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2013/09/29

『宝塚夜話・第十二夜 < 芸名のおもしろさ > 』

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宝塚を観劇すると、舞台上の出演者の多さに驚いたり、舞台装置や生演奏に感激したりと色々なことに気づくことになるのですが、プログラムを買ったときに驚くのが、「芸名」の読み方の難しさです。
ローマ字で振ってある“読み仮名”を見ないと読めない人多数です。

でも、様々な芸名を見ていると、「なかなかいいね」と思う人もたくさんいます。
今回は、芸名をいろいろ見てみようと思います。

大地真央(だいち・まお)[月]
たいていの人はお馴染みかと思いますが、いい名前ですよねぇ。彼女にぴったりの堂々とした男役らしい名前です。この人が人気者になってからは、一般の方でも「真央」という名は、使われるようになったと思います。

以下、ランダムに思いつくまま挙げてみましょう。

鳳蘭(おおとり・らん)[星]
威風堂々、豪華絢爛な印象です。ご本人も見た目どおりの宝塚トップスターらしいルックスで、ピッタリの名前です。

檀れい(だん・れい)[月・星]
宝塚現役時代の“お姫様”ぶりがこの名前に現われているような気がします。
印象に残る名前です。

音月桂(おとづき・けい)[雪]
漢字の見た目の印象からは、風流で、しかも美しい音色が聞こえてきそうで、歌のうまい彼女によく似合う名前だと思いました。

未涼亜希(みすず・あき)[雪]
涼しげで、利発そうで、彼女の静かだが秘めたるものを感じる舞台を感じさせる名前で、これもいいなと思います。

夢乃聖夏(ゆめの・せいか)[雪]
彼女が舞台に立っただけで、その場が華やかになり、パッと明るくなります。
夏の聖夜に夢見るような、いい名前です。

蘭乃はな(らんの・はな)[花]
すみれ乃麗(すみれの・れい)[宙]
二人は双子の姉妹で、互いにかなり変わった芸名です。
由来は歌劇団発行の「乙女」に色々と書かれたりしていますが、私が何かで読んだのは、蘭乃さんが自分も妹の分も付けたというものでした。
最初は、何??と、なりますが、馴れてしまうといい名前かも。

緒月遠麻(おづき・とおま)[宙]
時代劇のような名前ですが、男らしく、そして優しい、彼女の芸風によくお似合いです。

水美舞斗(みなみ・まいと)[花]
近年らしい名前です。ルックスも名前どおりのイケメン男役です。

星条海斗(せいじょう・かいと)[月]
アメリカンスクール出身者らしい、星条旗をもじったカッコイイ名前です。
ルックスもアメリカナイズされていて、ピッタリd(^_^o)

凪七瑠海(なぎな・るうみ)[月]
長身・男役ですが、エリザベートで娘役主演もこなした美形で可愛いルックスも併せ持つスターです。この名前は何処にもないユニークなもので、私もすぐに覚えて忘れることができなくなりました。

夢咲ねね(ゆめさき・ねね)[星]
トップ娘役の座についてから、数々の役をこなし、さまざまな夢を実現してきた彼女にふさわしい名前です。まだまだ夢の花が咲いていきそうです。

桜一花(さくら・いちか)[花]
主演も出来るし、スパイスの効いた女も演じてしまう、彼女の舞台に咲く一輪の花のような印象そのままです。

・・・ここらで、宝塚では全員が持っている愛称についてもふれておきましょう。
既に出てきた鳳蘭さんは、愛称:「ツレ」ちゃんでした。
というふうに、愛称でちょっと気になる方を挙げてみますね。

明日海りお(あすみ・りお)[月]→みりお
これは親しみやすく呼びやすい、グッドな愛称です。

続いて似ているのですが、
実咲凜音(みさき・りおん)[宙]→みりおん
彼女の美人で可愛いルックスと相俟って、組子達も「みりおんちゃん」とテレビで呼んでいるのを見ました。

華形ひかる(はながた・ひかる)[花]→みつる
これは・・「花形みつる」から来ているのでしょうか(*^_^*)

朝夏まなと(あさか・まなと)[宙]→「まぁ」。宙組のまーくんです。

寿つかさ(ことぶき・つかさ)[宙]→すっしぃ。笑っちゃいけません。すっしぃの大階段・燕尾でのダンスは超カッコイイのです。さすが組長。

紅ゆずる(くれない・ゆずる)[星]→べに子。すでに「べに子」キャラでテレビやその他コンサートなどにも登場する始末で、(^^;)紅ゆずるとべに子の二本立てで活躍している状態です。

というわけで、いろいろと楽しみながら挙げてみました。
特に私は宝塚に関しては中級の下くらいのところにいるので、愛称などは面白いものをご存じでしたらお教えください。

それではまた(*゚▽゚)ノ


【Now Playing】 Who Feelin' It / Tom Tom Club ( Rock )

2013/09/28

果物のベストナイン・・(゚ー゚*)。oO

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本来は「BSフジ」でやっている番組だそうですが、私はYouTubeで発見し、時々見ている『いきつけ』という、常連客・牧村(勝村政信)と、バーのマスター・ジュニア(マギ-ー)がカウンター越しに語り合う番組があります。

そこで、今回見たのは、「果物のナンバーワンは何だ?!」という話から、野球チームのオーダーのように一番○○、二番○○と二人でああでもないこうでもないとやっていたのが可笑しくて、私も果物のベスト・ナインを考えてみようと思いました。

では、さっそく。皆さんも「そうじゃねぇだろう」などと突っ込みを入れながら読んでください。コメントも歓迎!d(^_^o)

一番 セカンド みかん
・・小回りがきいて、すぐに皮をむいて食べられる即戦力(^^;)

二番 ショート イチゴ
・・ケーキの上に一粒でもいいし、練乳で食べてもよし、大粒の高級なものまでいて、人気のスタープレイヤーだ。

三番 サード りんご
・・どこの家庭でも確実にヒットを飛ばす頼もしいスラッガー。そのまま食べてよし、煮たりして洋菓子としても活躍、サラダにも登場するし、ユーティリティプレイヤーとも言える。

四番 DH メロン
・・なんか高年俸の外人選手みたい。

五番 レフト 梨
・・意外だが、誰もがそのみずみずしい食感と味覚を好む、長距離打者です。洋梨という外人選手もいる。

六番 ファースト ぶどう
・・食べても食べても無くならない、ファウルで粘るタイプです。

七番 センター グレープフルーツ 
・・スプーンですくって食べてよし、ジュースでもよし、お酒に入れても合うという、七番からでも攻撃できる“いいチーム”には欠かせない選手だ。
 
八番 キャッチャー すいか
・・どぉんと構えて、扇の要です。

九番 ライト 桃
・・いいもの持ってるんだけど、傷みやすく、洋服に汁が付きやすい。プレイはいいが、故障者リストに入りやすいのか?!(^_^;)

投手 バナナ
・・よく働いてくれそうな、黄色いにくいヤツ。カーブがよく曲がりそう。


【Now Playing】 どうにもとまらない / 山本リンダ ( 歌謡曲 )

クセの話

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現在の職場に変わってからは、通勤は電車からクルマ通勤に変わりました。
ということで、クルマの中では好きなラジオを聞くことが出来ます。
朝の通勤でちょうど運転しているとニッポン放送の「鈴木杏樹のいってらっしゃい」が流れてきます。

鈴木杏樹さんのこの番組は、毎回興味深いテーマで、単に台本があるのではなく、鈴木さんが今興味を持っていることがかなり取り上げられているように思います。“ノリ”が違うように思うのです。

