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2013/08/25

あまりに「日常的・普通」で気楽に、しかも“しみじみ”読む本

20130825_zarazara


『ざらざら/川上弘美著(新潮文庫)』を読みました。
短編が実に二十三編も入っているのですが、どれも何の事件もハプニングも起こらず淡々と進行し、淡々と終わってしまう話ばかり。

その多くは、三十歳前後の女性が主人公で、未婚。出てくる友達は自分同様、過去何人かの男性と付き合ったことはあるものの、ほとんどが“ふられた、”ごく稀に“ふった”・・という境遇です。

その友達の家で手作りの料理をごちそうになったり、母親と喧嘩して叔母さんや叔父さんの家に泊まり込んだり、しばらくお世話になったり、・・そんな話が多いのですが、どれも読めば読むほどに、主人公が自らの境遇をしみじみと意識してしまう、その瞬間を切り取ったようなお話でした。

様々な主人公の彼氏も登場するのですが、どの男も透き通った感じというか、つかみどころがない、空気みたいな人ばかり。

不思議な話もあって、近所の金物屋でほっぽらかされていた“あけびの蔓で編んだ籠”がなぜか気になり購入、玄関に置いておくと、出がけに話しかけてくる、なんていうのもあって、それが世話焼きおばさんのようだったりする・・・。

とにかく面白いんだけど、あっという間に終わってしまう短編が目白押し。
読み終わったあとには、ぽっかりと何か胸の中に空虚さが漂う不思議な味わいの本でした。

著者の独特の感覚を感じました。


【Now Playing】 この広い野原いっぱい / 森山良子 ( 歌謡曲 )

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