「ラジオのこころ」また珠玉の一冊だった
『ラジオのこころ/小沢昭一著(文春文庫)』を読みました。
これは最晩年の小沢さんがラジオで語ったものの中からご本人が選んだ「傑作選」となっています。
どれもこれもあのラジオで名調子を聞かせてくれた小沢さんの“本領発揮”的な面白さです(゚▽゚*)
そして、小沢さんも自らの引き際を考えていたのか、「ぼちぼちお墓について考える」という一編も入っていました。
小沢さんは、自ら「ちゃんとしたお墓に入りたい」と言って、先祖代々のお墓を長野県からご自身の大好きな隅田川沿いの向島のお寺に移転した、と書いています。
それに、散骨などはいやで、死んでからの居所をちゃんとして、そこからまた世間を見ていたいというようなことも書かれています。
だから、「千の風になって」という歌は嫌いとはっきり言っています。
「そこには私はいません、眠ってなんかいません」という歌詞に対して「やっとゆっくり眠ってんだよ」(^^;)と、ちょっとおかんむり(^_^;)
かつて特異な能力のあった私からも言わせてもらうと、亡くなった人はお墓にいます。人によってですが、亡くなってから数年はそこにいます。長ければ七~八年は。
・・・という話題から、小沢さんのあの番組でいつも登場する架空のお父さん、“宮坂おとうさん”のことを思い、番組一万回記念として「宮坂さんお訪ね旅」を企画します。
そして、番組に応募してきたのは集落全体が宮坂さんとなっている長野県岡谷市の宮坂さんからでした。
そこには二千人の宮坂さんが!( °O °;)
近隣の諏訪地方には六千人の宮坂さんが在住(*^^*)
岡谷市の小井川区というところでは宮坂さん二百四十軒が金山神社の氏子になっているなどという話題も出て小沢さん驚いたり喜んだり(*^。^*)
現地に赴き、宮坂さんというお店で、全員宮坂さんという大宴会も開催されます。
こんなおもしろい話題満載で、しかも小沢さんのお話の中から珠玉の十編が読めるこの本、たいへんな良書でありますd(^_^o)
ぜひ日本の“おとうさん”の書棚に一冊ほしい本なのでした。
【NowPlaying】 ムーン・リバー / バーニー・ケッセル ( Jazz )
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