同じことに対する「男女の考え方や、行動の違い」がテーマになったとき、「金平糖」について掘り下げたとき、などはかなりの深い洞察と探求がなされていました。なので聞いた感じで鈴木さんがほんとうに興味を持っているな、というのがわかるのです。

今週のテーマは「癖(くせ)」でした。
人にはそれぞれなにかしらのクセがありますが、ある日取り上げられていたのは、ボールペンなどを机にカツカツと当てるというか、打ち鳴らしながら相手に話をするクセの人でした。
これは、自分の欲求が通らない人に多い行為なんだそうです。
そのフラストレーションの代償行為としてカツカツとやるんだそうです。

同様なのは“貧乏揺すり”だそうです。
やはり自分の欲求が通らないことに対する“苛立ち”がその原因のようです。
貧乏揺すりといえば、九連覇した巨人軍の川上監督がピンチになるとものすごい勢いでやっていたようですが、抑えの投手がピンチを切り抜けると“パタッ”と止まったらしいです。

「ボールペン・カツカツ」も「貧乏揺すり」も自分に対して話をされているときにやられると、かなりの威圧感があります。
取り調べなどのときには効果的かもしれませんが、相手に与える威圧感と不快感は通常の場面ではちょっと遠慮願いたいですね、逃げ出したくなる(^_^;)


【Now Playing】 It's Only A Paper Moon / 青江三奈 ( Jazz )

2013/09/26

小原古邨(おはらこそん)が気になった

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9月23日までやっていた「千葉市美術館の所蔵作品展」に行ったきりでした。久しぶりの美術鑑賞だったのですが、そのことについて何も書いていなかったので、少しふれます。

所蔵作品展ということで金額も安いし、いつも評判の良い企画展よりは、ちょっと退屈かな、などと思っていたのですが、いやいや見どころのある展示でした。と、書きつつ既に終了していて申し訳ない(^_^;)

展示作品では、過去の企画展で話題を呼んだ「伊藤若冲」や「酒井抱一」らの作品も良かったのですが、私が興味を持ったのは「小原古邨」でした。
【※小原古邨(おはらこそん) 生没:明治10年(1877)~昭和20年(1945) 金沢生まれ】

線描は細いのですが、そのタッチは力強く、とても鮮明です。
どこかイラストチックでもあり、色使いも時代を感じさせない、ポップと言ってもいいくらいのビビッドな印象でした。
展示作品も多数。
私が見ていると、けっこう多くの方が「小原古邨」の作品の前で立ち止まっていました。

たぶん十五~六点くらいの古邨の作品が展示されていましたが、今後もっと注目される人なのではないか、と密かに思いました。

古邨以外にも、「琳派・若冲と“花鳥風月”」というタイトルが付いていた今回の所蔵作品展では見どころがいくつもありました。
「たらしこみ」という水墨独特の技法を用いた“可愛い犬”を描いた作品も目を引きました。これもとても良かったのです。・・・つくづく遅い報告で申し訳ない・・・。ほんとうはご紹介して見ていただきたかった。

小原古邨(おはらこそん)の作品が紹介されているHomePageを見つけましたのでご紹介いたします。リンクをクリックしてみてください。

また古邨の作品を展示していただけることを願いつつ、遅かった報告、終了いたします。

2013/09/24

「どこから行っても遠い町」

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『どこから行っても遠い町/川上弘美著(新潮文庫)』を読みました。
川上さんの小説には、いつもしみじみさせられてしまうのですが、男二人で奇妙な同居をしながら魚屋をやっている二人の話では、魚屋に住み込んでいるその男性が、魚屋の親父(もうおじいさんだが)の亡くなった妻の浮気相手だったりして、その不思議な関係には読んでいて不思議がる登場人物共々違和感と不思議感でいっぱいになりました。

主婦と姑の関係の話もありますが、それがまた通常のパターンではなくて、互いに変なヤツだとは思いつつ微妙な仲の良い関係になっている話もありました。
むしろ夫よりも互いに理解を深めつつあったりして、その不可解さがまた川上さんの小説の真骨頂でもあります。

小料理屋の女将と若い板前との三度のくっつき合いと、別れの繰り返しの話もありましたが、ただの色恋沙汰ではないところがまた読み甲斐のあるお話でした。女将の「女」としての理不尽というか、訳の分からないところも妙に人生の機微を感じさせてくれました。

この本に出てくる十一の短編は、全ての話がゆるくどこかで繋がっていて、結局世の中って、一言では語り尽くせないそれぞれの不可思議な物語が連なって成り立っているのだと思うと、私も身の回りが急にいとおしくなったりするのでした。

しんみりと深みにはまった本でした。


【Now Playing】 For You Blue / The Beatles ( Rock )

2013/09/23

「Arsene Lupin / Fantastic Energy !」見ることができた【2/2】

続いては、月組東京公演、ショーの「Fantastic Energy !」です。
こちらは盛り上がりましたよぉo(^▽^)o
プロローグからきらびやかに、組全体の息も合っていて、トップの龍真咲(りゅう・まさき)さんが銀橋(観客席に張り出したエプロン・ステージ)に向かうときには「行くぞおっ」って雰囲気が満々で、見ているこちらも「楽しむぞおっ」って\(^o^)/気分が盛り上がりました。

月組のショーは、いつも綺麗で、キラキラしていて、しかもスピーディーな印象がありますが、今回もその特徴を存分に発揮して、宝塚のショーとしてとても見応えのあるものになっていました。

また、凪七瑠海(なぎな・るうみ)さん、美弥るりか(みや・るりか)さんの登場場面もかなり気を遣っているようで、その立ち位置はそれぞれのシーンで不公平がないように、順番で“いい位置”を共有させるようになっていました。いろいろとたいへんですd(^_^o)

専科からの北翔海莉(ほくしょう・かいり)さんも完全に二番手的な立ち位置であり、歌もダンスもワンランクの違いを感じさせるくらいに魅力的でありました。この人はどの組に行っても、その組を“輝かせる”のですね。いつも感心します。

それから、今回のショーでの特筆は、かつて「ファントム」で見た『高速セリ』が何度も活躍していたことです。
月組のスピーディーで、華麗なショーには持って来いです。
龍さんのスラッとしたスタイルが、高速セリの格好良さをさらに際立たせました。

また、龍さん、愛希れいか(まなき・れいか)さんのトップコンビのデュエットダンスも良かったですよぉ~'(*゚▽゚*)'キレが良く、美しい!!☆
愛希さんの“元男役”だった名残か・・キリッと気持ちを引き締めてダンスに取り組む時の姿勢は惚れ惚れしてしまいます。なんていうのか、“男気がある”(^-^)みたいな感じ・・あんなに可愛いルックスなのに。
前のトップ娘役、蒼乃夕妃(あおの・ゆき)さんが、デュエットダンスに入るときに居住まいを正すような雰囲気がありましたが、あれにも似た感覚でした。

ちょっと気になったというか、そうなのか・・と思ったのは、凪七さん、美弥ともにラスト大階段を降りてくるときには、“羽”を背負っていませんでした。
まだ「二番手」としては正式に認められていない、ということなのでしょうか。
華のあるお二人に自信を持ってもらう意味でも、ぜひ羽を背負わせてあげたいものです。

