【ビートルズひとり雑談・第八談(ずっと後追いをしてきた世代には“うれしなつかし”の本)】
『 THE BEATLES MATERIALS/和久井光司著(ミュージック・マガジン』をCDショップで見つけ、気になる部分などから読んでいるところです。
この本は、ビートルズ後追い第一世代とも言える著者が米・英・日で作られたレコード、CDを徹底的に追いかけ、その特徴やそれぞれの国の事情についてもふれ、とにかくありとあらゆる製品(作品というよりも、ジャケットの造りや、盤毎の音質その他細部にわたってその出来上がりについて深く感想を書いている)について論評を繰り広げています。
まさにビートルズを愛してやまないマニアには最高の本となっておりました。
もちろん、あのアルバム「A Hard Day's Night」の日本盤だけ異なるジャケットのLPも当然ながら紹介されていますし、昔カタログだけで見たことのあるアメリカ盤「The Beatles 'Story」というアルバムも取り上げられていました。
米・キャピトル盤の様々なリリース作品、その内容、各国で発売されたシングル盤、EP盤(33回転4曲入りシングルサイズレコード)、メジャーデビュー前のスタークラブ・ライブ盤の手を変え品を変えての販売されたものも追いかけているし、一時期発売されていた「ロックンロール」「バラード」「ハリウッドボウル・ライブ」などなど、とにかくありとあらゆる製造されてきたビートルズの音源を紹介し、事細かに批評しているのです。
「レット・イット・ビー」の日本盤シングルが77年に改定されるまで、ステレオをモノラルにした“偽モノ”であったことなどにもふれられていますが、そうなると私の保有しているシングルレコードもそれに該当することになります。もう一度聞いて確認したいが、今はアナログ・プレイヤーが壊れているので、・・またの楽しみにとっておきましょう。
米・英のレコードプレス工場まで調べ上げ、製造が間に合わない場合デッカやフランスのEMIにプレスを委託したこと、アメリカでもキャピトル自社工場で間に合わない場合にRCAやコロンビア、独立系のプレス工場に頼んでいたことにまでふれられていて、東海岸プレスと西海岸プレスの違いにも記述が及んでいます。
そしてジャケットの印刷所の見分け方まで書いてあるにいたってただただ頭を垂れるばかりです・・・。
読んでいる現在の感想は、「かゆいところに“完全に”手が届く」ビートルズマニア本というものです。
また、今はそれほど聞かなくなったけど、ビートルズはかつてよく聞いたものだ・・などという方にも、あまりにも懐かしいジャケット写真などが「ああ、そうだった」と思い出がよみがえってくるものとなっています。
私にとっては、ビートルズ・マテリアルの集大成と言えるものでした。ありがたや、ありがたや。
【Now Playing】 Ask Me Why / The Beatles ( Rock )
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