不味い!
『不味い(まずい)!/小泉武夫著(新潮文庫)』を読みました。
小泉さんは、テレビなどでもよく見かける醸造学・発酵学の教授。世界中の珍味、奇食に果敢に挑戦されている方です。
美味しいものについての本は数ありますが、この本は不味いものの本。
世界の不味いものと言えばすぐに思いつくのが「シュールストレミング」、スウェーデンの魚の缶詰ですが、缶の中で発酵させたこの缶詰の臭さは、くさやの20倍!ということで、もちろんこれについてもふれています。
風下に人がいないことを確認してからフタを開けよ、とのことでした。世界最強の“臭い”で不味い食物のようです。
その他実はいろいろな日本の地方に行って不味いものに出会う話もあるのですが、この本では、日常食するスーパーのお総菜や弁当にも話が及んでいます。
とにかく、ホテルの朝食の“蒸した”鮭の不味さ(私も同感、なぜに焼かない?!)、ブロイラー鶏の不味さ、酸化しているピーナッツの不味さ、弁当に入っている赤いウインナーの不味さ、カレー、蕎麦、納豆、水に至るまで、著者が出会った不味いものオンパレードです。
けっこう現代の「食事情」批判になっているのでした。
さらに蛇や虫などのいわゆる“ゲテモノ”の不味さもリアルに伝わってきて、不味いものの話なのにとても面白い(^^)
海外の珍味の話などは、想像力をはたらかせて読むのですが、あまりの未知な世界にただ気色悪がったり、笑ってしまったりの一冊となっておりました。
不味いものの話で気持ちの盛り上がれる方?読んでみて。
【Now Playing】 I Need You / The Beatles ( Rock )
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