もうひとつ、ラストの部分で、エトワール(パレードの前に大階段でスポットライトを浴びてソロで歌い上げる、組一番の歌姫の役回りです)を務めた琴音和葉(ことね・かずは)さんは、確か宙組にいた和音美桜(かずね・みおう)さんと姉妹だったと思いますが、この人も実に歌がうまい!
ルックスも美形だし、素晴らしい歌姫ぶりを発揮していました。

幕が下りると、私の後方の席で、どうやら初めての観劇らしき若い女性三人組がいたのですが、「すごいね、すごいね」と感激していて、席を立てなくなっていました。気持ちはわかる(^^)、今のその気持ち大事にしてほしいです(゚ー゚*)。oO

最後の最後に、ロケット(いわゆるラインダンスのこと)でソロダンスを見せてくれた暁千星(あかつき・ちせい)さんについて。
ロケットでのソロダンスは星組の柚希礼音(ゆずき・れおん)さんが新人の頃以来のことだとファンの方からお聞きしたのですが、たぶん本当なのでしょうね。期待の新人現るって、ことですね、きっと。
新人公演でもたしか、凪七さんの役をもらったとか・・(※その後ネットで調べてみたのですが、どうやら星条海斗(せいじょう・かいと)さんのガニマール警部役みたいです)すごいことです。

というわけで、月組・ショーの観劇記でした。
また、東京宝塚劇場に行く機会があったら(たぶん花組公演)、観劇のご報告をいたします(^-^)/☆


【Now Playing】 聖地エルサレム / 栗コーダーカルテット ( プログレッシブロック )

「Arsene Lupin / Fantastic Energy !」見ることができた【1/2】

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父のこともあって本来ならもっと早くに観劇する予定であった宝塚歌劇団・月組東京公演「Arsene Lupin / Fantastic Energy !」を二階席の上の方ですがチケットを入手して見てまいりました。

ミュージカル「アルセーヌ・ルパン」は、モーリス・ルプラン作の「ルパン・最後の恋」を元に宝塚の座付き作家「正塚晴彦」先生が脚本・演出を担当したものです。
正塚先生・・私には、相性の悪い作品多数の先生ですが、特徴としては舞台上には少人数の主要人物ばかりがいて、ストーリー自体も濃厚な個々の演技が続き、多くの組子は時々群衆やその他いろいろみたいな形で時々まばらに登場・・みたいなものが多い。
なので、大劇場向けとはとても思えない“こぢんまり”とした印象になってしまうという・・・。

ここ数年の正塚作品で印象に残っているのが、水夏希(みず・なつき)さんの雪組「マリポーサの花」「ロジェ」、瀬奈じゅん(せな・じゅん)さんの月組「ラスト・プレイ」、大和悠河(やまと・ゆうが)さんの宙組「薔薇に降る雨」などです。
マニアックに過ぎる展開は、マリポーサやロジェ、ラスト・プレイなどにみられ、前半の説明に過ぎる展開は、「薔薇に・・」に似ていましたが、やはり見ていて劇的な展開が無い、そして地味でかつユーモラスなシーンが突然やってきて、何度か見た人や、事前に調べて来た人にしかよくわからない部分がいくつもあるのです。


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主演ルパンの龍真咲(りゅう・まさき)さんの演技も衣装も、とても良く、トップスターらしいたたずまいも身についてきたと思いましたが、如何せんモノクロ的で単調な舞台進行はちょっといただけませんでした。幕間でも、「もっとわかりやすくできないのかね、しかも単調で退屈」という声を多く聞きました。

主演娘役の愛希れいか(まなき・れいか)さんも、すっかりトップスターとして雰囲気が出ていて、ルパンとの恋という謎めいて不思議な関係をうまく描いていましたが、やはり作品全体としては盛り上がりに欠けました。

専科から出演の北翔海莉(ほくしょう・かいり)さんも熱演で、ある意味、このストーリーをわかりやすくする役割を担っているのですが、それでもちょっと“浮いた”感じがしないでもなかった、それほど見づらい作品であったような気もします。

二番手?扱いになっている凪七瑠海(なぎな・るうみ)さん、美弥るりか(みや・るりか)さんの役も、今ひとつ演じ方の定めづらい、ちょっと“薄い”とさえ感じる人物像で気の毒だったような気もしました。

星条海斗(せいじょう・かいと)さんのルパンを追う刑事役は、格好良くも、ユーモラスな役どころなのでしょうが、これも何度か見た人たちが、「ここで笑え」みたいな感じでウケているのが、逆に初見の人には仲間外れになったような気がして気になりました。

あともう一人、沙央くらま(さお・くらま)さんの悪役の演じ方が、明らかに誰かから指示されている風で、妙に力を抜いた脱力感漂うもので、とても気になり、沙央さんの“心”の入ったいつもの演技でやられた方が良かっただろうな・・とも思いました。

何度も見れば、いい作品に成りうるのかもしれませんが、宝塚は多くの人に劇場に足を運んでいただき、初めての人にも、そして年に一回東京や宝塚で見ようという人にも、その機会一回で楽しんでもらえるのがいいな、と、私はいつも思っているので、その点ちょっと不満が残ったというのが正直な感想です。

ちょっと“がっかり”な印象の話ばかりで申しわけありませんが、ミュージカルの方はこんな印象です。次回、ショーの感想に続く・・・。


【Now Playing】 人々の嘆き / キング・クリムゾン ( プログレッシブ・ロック )

2013/09/18

浅草のおんな

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『浅草のおんな/伊集院静著(文春文庫)』を読みました。“腰巻き”には「肴は大人の恋の味。」と書かれていて、実際に大人の雰囲気ある浅草を舞台にした物語でした。

力士になろうとして天草から上京したものの、稽古がつらくて逃げ出したりする同郷の男を追って東京へ、そこで励ましながら仲睦まじく・・男と女になり・・力士として頭角を現すと部屋から二人の仲は引き裂かれ、死のうとした女性が主人公でした。

そこで船荷の親方に助けられ、身籠もっていた力士の子も産ませてもらい、しかも親方は自分の子として認知してくれ、三年後に親方がその主人公の志万(しま)と娘の面倒をみることになり、本妻ではないが、住まいと共にこの物語の舞台となる小さな店を持たせてもらいます。

親方はその後に亡くなってしまうのですが、志万は店のある浅草で娘を育て、志万を慕う浅草の人たちが物語りに色を添えます。

三社祭や、花火、ほおずき市、など臨場感ある浅草の風景や、志万の店「志万田」に集まる人々との人情あふれる交流が描かれていて、しかも志万田で出す料理の描写は季節感に満ち、読んでいるだけで清々しい気持ちになれるのでした。

志万の面倒を見ていた親方の七回忌を期に、志万に「一緒になってほしい」と願い出る亡くなった親方の世話になっていた屋形船与四屋の三代目と、もう一人親方の世話になっていた気っぷのいい「甲子」と呼ばれる男。
二人の男に決断を迫られ、大人の恋に迷い悩む主人公の志万に突如訪れる雷のような激しい恋・・などなど、落ち着いて風情を楽しんでいると急展開もあって、最後まで見逃せない物語でした。

浅草を舞台とした「出会い」と「別れ」と「決意」の物語。
いい話でした。


【Now Playing】 I Thought About You / Rob Van Bavel Trio ( Jazz )

2013/09/17

「超然」がテーマの本

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『妻の超然/絲山秋子(いとやま・あきこ)著(新潮文庫)』を読みました。
この本は、三編から成っていて、「妻の超然」「下戸の超然」「作家の超然」という“超然三本立て”です(^^;)

