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2013/09/15

父と過ごす夜

20130916_radio01


只今、9月12日午前2時を少し回ったところです。
これは、ポケットメモライター「ポメラ」を使って書いています。
いつかアップすることもあるかもしれません。葬儀が終わって一息ついてからかな。

父が亡くなりました。
昨日の早朝でした。連絡を受けて病院に行き、父と対面しましたが死に目には会えず、でもその後洗体してから父と再度会うと、すっかりおだやかな表情になっていて安心しました。

そして、霊安室で病院の先生、看護師さんともお別れをして家に帰り、久しぶりに会う親戚の人たちが一日訪れ、今は兄と交代して、母は足が悪く別室で寝ておりますが、私ひとり、広い実家で父と線香を絶やさぬよう過ごしております。

NHKのラジオ深夜便からは、ヘレン・メリルの「オータム・イン・ニューヨーク」が流れています。

一人、深夜こうしていると、今までには一度も経験したことのないものを感じています。
過去のことは意外とあまり思い出すこともなく、ただ静かに時が流れているのです。

私には、かつて色々なこの世の人でない人が見えることがありました。
一昨年、四代前の祖先の墓地について百年以上に渡る懸案を解決した後、何も見えなくなってしまいましたが、昨日午前中に父と帰宅してからは、父が庭でうれしそうに大好きだった植木の手入れをしようと、いつも作業のときにしていた服装で植木を見上げながら歩いている姿を見ました。
父は会社勤めしているときも、毎・日曜日は一日中植木の手入れをしていました。竹で編んだ垣根や、正月の門松なども“玄人はだし”の見事な出来栄えで作り上げていました。
やはり庭の植木が気にかかっていたのでしょう。
それを見て少しほっとしました。

父は注文建築の会社で営業をしておりましたが、ときどき小さかった私を日曜日に栃木などの現場に電車に乗って連れて行ってくれました。
お客さんと話をしている間は、その近くの喫茶店でナポリタンなどを私に食べさせ、仕事をしていたのでした。
特に何か別におもしろいところに連れて行ってくれるのでもないのに、なぜ兄ではなく、私を連れて行ってくれたのかは今でもわかりません。

また、時には電話で呼び出しがあり、会社近くまで来させて、当時はファミレスも無かったのですが、洋食屋で美味しいハンバーグなどをごちそうしてくれました。
朝方などは、喫茶店でモーニングを一緒に取り、子供だった私はバスに乗って家に帰り、父は会社に出かけるなんてこともありました。
あれは何だったんだろう。
その喫茶店のひとつは、たぶん今の千葉銀座通りにあるサイゼリヤがあったあたりに存在していた「ロビン」という喫茶店ではなかったか、と記憶しています。

当時銀座通りの露天商の前を父と歩くと、おじちゃんやおばちゃんたちが皆父に声をかけてきました。
あのあたりをいつも歩いていたのでしょう。

飲んで、“午前さま”の帰宅となると、よく「金寿司」の折り詰めを「マンガに出てくる酔っぱらい」のようにぶら下げで帰ってきたっけ・・などと思いだしつつ、時は過ぎて行くのでした。

思い出すのは、感動的なことではなくて、意外とこんなことなのです。


【Now Playing】 オータム・イン・ニューヨーク / ヘレン・メリル ( Jazz )

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コメント

shinojunさん、コメントありがとうございます。
父との思い出、たいせつにします。
同じラジオをお使いですか(゚ー゚*)
広い家に父と二人きり、線香の番をしながら聞くラジオ深夜便は、沁みました。掛かっていたジャズにも心が洗われるようでした。
あたたかいお言葉、ほんとうにありがとうございました。

ymamaさん、ありがとうございます。
兄が選んだ父の遺影用写真は、元気なときに小学校の同窓会の幹事を引き受けて、そのときの皆で撮ったうれしそうな表情のものでした。
見た方々からはとてもいい表情だと言ってもらえたのですが、ふと父の胸元に目をやると、私が以前父の日にプレゼントをしたネクタイをしてくれていました。
それがまたうれしくて・・・涙が出ました。
親との思い出はほんとうに大事にしたいですね。

久しぶりに拝見して驚きました。
お父様のご冥福をお祈りします
お父様とのたくさんの思いでは大切にして下さい
たまたま画像のラジオは私の愛用してるラジオと全く同じです。
しかもラジオ深夜便の曲も素晴らしい曲ですね!
一日も早く元気を出して下さい
何時も有難う御座います。

体育会系女子さん、こんにちは。
きょうは台風で外は大荒れですが、静かに過ごしています。
体育会系女子さんは、体調いかがでしょう?
コメントありがとうございました。きょうは外に出ることもありませんので、父とのいろいろな思い出にひたろうかと思っています。

はっPさん

お父様のご逝去に際し、
こころよりお悔やみを申し上げます。

お父様とのそういった時間、ほんとうに何気ない時間、愛しいものですね。親子にしかわからない時間と空間の思い出は、生きていた証とも感じられます。
私も母との思い出は、そういった何気ない日常です。
不思議ですね。

お父様との静かな時間、そして再会された時間、
いいなぁと思います。私もそうして母に会いたいと思いました。

ご冥福を心からお祈りしております。

亡くなられたお父様の嬉しそうな姿を見られたとのこと、はっPさんのあの不思議な力は、こういうときに現れてくれるのではないでしょうか?
お父様のご冥福をお祈りいたします。
はっPさんの体調も良くなりますように。

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