも・・しれない。
【NowPlaying】 ラジオ深夜便 / 松本一路 ( NHK-AM )
« 『宝塚夜話・第八夜 < 退団後の生徒が気になる > 』 | トップページ | 花組の『オーシャンズ11』観た!!(その1) »
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 「今日もいち日、ぶじ日記/高山なおみ」を読みました。(2021.02.26)
- 「東京百景/又吉直樹」を読みました。(2021.02.19)
- 「君がいない夜のごはん/穂村弘」を読みました。(2021.02.15)
- 「太宰治の手紙」を読みました。(2021.02.14)
- 杉浦日向子さんの「江戸アルキ帖」を読みました。(2021.02.11)
「しみじみモード、私の気持ち」カテゴリの記事
- 向田邦子さんの「父の詫び状」をあらためて読んでみた。(2021.02.10)
- 体調をくずしておりました。(2021.01.30)
- NHK 「SWITCH インタビュー」で望海風斗さんと浅田真央さんの話を聞いた。(2020.08.10)
- 「気の毒な人」の続き・・“馬鹿者っ”て怒る人(2020.07.05)
- 気の毒な人(2020.06.30)
« 『宝塚夜話・第八夜 < 退団後の生徒が気になる > 』 | トップページ | 花組の『オーシャンズ11』観た!!(その1) »
コメント