「妻の超然」では、夫が浮気をしているのがわかっているが、それをそのまま見過ごしつつ、恨みつつ、諦めつつ、日々を過ごし、仲の良い友人や、先生と呼ぶ女性としての人生の先輩らに鬱憤をまき散らし、そして面倒を見てもらったり、面倒を見たりという「妻」のお話です。

超然としているかのようには見えますが、でも“うじうじ”しているし、“じくじく”と心の中が膿んでいく・・考えてみれば普通の人は皆こうなのかもしれません。
私も“うじうじ”し、“じとじと”と湿っぽく物事を考えつつ、日々を何となく、そして何とかかんとか生きているわけで、人ってのは、積極的にばかりでなく、“あきらめ”がその時を過ごしている中で多くを占めているのかもしれません。

「下戸の超然」は、下戸の彼が主人公のようにも見えるのですが、実はその彼女の目を通して下戸の彼の超然を表現しているというお話でした。
下戸の彼は、“いい人”そうで、割と真面目で、これといった野心もなく、平凡に、そして現在身の回りにある環境にある程度満足している・・おとなしい彼なのですが・・・。

彼の彼女・・つまり下戸の超然を見ている彼女は、彼と同じ会社に勤務していて、そこでは大人しく目立たない地味な女性。
学生時代からパズルを解いたりするのが好き(実は彼がパズル雑誌に投稿していたクイズを彼女が趣味で解いていたということがあとでわかる)な派手さのまったくない女性なのでした・・でしたが・・・。

実はNPOに所属し、カナダからの留学生を迎えたりする活動を熱心にしていて、海外にも飛び出したいと考えている秘めたる部分も持ち合わせ、やがてその点で平凡一直線の彼と合わなくなってしまうのです。

そのときの互いのやり取りの中に「下戸である彼の“超然”」とした態度が見え隠れして、ますます彼女の苛立ちを増すのでした。
これもひょっとして普通の人の会社生活、家庭での生活では“起こりがち”なことであるのかもしれません。
人と人、男と女っていうのは、歯車が噛み合って順調に走って行くなどということは滅多にないのかもしれません。

最後の「作家の超然」は、町に一人くらい、親戚に一人くらいいるような、自らの信念というか、考え方に“やさしく”・・つまり良い言い方をすれば揺るぎない考え方を持つ人のお話。
その作家自身が語ると、あまりにも独善的な印象になってしまうためか、その作家を傍から見守るような書き方になっていました。

それにしても、世間的には迷惑をけっこう掛けつつ生きていく、その主人公の様子は、これも先に書いたように、必ず“ある単位に一人”くらいはいる人で、うらやましくもあり、迷惑でもあり、これが人の世というものか、と納得してしまうストーリーになっていました。

三つのお話は、どれもちょっと私を“ドキッ”とさせました。それは、私の中にもそれらの“超然”が内包されているからかもしれません。

淡々とした物語であるかと思うと、心にチクッと刺さるものがある、そんな作品でした。


【Now Playing】 Eres Mi Amor / 安蘭けい ( 劇中歌 )

2013/09/16

「町長選挙・奥田英朗」は不思議面白本だった

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職場の女性から「これ、黒木瞳がモデルになっている短編も入っているんですよ。どうぞ読んでください。」と手渡されたのが、この『町長選挙/奥田英朗著(文春文庫)』でした。

「オーナー」という一遍は完全に読売の“ナベツネ”がモデルとなったお話、もう“まんま”です。
さもありなん、というナベツネの言動が次から次へと甦るように登場し、あんなことも言ってひどく叩かれたな、というマスメディアにこっぴどくやられた一件の問題発言も書かれていましたが、そんなナベツネもどきの「我がまま」よりも「我がまま」なのが、全4編に渡って主人公をつとめる中年(中身はおこちゃま)担当精神科医です。

親の七光りでそれなりの身分にあるのですが、もうただ好き勝手なことを言って、診断にならない診断を繰り返し、それがまた毎回出てくるナベツネやホリエモン、黒木瞳などが明らかにモデルとなっている登場人物の心をなぜか捉えます。
そのあたりがこのシリーズの魅力のようで、「世の中結局そういうことなんだよね」という結論じみたものが裏側に見えてきて、ものごと真面目に考え過ぎてもどうにもならん・・そんな気持ちにさせられます。

娯楽小説と言ってもいいかと思いますが、でもある意味、世の真実を突いているのでした。

三人の強烈な登場人物は、それぞれに自分勝手ではありますが、でも人間の根元的な部分を特徴的に表現していて、だから魅力的でもありました。

ラスト4編目は、とある島の町長選挙が二つの派に分かれて、お金と脅しと、策略を繰り広げる死闘の渦中に、主人公の“おこちゃま”先生が巻き込まれるお話で、こちらは人間が民主主義だなんだと言って、結局「戦うお祭り」みたいなのもを本能的に楽しんでいる・・という話で、最初はこんな人がいるわけないだろ、と思って読んでいたのに、ラストには人間の愚かさを納得させられてしまったのでした。

不思議な魅力と、娯楽性のあふれるこの短編集、お貸しいただいたAiさんに御礼申し上げます<(_ _)>


【Now Playing】 のど自慢旅日記 / NHK ( AMラジオ )

葬儀を終えて

父の葬儀が終わりました。
11日の朝、突然電話を受けてからはあっという間のことだったような気もしますし、この前のブログで書いたように、交代で“線香番”をしたときなどはとても長い時間を過ごしたような気もします。

二回目の線香番のときには、深夜に父から見たら孫と姪の子たちがたくさんやって来て、普段は顔も合わせることなく十数年ぶりに話をした子らと、思い出話や、今までの互いに空白となってしまった時間に何をしていたのか、また現在はどんなことになっているのか、思わぬ展開でしたが、話がはずみ、親戚同士の久々の温かい交流がありました。
それがとても貴重な時間になりました。
傍で横たわっていた父もそれをきっと楽しく聞いていてくれたのではないかと思います。

そこで打ち解けた心はさらになごやかなものとなり、通夜や告別式でも控え室で小学生以来に会う従兄弟とあっという間に話がはずんだり、止まっていた血流が一気に流れ出したような感じでした。
それがとても良かった。

帰宅してからも、私は男三人兄弟の真ん中にあたるのですが、その家族勢揃いで話に花が咲きました。
父の思い出話も出て、そんなこともあったのか、それは記憶違いだ、などと滅多にない兄弟三人での会話に、それぞれの家族が入り、父もきっと喜んでその様子を見ていたかと思います。

泣いて笑っての四日間でした。
そして、忘れることのできない四日間でした。

・・・妻、長男、長女がいることにも感謝しました。皆、私に気遣ってくれて、良い家族に恵まれて感謝の気持ちがあふれる四日間でもありました。


【Now Playing】 Look To The Sky / The Fred Knapp Trio ( Jazz )

2013/09/15

父と過ごす夜

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只今、9月12日午前2時を少し回ったところです。
これは、ポケットメモライター「ポメラ」を使って書いています。
いつかアップすることもあるかもしれません。葬儀が終わって一息ついてからかな。

父が亡くなりました。
昨日の早朝でした。連絡を受けて病院に行き、父と対面しましたが死に目には会えず、でもその後洗体してから父と再度会うと、すっかりおだやかな表情になっていて安心しました。

そして、霊安室で病院の先生、看護師さんともお別れをして家に帰り、久しぶりに会う親戚の人たちが一日訪れ、今は兄と交代して、母は足が悪く別室で寝ておりますが、私ひとり、広い実家で父と線香を絶やさぬよう過ごしております。

