宙組全国ツアーは“熱かった”【1/2】
全国的に気温も高く暑いのですが、宙組も“熱い”ツアー続行中でした。
宙組全国ツアー、今回は1983年から何度か再演されているミュージカル「うたかたの恋」と、このあいだまで東京公演で行われていたショー「Amour de 99 !!」を持ってのツアーです。
主演・凰稀かなめ(おうき・かなめ)さんは、オーストリー帝国の皇太子・ルドルフ。あのエリザベートの息子というわけです。
政略結婚させられた妻とはうまくいかず、様々な女性と浮き名を流していたのですが、とある機会に出会ったマリー・ヴェッツェラ(役:実咲凜音/みさき・りおん)の清純で可愛い姿に一目で恋に落ちます(*´▽`)
で、この二人の“恋に落ちた”様子があまりにも“初々しい”というか、“ラブラブ”というか、微笑ましくもうらやましいくらいの、うっとりするような恋愛模様となるのでした。
凰稀さんの、女を知り尽くしてはいるが、でも実咲さん扮するマリーのあまりにも“うぶ”で一途な様子にメロメロになる姿が良かったねぇ・・(#^.^#)男ってのはそういうものです(^_^;)
そして常に期待を裏切らないトップ娘役の実咲凜音(愛称:みりおん)さん。
前にも書きましたが、実咲さんの特徴は自分の持ち味に役を引っ張ってくるのではなくて、役そのものを作り出していくところではないでしょうか。
今回の清純で可愛らしい、そして愛を結実するためには死をも厭わない、自ら信じるものを貫く“強い”ものも持ち合わせる人物像を作り上げていました。
今回も驚きの「役作り」。
前回のモンテクリスト伯での、成人した息子のために闘う母親というところからはかけ離れていて、同じ人とは思えないのでした。
みりおんファンは女性も多いんじゃないでしょうか。
それともう一つ特筆すべきは、専科から出演の美穂圭子(みほ・けいこ)さんのエリザベートでした。
出番は少なく、台詞も短いのですが、実咲さんのマリーと偶然出会ってしまう場面での息をのむシーンでの落ち着いた威厳ある演技に会場は思わずうなってしまったのでした。
エリザベートの心の中にある愛そのものへの思い、マリーと息子ルドルフに対する温かくも優しい心がわずかな時間で見事に表現されていました。素晴らしい演技でした。圧巻です。
物語としては、どんどん悲劇に向かって行く悲しいものなのに、主演二人の美しい愛の姿に見惚れてしまい、悲劇のその瞬間がやって来るその時まで観客は幸せな気持ちになる不思議な演目でした。
そして、この演目は、凰稀さん、実咲さんのお二人にはしっくりと合っていました。
古い演目だと、「なんだこれは」というものも多いのですが、この「うたかたの恋」については今の二人にベストマッチだったと思います。
主要な役を担った、悠未ひろ(ゆうみ・ひろ)さんのヨゼフ皇帝は、息子ルドルフに対するその身分ゆえの接し方と、事態の進展に対する戸惑いなどをうまく表現していましたし、緒月遠麻(おづき・とおま)さんのフリードリヒ侯爵も、野望と男女関係が渦巻く悪役を巧みに演じていました。
朝夏まなと(あさか・まなと)さんは、主演凰稀さんとの良い関係でありながら、運命の流れに誘ってしまう役を誠実に爽やかに演じていて、彼女にぴったりの役をうまく演じていました。
さらに、組長の寿つかさ(ことぶき・つかさ)さんの、凰稀さんの従僕役は、笑いも取りながら、凰稀さんと実咲さん二人を気遣う心優しさを染み渡るように描き出して素晴らしいものがありました。
私の“一押し”、和希そら(かずき・そら)さんもいよいよ舞台の中心に現れるようになってきて、うれしくて期待がふくらみました。そらさん、いつも応援していますよ。
というわけで、宙組・全国ツアー観劇記、まずはミュージカルの方からご紹介いたしました。
次は、ショーについてご紹介いたしますね。
【Now Playing】 ラジオなんですけど / 久米宏他 ( TBSラジオ )
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