「モンテ・クリスト伯/ Amour de 99 ! ! 」強い衝撃を受けた
宝塚歌劇・宙組東京公演『モンテ・クリスト伯/ Amour de 99 ! ! 』を観劇いたしました。
前半、ミュージカルの「モンテ・クリスト伯」は、「巌窟王」の宝塚版ということで、重厚で長大な原作(といっても私は読んだことがないのですが・・)を“一本もの”ではなく前半の約1時間半で一気に演じでしまうのです。
どこをどうやって端折るのかと思っていたのですが、この重くジリジリとした演技が続くミュージカルに現代の高校の演劇部がパッと現れて、ちょっとふざけつつ孤島の監獄から脱出したり、獄中で知り合ったファリア神父の財宝をモンテ・クリスト島で手に入れる部分などはストーリーテラーとなって進めるのです。
“軽すぎる”などの批判はきっとあると思いますが、宝塚はどんどん新しい手法を試みて、“歌舞伎化”するのを避けた方が100周年を迎えるにふさわしいと思っているので、あえてOKです(b^ー°)
朝夏まなと(あさか・まなと)さん、悠未ひろ(ゆうみ・ひろ)さんが特に今回の最悪の悪い奴を演じるのですが、すごい迫力でした。
それに朝夏さんが銀橋に出てきたときのオーラはただごとではなく、この人どんどん素敵になっていくな・・とあらためて思いました。
主演・凰稀かなめ(おうき・かなめ)さんは、前述の高校生のストーリーテラーの進行によって、渦巻く復讐の怨念は宝塚的にソフィスティケイトされ、彼女の王子様的な高貴な印象はうまく残される形で無実の獄中で老人のように朽ちていくのでした。
そして脱獄後の復讐についてもギリギリ凰稀さんの美学が保たれつつ残酷なことをしていくわけで、宝塚はこういうところが流石だと思いました。
これがラストのメルセデス(役:実咲凛音/みさき・りおん)との宝塚としての強引な麗しいエンディングに結びつきました。
凰稀さんは、心が揺れ、復讐が結果として何を生み、何を失い、何が残されるのか・・その部分を巧みに演じていました。素晴らしい!
実咲さんもトップ娘役としての美しさを保ちつつ、後半では“母”としてなりふりかまわぬ剣を持っての立ち回りが心を打ちました。
この人の役に成り切る演じ方は他の組のトップ娘役にはない独自の演じ方です。毎回、その演じる人物像が輪郭もはっきりとしていて、見ているこちらもただ感心するばかり。
さらに、緒月遠麻(おづき・とおま)さんのモンテ・クリスト伯への自らの全てをかけた「愛」に近い忠誠の演技にも驚きました。
この人が雪組から来て良かったとつくづく思いました。
こういう心の温かさを感じさせる演技はピカイチです。
ラストの急展開と人間の極限の愛に涙していると幕が降りました。
このミュージカル、素晴らしいです!来て良かった。
さらに、後半、レビュー・ショーの「アムール・ド・99」は、藤井大介先生の相変わらずの波のように寄せては返す強烈なショーでした。
どこもかしこも文句のつけようがありません(#^.^#)
今年は宝塚99周年ということで、このタイトルなのですが、かつての名作を生んだ先生方の写真が舞台上に投影されると、その先生の作品に因んだ舞台が展開されていきました。
これがまた往年の宝塚の舞台写真まで投影され、懐かしくもあり、感心したりもしたのでした。
大地真央、黒木瞳のコンビの写真も舞台上に投影され、サヨナラ公演のショー「ヒート・ウェーブ」のムース・ザ・ムーチのシーンだったような気がします。
それにフィナーレでは、二番目に歌われた歌が、その「ヒート・ウェーブ」のテーマソングでした。オールドファンにはうれしかったのではないでしょうか。
凰稀かなめさんの脚線美も、今回三列目というメッチャ近いところで拝見して感動いたしました(☆o☆)!!
それと、実咲凛音さんの美しさといったら、三列目で見ると、もうこの世のものとは思えませんでした。ほんときれかったぁ~(*^。^*)
生声もPAからの音声以外に聞こえる舞台間近の席がたまたま当選して、これも今回のうれしい大収穫でした(*^^*)
今回の宙組、素晴らしいの一語です!
見なきゃだめだね(*^^*)
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マー坊さん、こんばんは!(*^^*)
いやはや、マー坊さんの的確なコメントに私、襟を正しました。
今回の「モンテクリスト伯」、私はマー坊さんと同様の感想を持ったわけですが、まったく正反対の声も伝わってきて、どういうことか?!と「○×△??」な気持ちにもさせられました。
ショーの方は悪く言うような方は周囲にいないのですが、ミュージカルの方は好みが分かれるのでしょうか?
マー坊さんがおっしゃった、ショーの洋モノでの“チョンパ”もなかなかのインパクトでしたね(*^。^*)
あれも宝塚ショー観劇のひとつの見ものですね!'(*゚▽゚*)'
投稿: はっP | 2013/05/13 23:04
今回初めて芝居+ショーという宝塚の王道を体験しました。
ポスターが酷評され前評判はあまり良くないという印象がありましたが、観劇後は「いや~素晴らしいものを観た!」でした。
ラストシーン(特に対決の場面)では涙を堪えるのに必死で(笑)
あちらこちらからすすり泣きの音が聞こえました。
凰稀かなめさんと実咲凛音さんの宙組トップコンビの演技力は凄いですね!魅せてくれます。
ショーでは最初のあれで(チョンパって言うのでしょうか?)思わず「うぉっ!」と驚いて叫んでしまい周囲の方にご迷惑をおかけしてしまって(笑)
朝夏まなとさんの手足を大きく使った優雅なダンスと専科の美穂圭子さんの歌声が印象的でした。おみ脚はいうまでもなく(笑)
この二週間、月組の観劇(バウ月雲、梅芸ミーマイ)が続いたのですが、なるほど、言われているように宙組の高身長とイケメンぶりが分かりました。
投稿: マー坊 | 2013/05/13 17:39