NHKのラジオ深夜便からは、ヘレン・メリルの「オータム・イン・ニューヨーク」が流れています。

一人、深夜こうしていると、今までには一度も経験したことのないものを感じています。
過去のことは意外とあまり思い出すこともなく、ただ静かに時が流れているのです。

私には、かつて色々なこの世の人でない人が見えることがありました。
一昨年、四代前の祖先の墓地について百年以上に渡る懸案を解決した後、何も見えなくなってしまいましたが、昨日午前中に父と帰宅してからは、父が庭でうれしそうに大好きだった植木の手入れをしようと、いつも作業のときにしていた服装で植木を見上げながら歩いている姿を見ました。
父は会社勤めしているときも、毎・日曜日は一日中植木の手入れをしていました。竹で編んだ垣根や、正月の門松なども“玄人はだし”の見事な出来栄えで作り上げていました。
やはり庭の植木が気にかかっていたのでしょう。
それを見て少しほっとしました。

父は注文建築の会社で営業をしておりましたが、ときどき小さかった私を日曜日に栃木などの現場に電車に乗って連れて行ってくれました。
お客さんと話をしている間は、その近くの喫茶店でナポリタンなどを私に食べさせ、仕事をしていたのでした。
特に何か別におもしろいところに連れて行ってくれるのでもないのに、なぜ兄ではなく、私を連れて行ってくれたのかは今でもわかりません。

また、時には電話で呼び出しがあり、会社近くまで来させて、当時はファミレスも無かったのですが、洋食屋で美味しいハンバーグなどをごちそうしてくれました。
朝方などは、喫茶店でモーニングを一緒に取り、子供だった私はバスに乗って家に帰り、父は会社に出かけるなんてこともありました。
あれは何だったんだろう。
その喫茶店のひとつは、たぶん今の千葉銀座通りにあるサイゼリヤがあったあたりに存在していた「ロビン」という喫茶店ではなかったか、と記憶しています。

当時銀座通りの露天商の前を父と歩くと、おじちゃんやおばちゃんたちが皆父に声をかけてきました。
あのあたりをいつも歩いていたのでしょう。

飲んで、“午前さま”の帰宅となると、よく「金寿司」の折り詰めを「マンガに出てくる酔っぱらい」のようにぶら下げで帰ってきたっけ・・などと思いだしつつ、時は過ぎて行くのでした。

思い出すのは、感動的なことではなくて、意外とこんなことなのです。


【Now Playing】 オータム・イン・ニューヨーク / ヘレン・メリル ( Jazz )

2013/09/08

「生存確率・バイタルサインあり」を少しずつ読んだ

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『生存確率・バイタルサインり/久間十義著(新潮文庫)』をちょっとずつ読み進んで600頁を超える長編でしたが読み終えました。
この本は医療小説ですが、普段あまり読まないジャンルの本に手をつけた理由は、主人公の女医が米国に渡り、最先端の「カテーテル術」を身につけて帰国し、その治療している様子が実況中継のように書かれている部分を立ち読みで発見したからです。

実は7年ほど前に、私も「カテーテル術」による心臓手術を受けました。

この物語には、当時日本ではまだまだ一般的になっていなかったカテーテルによる「ロータブレータ治療」を引っさげて帰国した女性医師が、その技術により名を馳せ、一躍医療界の時の人となり、様々な道が開けてくるのですが、そこには、医療界のどろどろとした人間関係や出世競争があり、さらに米国にいたときに知り合った男性との数奇な運命に翻弄される、医師として生き、女性として生き、一人の子を持つ女性として生きる人の人生がそのまま描かれています。

若い頃に医療事故の責任を無理矢理着せられた上に、相談に乗った男性の子を身籠もったかと思うとその男性は、出世のために恩師の娘と結婚してしまう・・その事実も男性に告げずに米国で出産し、医療の道に突き進むわけですが、もう読んでいて“やきもき”するやら、中学生になった子供の身に起こる事故に、また読んでいるこちらも辛い思いをし、若いIT企業社長との恋もあまりにも空に浮かぶ風船のように無軌道な運命が待ち受けていて・・たいへんな物語でした。
ラストには、人生の不思議さを感じつつ、しみじみとしてしまうのですが・・・。

で、話は最初に書いた「カテーテル術」に戻ります。
その施術の様子が書かれている部分を読んでいくと、私が受けた「カテーテル・アブレーション」の施術時の様子が私の当時の手術室で見たままに書かれていて、ドキドキして当時の記憶がよみがえったのです。

両足の付け根から動静脈に穿刺してシース(カテーテル用のさや)を入れるところや(私のときは目隠しで胸から下は見えなかったのですが、血が吹き上げたのが見えました)、チーフのほか、医師、助手、看護師、臨床工学技士、臨床検査技師、放射線技師など多くのスタッフで行われる施術の様子は“他人事”ではなく、あの日を思い出しました。

私の施術は、心臓を動かす命令が流れるケーブルにあたる心臓の部分を低温で焼いていくというものでしたが、人工的に心臓発作を起こして悪い部分を見つけ出しながらのもので、七回に渡る人工的な発作の苦しさと、最後には「耐えられますか」と聞かれても返事が出来ないくらいになっていて、結局一度気絶してしまうという事態になり・・実はそのとき、自分の体が手術室のちょっと高いところにあって、私の周りを囲んで事にあたっている先生達が見えました、「○○を○ミリ投入!」などという指示も聞こえました。幽体離脱だったのでしょうか、あぶなかった・・気絶する寸前では、もうどうにもならないくらい苦しくて「ひょっとして、もう目を覚ますことはないのかも」と思ったりもしたのでした。

結局私は無事意識も戻り・・「よおし、帰ってきた」という先生の声がたしかに聞こえた・・、予定の2時間をはるかに超えて4時間の施術を終え、もう一度人生を続けることができるようになったわけです。

そのときの感謝の気持ちを思い出したくて、実はこの本を読みたくなったのかもしれません。

手術室から出てきた瞬間に、妻が駆け寄り、泣きそうな顔をして声をかけてくれましたが、その顔を見た瞬間、また意識が遠のき、数時間後にやっとベッドの上から妻と顔を合わせることになったのでした。
妻は、手術室から出てきた私が“血まみれ”だったのと、予想外の手術時間に心配が心配を呼んでいて大変な心模様だったようです。
我が家にとってもたいへんな一日でした。

きょうは、一冊の本から自分の命をつないだ一日を思い出して書いてみました。


【Now Playing】 渡部陽一勇気のラジオ / 花田景子他 ( ニッポン放送 )

2013/09/07

【簡単・3分宝塚講座 Vol.26(100周年を控えて現在の各組の状況は・・宙組編)】

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いろいろな反響をいただきました「簡単・3分宝塚講座」の各組ご紹介、今回は最後、「宙(そら)組」です。

宙組は、現在五組ある宝塚の組で一番最後に設けられた組です。
私から見た現在の宙組は、非常に現代的で未来的、特に男役陣は果敢に新たな演目に取り組んでいるという印象があります。
そして、それが男役の「華」とも言うべき宝塚専用劇場“大階段”での燕尾服で行う群舞の美しさ、格好良さに現われているように思います。

そんな宙組の“男の中の男”トップスターは、凰稀かなめ(おうき・かなめ)さん、娘役のトップスターは実咲凜音(みさき・りおん)さんです。

凰稀さんは、雪組から星組に組替えで二番手男役スターとなり、さらに宙組に再度二番手男役として組替え。そこで大空祐飛(おおぞら・ゆうひ)さんというプロデュース能力を兼ね備える希有なトップスターと出会い、組のまとめ方、舞台のまとめ方、演目のまとめ方まで目の当たりにすることができたと思います。

