夏らしく、お化けが見える話を読んだ
『なぜノンフィクション作家はお化けが視えるのか/工藤美代子著(中公文庫)_単行本:日々是怪談・改題』を読みました。
読み始めると、この著者の体験は要するに“視える”人に共通するものだなと思いました。
私もブログなどでその“視える(視えた)”経験について何度か書いたことがありましたが、私の経験にも非常に酷似している部分がありました。
兵士の霊と遭遇したときの経験も照明が“パチパチ”したと書かれていたのですが、私が深夜に自宅で遭遇したときには電球がパンッパンッ”と次々に切れたという恐ろしい経験をしました。
人がいないのに手を引っ張られるような経験もやはり似ていました。
手の甲に爪を立てるように「ここにいるよ」と気づかされたこともありました。
「虫の知らせ」というのもよく聞く話ですが、私自身のみならず、私の祖母、叔母も同様の経験をしています。
また、著者が書いている間もなく亡くなる人がわかってしまうという経験も何度も経験していて・・どういう事故かもわかってしまう・・当事者にとっては自身で理解し難いこととなり、人に言ってしまってよいものか悩むこととなります。
この本の中で一番怖いのは三島由紀夫の霊のエピソードですが、ここに書いてしまうと営業妨害となるので、ぜひ買って読んでいただきたいです。
世の中には“つくれない”話があるのです。端から疑ってかかる人も(むしろそういう人の方が多いかもしれないけど)いらっしゃるかと思うのですが、この本に書かれていることには私自身の経験も含め、非常にリアルなものがあります。
最後に一番怖ろしいものは、『生き霊』だと思います。
どんなに遠くにいても、実際に会うことがなくても、相手に対する様々な気持ちは時空を超え良くも悪くも対象者に大きな現象を経験させます。
私が経験したものでは、ある男女二人(もちろん今生きている二人)の“逢瀬”の現場(オフィスビルの一角)に、二人のそのときの強い気持ちが残っていて、二人の残像が視えるという現象がありました。
・・夏らしい話題でしたが、人というものの周りにはいろいろなものが蠢いているということを、あらためてこの本を読んで感じました。
そして、あることがきっかけで、まったくそういうものを感じることができなくなった自分に、つくづく「ありがたい」「よかった」と思っているのです。
【Now Playing】 誰だ・DAREDA / 坂口恭平他 ( ニッポン放送 )
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