「路地裏ビルヂング」を読みました
四日前に腰痛を感じたと思っていたら、それが首の右側に来て、さらに右顔面に、右脇腹にも痛みが拡がり、右脚にも痛みとしびれが走るようになってしまい、昨日、今日と家で安静にしています。
ほんとうは、昨日昼にあった仕事上のイベントにも出てその様子などfacebookに上げたかったのですが・・残念です。
そんな中、横になりながら『路地裏ビルヂング/三羽昭吾(みつば・しょうご)著(文春文庫)』を読みました。
六編の短編小説によるものですが、タイトルにある路地裏の雑居ビル(築49年で、「辻堂“ビルヂング”」と表記されている)に入居している怪しい健康食品を売る会社や、無認可保育園、塾、広告会社、そして謎の客の来ない居酒屋?、オーナー達の仕事や家庭、人生の出来事を丹念に描いた作品でした。
会社での仕事への取り組み方や、自分自身の生き方というものは、ほんとうに人それぞれで、自分が考えているよりも、人はそれぞれに様々な考え方で深く生きている。普段はそれに気づかなくて、ふとしたことで人の心づかいや、生き方に“はっ”とすることもある。
そんな日常私たちがあわただしく生きていく中で見逃しているような人々の様子が淡々とこの短編物語の中で進んで行きます。
そして、六つの短編それぞれがこの“ビルヂング”に入っている人たちの物語になっていて、次々と次の物語にバトンタッチするようになっています。
やるせない人生の断片がそっと描かれた作品、ちょっとしみじみしたり、元気が少し出たりしたのでした。
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