そんな凰稀さんがトップスターとなり、「銀河英雄伝説」という宙組にもってこいの未来的な演目と、個性を出しにくい主人公を見事に演じ切り、さらに「モンテクリスト伯」・・巌窟王です・・という天国から地獄、愛情から憎しみ、そして慈しみ、再び全てを超えた愛を短時間に表現する主役を巧みに演じました。
ルックスも王子様的であるにもかかわらず、「髭」を蓄えた初老の男も似合ってしまう、“いい”男役です。

娘役トップスターの実咲さんは、花組から組替えで来たのですが、花組時代を通し、役づくりが他の娘役とは異なり、自分の個性に引き寄せるのではなく、“役”そのものを演目ごとに、新たに構築していく印象があります。
なので、新しい公演を見に行くと、そこには前作とは別人の実咲さんが、役そのものの女性となり舞台に立っているのです。
初めて見るタイプの娘役トップスターでした。

トップを支える組子は、個性派女優の美風舞良(みかぜ・まいら)さん、歌唱力抜群の大海亜呼(おおみ・あこ)さん、宙組の高身長イケメン男役軍団をがっしりと支えまとめる悠未ひろ(ゆうみ・ひろ)さん(退団決意の報が悲しい・・)、雪組から組替えで来た、これまた芝居巧者で愛されキャラの緒月遠麻(おづき・とおま)さん、美しく凜々しい、しかも花のような男役・朝夏まなと(あさか・まなと)さん、宙組男役のキャプテン的存在で何でもこなせる蓮水ゆうや(はすみ・ゆうや)さん、難しい背景を持つ女性を演じさせたら宝塚でも有数の女優・純矢ちとせ(じゅんや・ちとせ)さん、美しいだけでなく、大人の女性も演じられる可憐な娘役・愛花ちさき(あいはな・ちさき)さん、強烈カッコイイヾ(≧∇≦*)〃男から、超ヤバい美女まで演じる男役・七海ひろき(ななみ・ひろき)さん、抜群のダンスセンスを見せてくれる美女・綾瀬あきな(あやせ・あきな)さん、花組トップ娘役の蘭乃はなさんの双子の実妹で芝居センスも舞台での娘役としての輝きもまぶしいすみれ乃麗(すみれの・れい)さん。

いやあ、枚挙に暇がないです。

若手では、毎公演成長著しい男役・愛月ひかる(あいづき・ひかる)さん、次代を支えるイケメン男役・蒼羽りく(そらはね・りく)さん、凰稀さんが二番手時代に舞台「ロバート・キャパ」で相手娘役をつとめた怜美うらら(れいみ・うらら)さんも注目の娘役です。
そして忘れてはならない、期待の若手男役・和希そら(かずき・そら)さん。
2010年初舞台ですが、早くも新人公演ではいい役をもらい、本公演でも目立つところに立つようになってきました。ダンスのキレも抜群です。

宙組は、二番手だった蘭寿とむ(らんじゅ・とむ)さん・・組替えで花組トップに・・、ずっと三番手をつとめていた貴重な男役・北翔海莉(ほくしょう・かいり)さん・・専科に異動・・、宙組男役を仕切っていた十輝いりす(とき・いりす)さん・・星組に組替え・・、鳳翔大(ほうしょう・だい)さん・・雪組に組替え・・、凪七瑠海(なぎな・るうみ)さん・・月組に組替え・・、と主要な男役をどんどん失っていったのにもかかわらず、相変わらずの充実ぶりです。

最後に、副組長の鈴奈沙也(すずな・さや)さんは、芝居では怪しい女や、悪い女、陰で支える女など、演技力を要する女性役には欠かせず、ショーでは、余裕ある歌唱力が舞台をよりいっそう華やかなものにしてくれます。
組長の寿つかさ(ことぶき・つかさ)さん・・愛称:すっしぃ(*^_^*)・・は、モンテクリスト伯では、渋い中に人間性とユーモアも感じさせる役を演じたり、その後の全国ツアーでは、観客を笑わせながらも、深く人を観察し、見守るような老齢の役までこなし、ただただ素晴らしい、と感動させてくださいます。
ショーでは、宙組の超イケメン男役軍団に加わり、堂々の大階段での男役群舞を見せてくれる格好良さも見せてくださるのです。

今回もほめてばっかり(#^.^#)の宙組ご紹介でしたが、お楽しみいただけましたでしょうか?!

これで五組全組のご紹介が終わりました。
今後は、また各組の公演観劇記を書きますね。
お楽しみ?に(*゚▽゚)ノ


【Now Playing】 あなた / 小坂明子 ( 歌謡曲 )

『宝塚夜話・第十一夜 < 宝塚が好きな気持ちをただ書いているだけ > 』

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「簡単・3分宝塚講座」と題して各組をご紹介中ですが、おかげさまでアクセス数も一日800件~1000件の今までにない件数を推移しており、ご覧いただいた方々にはたいへん感謝しています。

ただ、「“知ったかぶり”をして“つまらないブログ”なんか書きやがって、“死ね”」というコメントももらいました。
上記のコメントは、私が意味がわかるように直したものですが、実際は、もっと稚拙で乱暴な言葉で書かれていました。

私は『宝塚』が大好きですが、“熱烈”かつ“ファン歴の長い方”から見たら“中級の下”くらいの知識しかありません。
読んでいただければすぐにわかると思いますが、私の文のほとんどは、知識として持っているものを書いているわけではなく、「観劇記」でも、「簡単・3分宝塚講座」でも、私が今現在宝塚の舞台を見て「感じていること」がそのほとんどです。
つまり、知識をひけらかしているような部分はありません。
文も、他の人たちのブログやその他ネットなどでの記事はほとんど“ゼロ”と言っていいくらい見て書いているわけではありません。
人の意見に引っ張られた感想や、先入観を持ちたくないからです。
要するに書いていることは、全てオリジナルの表現でオリジナルの文章です。

そして、私のように宝塚に興味があるが、専門的に過ぎてしまうと“ちんぷんかんぷん”になってしまう人の気持ちがよくわかるので、必ず毎回、生徒さんの名前についても、その回の「初出」では「龍真咲(りゅう・まさき)」と表記して、難しい芸名の読み方が多く、覚えづらいという方も意識してわかりやすくする工夫もしています。愛称も初心者、中級の下くらいの人にはよくわからないので、極力使わないようにしています。使うときは、芸名と読み仮名も括弧書きで添えています。

観劇記その他の宝塚についての記述は、自分が好きなところを思いっきり書いて、「ほめてばかり」という感想もいただくのですが、それが私の本意です。
「あれが良かったですよねぇ(*゚▽゚)ノ」とか、コメントをいただいた場合に「なるほど、そういう見方もあったんですねぇ(゚ー゚*)。oO」などと私だけでなく、宝塚が大好きな人たちの気持ちが楽しく盛り上がるように、ウキウキとなるように、書いているのです。

辛いことの多い日々をどうにかこうにか生きていて、月に一度はなんとか劇場に行って「励まされ」たり、「勇気づけられ」たり、「研一、研二(入団一年目、二年目のこと)の生徒達の舞台袖での笑顔と元気に、温かく、しかも心強い気持ちになれ」たりする・・そんな私が一番大事にしていることをただ書いているだけです。

「つまらない」と思われるのであれば、どうぞ二度と私のブログは見ない方がよろしいと思います。あなたが「面白い」と思うブログをご覧になってください。
「知ったかぶり」はしていません。「知っている」ことを、現在の「宝塚が大好きな気持ち」を書いているだけです。
見ず知らずの方から「死ね」と言われる筋合いはありません。
死にたいと思うことはありますが、それを救ってくれるのが宝塚です。だから、宝塚への感謝の気持ちを込めて、これからも書き続けます。

以上です。

2013/09/05

【簡単・3分宝塚講座 Vol.25(100周年を控えて現在の各組の状況は・・星組編)】

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花・月・雪組とご紹介してまいりました宝塚歌劇団各組紹介、今回は星組です。

星組のトップ男役は、柚希礼音(ゆずき・れおん)さん、娘役トップは夢咲ねね(ゆめさき・ねね)さんです。
柚希さんの愛称は「ちえ」さん、夢咲さんの愛称は芸名と同じく「ねね」ちゃんです。この二人をファンは『ちえ・ねねコンビ』と呼んでいます。
二人のトップコンビはもう四年にも達していて、来年の宝塚100周年をこの“黄金コンビ”の五年目として迎えようとしています。

お二人のコンビは正直、現在宝塚歌劇で一番集客力があると言ってよいと思います。
先の「ロミオとジュリエット」東京公演はチケットが全く手に入らない状態がずっと続いておりましたし、「ロミオとジュリエット」のあと、柚希さんのコンサート「REON」も全くチケット入手困難なのです。

柚希さんのファン層は厚く、少女から学生、二十代も三十代も、そして一公演に何度も劇場に足を運べるような“富裕層”の方々にもファンは多いようで、まさに宝塚歌劇にとっては、理想的なファン層を抱えているスターであると思います。

また、夢咲さんにも、多くの女性ファンがついていると、劇場ロビーなどでの“幕間トーク”を聞いていると感じることができます。

可愛くて“胸キュン”なアニメチック風物語から、大人の男女の“ワケあり”な恋愛もの、雄大なシチュエーションでの大河物語的な男女の関係、その他二人が今まで演じてきたものはどれもがファンの心に残り、完成度の高いものでした。
ファンの心を掴むのがとても上手い、そんなコンビです。

涼紫央(すずみ・しお)さんという、頼れる個性派男役の卒業があり、夢乃聖夏(ゆめの・せいか)さん、美弥るりか(みや・るりか)さんという主要男役スターの組替えもあって、一気に組の層が薄くなってしまったか、と思いきや、柚希さんの同期、十輝いりす(とき・いりす)さんの組替え加入で、心配も杞憂に終わりました。

現在は、“超個性派・二番手男役”紅ゆずる(くれない・ゆずる)さん、そしてこれぞ宝塚男役というルックスと存在感を示している2006年初舞台の三番手男役の真風涼帆(まかぜ・すずほ)さんを擁し、まさに万全の男役体制を築いているのが星組の現状です。

男役には、さらに鶴美舞夕(つるみ・まゆう)さん、壱城あずさ(いちじょう・ずさ)さん、天寿光希(てんじゅ・みつき)さんという、個性派かつ実力を十分に備えた人たちが揃っています。
ファンも単にトップスター目当てでなく、様々なスターに会いに劇場に足を向けることになるのです。

さらに、“生きのイイ”若手男役、礼真琴(れい・まこと)さんも、ロミオとジュリエットで、どんどん成長して、頼もしい限りです。

娘役では、歌の上手い実力派、音花ゆり(おとはな・ゆり)さんが舞台を引き締め、実力十分の音波みのり(おとは・みのり)さん、宝塚きっての美人娘役・早乙女わかば(さおとめ・わかば)さん・・歌がもうひとつか・・、専科の轟悠(とどろき・ゆう)さんと堂々の主演娘役として日本青年館公演で輝いた妃海風(ひなみ・ふう)さん、美人でしかも可愛くて、演技も上手い綺咲愛里(きさき・あいり)さんもいて、男役、娘役ともに層も厚く、充実しています。

まったく隙のないように見える星組ですが、ここはひとつ“さらなる高見”を目指して、今でも宝塚としては他組にはない雰囲気を持っているのですが、異境地に達してもらいたいものです。


【Now Playing】 Dream On / Aerosmith ( Rock )

2013/09/02

【簡単・3分宝塚講座 Vol.24(100周年を控えて現在の各組の状況は・・雪組編)】

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今回はお約束どおり、現在の「雪組」についてご紹介いたします。
トップスターは、男役:壮一帆(そう・かずほ)さん、娘役:愛加あゆ(まなか・あゆ)さんです。

壮さんは、花組の二番手から組替えで古巣・雪組のトップスターに就任しました。
芝居巧者であり、ショーでの大きく華やかなステージングでも常に輝きを見せていた壮さん。
花組で二番手を務め、当時トップスターの真飛聖(まとぶ・せい)さんが退団されて、いよいよトップ就任か、と思われていたところ、同期の蘭寿とむさんが宙組から組替えで男役トップに就任!・・複雑な心境であったと思いますが、蘭寿さんのトップお披露目公演「ファントム」では、“揺れに揺れる”蘭寿さんの主役の演じ方、おそらく苦悩の中にあったと思うのですが、それをその父親役で見事に支えました。蘭寿さん演じる息子・ファントムを抱き留める父・壮さん。「それでいいんだ、やがてこれだというものが見つかる」と、諭しているようにも見えたのです。
その姿を見て、私は劇場で何度涙したことか・・・。

そんな苦労人の壮さんがトップになられると聞いて「ほんとうによかった」と思った宝塚ファンはたくさんいたことと思います。私もその一人です。

そして相手役の愛加あゆさんは、星組の娘役トップスター・夢咲ねね(ゆめさき・ねね)さんの実妹です。
愛加さんは、今までも“いい役”はもらってはいたものの、「これだ」という決定的な作品に巡り会わず、前トップスターの音月桂(おとづき・けい)さんの相手役候補でもあったと思いますが、本公演前のトップ“プレ”お披露目であった日本青年館での「はじめて愛した」の相手役を務めたものの、トップ娘役とは認められず、本公演での音月さんトップお披露目では、舞羽美海(まいはね・みみ)さん、新人の夢華あみ(ゆめか・あみ)さんにジュリエット役を持っていかれました。
この時点で、愛加さんにトップ娘役の“芽”は、なくなったと、ほとんどの人が思ったわけですが、大逆転で壮さんの相手役を射止め、現在に至ります。
これも、多くの“心ある”宝塚ファンは、歓迎したのではないでしょうか。

さて、その二人をトップに新体制で公演している雪組。
大劇場でのお披露目を「ベルサイユのばら」で無事終え、今は前回のこのブログでもご紹介した割と古いオリジナル演目を持って全国ツアー中です。

雪組の特徴は、今回の全国ツアーでもミュージカルとして演じている「和物」の演目が得意というか、落ち着いたしなやかさや、日本人らしいしっとりとした味わいが表現できる組ということもひとつ言えると思います。
丁寧な舞台さばきは、他の組にはないものであると感じることが多いのです。

また、古い演目なども違和感なく堂々とこなし、最も宝塚らしい組と言えるかもしれません。

壮さん、愛加さんを力強く支えるのが、未涼亜希(みすず・あき)さん。
壮さんの二年後輩ですが、壮さんの前のトップスター、同期・音月さんのトップ就任を支えるように組替えで花組からやって来ました。
この人は、歌、ダンス、芝居、三拍子揃った宝塚歌劇きっての実力を持ち、「洋物」も「和物」もどちらでも凜とした立ち姿があまりにも素晴らしく、今回の全国ツアーでの武士のたたずまいも“美し過ぎる”くらいです。

別格の未涼さんと並び、こちらは「二番手男役」として早霧せいな(さぎり・せいな)さんが、男役としての堂々とした立ち居振る舞いで壮さんを支え、並び立っています。
ただちょっと申し訳ないが、もうひとつ「歌」が弱い印象があります。
もう一勝負賭けて、不動の二番手の地位を確実にしてもらいたいものです。

そしてもう一人、星組からやってきた男役・夢乃聖夏(ゆめの・せいか)さん。
この人はそれまで雪組には無かった“舞台に登場しただけで”豪華で艶やかな雰囲気を醸し出すスターです。
雪組の印象を変えた感もあります。
また、宙組から組替えで来た鳳翔大(ほうしょう・だい)さんも、その高身長と、日本人ばなれした華麗で“カッコイイ”ルックスが雪組男役陣の魅力をいっそう際立たせるようになったと思います。

また、男役から転向して、娘役となった大湖せしる(だいご・せしる)さんも、公演の度に新たな魅力を発揮し、貴重な存在となっています。

さらに、彩凪翔(あやなぎ・しょう)さん、彩風咲奈(あやかぜ・さきな)さんの二人は美形で美男で、スタイル抜群、ルックス抜群の雰囲気を持った若手男役。
芝居心も有り、今後さらなる飛翔が期待されます。

また、この組には千葉市出身の花瑛ちほ(はなえ・ちほ)さんという美貌の娘役(2009年初舞台)と、夢華あみ(ゆめか・あみ)さんという歌唱力抜群の期待大のやはり千葉市出身・娘役(2010年初舞台)がいます。
ぜひ大きく成長してほしいと願っています。

雪組には、しっとりとした演目、上品で(気品のあると言ってもいい)美しい演目など、雪組にしか出来ないような演目がありますし、いったんスイッチが入れば、明るく賑やかなサンバ、ラテン、ロックなども華麗にこなす実力があります。
オーソドックスな宝塚や、オールドファンをもうならせる宝塚がお好みであれば、もってこいの組だと思います。

次回の本公演は、あの映画「シャル・ウィー・ダンス」をミュージカル化して行うそうです。
雪組の皆さんが、どう“料理”して東京に持ってくるか、今から楽しみです(゚ー゚*)。oO


【Now Playing】 ニュース / NHK ( AMラジオ )

2013/09/01

雪組全国ツアー観劇記・市川市

簡単・3分宝塚講座はいったんお休みして、その講座で次回ご紹介予定の雪組全国ツアーが千葉県の市川市にやってきましたので、その様子をご紹介いたします。

会場は、エクストラ席も出るほどの満員でした。今回のミュージカルは“和物”でして、一般には集客が難しいと思われる演目なのですが、壮一帆(そう・かずほ)、愛加あゆ(まなか・あゆ)の新トップコンビの人気は上々のようです。

では、ミュージカル、ショーの順にご紹介しましょう。

ミュージカル・ロマンスと銘打たれた『若き日の唄は忘れじ』は、藤沢周平の時代小説「蝉しぐれ」を原作としたミュージカルで、初演は1994年の星組、紫苑ゆう(しおん・ゆう)、白城あやか(しらき・あやか)主演によるものだったそうです。残念ながら初演は見ていないのですが、今回の舞台を見ていて、当時のゆったりとした物語の進行と、“ため”を効かせた演技は懐かしい雰囲気を感じました。

そんなこの演目に壮・愛加トップコンビは十分な実力でしっかりと取り組んでいることがうかがわれました。
二人の宝塚大劇場での本公演トップお披露目の前に中日劇場で行われたものの再現で、劇団としてもこの演目が二人の全国お披露目に持ってこいだと感じたのではないでしょうか。

藩の権力争いに巻き込まれ、波乱に満ちた(不遇といってもよい)生涯を生き、幼い頃からの淡い恋(壮さんの相手はもちろん愛加さん)も運命に引き裂かれ、互いに“花も嵐も踏み越え”た、人の親になってから、その境地で出会う・・そんな平常心ではいられない境遇を、お二人はじっくりと見せてくれました。

愛加さん演じる「ふく」は、江戸の藩邸に奉公に上がり、藩主のお手つきとなり子を身籠もる・・。江戸に行く前にひと目会いたいと壮さん演じる牧家に行くのですが、剣の稽古で不在、母親に挨拶し着物を餞別にもらうのですが、本当は壮さんと一緒になりたい、と言い出したくて、とうとう言い出せなかったシーンが胸に迫り、名シーンだと思いました。
愛加さんの渾身の演技は、もう堂々としたトップスターのものです。

壮さん演じる「牧文四郎」は、謀略により、親の持つ「お家」をとりつぶし同然にされ、そんな中、懸命の努力で一角の人物になった後も、また策略にはめられそうになる・・そんな過酷な運命を、壮さんの今までの宝塚人生を彷彿とさせるような逞しく、凜々しく、美しく、力強い様子で突き進んで行く・・その運命を恨みもせず・・という難役を壮さんの実力で見事に演じ切っていたと思います。
主人公の16歳から人生の後半までをも演じたわけで、たいしたものだと思いました。

ラストの壮さん愛加さん二人が浜辺で、波の音と蝉しぐれを聞きながら、ゆっくりと人生を振り返り、台詞だけでなく仕草でその心情を表現するあたりでは、「素晴らしい!」と観客席で感動の渦の中におりました。


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そして、ロマンチック・レビューと銘打たれた『ナルシス・ノアールⅡ』は、これも1991年に星組初演のオリジナル・ショーで、当時のトップスターは、日向薫(ひゅうが・かおる)さん、毬藻えり(まりも・えり)さん、二番手男役に紫苑ゆうさんという万全の体制の頃です。

今見ると、やはり時代を感じさせるテーマソング等、挿入歌のちょっとのんびりした感じ、わかりやすいメロディーをゆっくりと回していく感じも懐かしいものでした。

でも、雪組にはこういうしっかりとしたオリジナル作品は合っているのではないかと思いました。
雪組の丁寧で美しい舞台運びは、この秀作を現代にふさわしい形で再現していたように思います。

トップ二人はもちろんですが、未涼亜希(みすず・あき)さん、夢乃聖夏(ゆめの・せいか)さんが全国ツアーの少数部隊を補って余り有る活躍を見せ、彩風咲奈(あやかぜ・さきな)さんが、その美しい容姿も含め力強くキラキラとした存在感を発揮していました。

また千葉市出身の夢華あみさんは、冒頭の“歌う妖精”ほか、夢乃聖夏さんとのダンス、壮さんとも絡んだりする部分もあって、ショーの方では活躍していました。
もちろん、最後のご当地出身者の紹介では、「千葉市出身・夢華あみ!!」と紹介され、ちょっと恥ずかしそうでしたが、元気に手を振っていました。
これからも活躍を期待していますよ(゚ー゚*)。oO

以上、31日(土)、1日(日)と二日間に渡り市川市文化会館で行われた雪組全国ツアーの私が見た市川・初日のご紹介をいたしました。

雪組については、また「簡単・3分宝塚講座」でご紹介いたしますね。
それでは、またd(^_^o)


【Now Playing】 ニュース / NHK ( AMラジオ )

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