【簡単・3分宝塚講座 Vol.24(100周年を控えて現在の各組の状況は・・雪組編)】
今回はお約束どおり、現在の「雪組」についてご紹介いたします。
トップスターは、男役:壮一帆(そう・かずほ)さん、娘役:愛加あゆ(まなか・あゆ)さんです。
壮さんは、花組の二番手から組替えで古巣・雪組のトップスターに就任しました。
芝居巧者であり、ショーでの大きく華やかなステージングでも常に輝きを見せていた壮さん。
花組で二番手を務め、当時トップスターの真飛聖(まとぶ・せい)さんが退団されて、いよいよトップ就任か、と思われていたところ、同期の蘭寿とむさんが宙組から組替えで男役トップに就任!・・複雑な心境であったと思いますが、蘭寿さんのトップお披露目公演「ファントム」では、“揺れに揺れる”蘭寿さんの主役の演じ方、おそらく苦悩の中にあったと思うのですが、それをその父親役で見事に支えました。蘭寿さん演じる息子・ファントムを抱き留める父・壮さん。「それでいいんだ、やがてこれだというものが見つかる」と、諭しているようにも見えたのです。
その姿を見て、私は劇場で何度涙したことか・・・。
そんな苦労人の壮さんがトップになられると聞いて「ほんとうによかった」と思った宝塚ファンはたくさんいたことと思います。私もその一人です。
そして相手役の愛加あゆさんは、星組の娘役トップスター・夢咲ねね(ゆめさき・ねね)さんの実妹です。
愛加さんは、今までも“いい役”はもらってはいたものの、「これだ」という決定的な作品に巡り会わず、前トップスターの音月桂(おとづき・けい)さんの相手役候補でもあったと思いますが、本公演前のトップ“プレ”お披露目であった日本青年館での「はじめて愛した」の相手役を務めたものの、トップ娘役とは認められず、本公演での音月さんトップお披露目では、舞羽美海(まいはね・みみ)さん、新人の夢華あみ(ゆめか・あみ)さんにジュリエット役を持っていかれました。
この時点で、愛加さんにトップ娘役の“芽”は、なくなったと、ほとんどの人が思ったわけですが、大逆転で壮さんの相手役を射止め、現在に至ります。
これも、多くの“心ある”宝塚ファンは、歓迎したのではないでしょうか。
さて、その二人をトップに新体制で公演している雪組。
大劇場でのお披露目を「ベルサイユのばら」で無事終え、今は前回のこのブログでもご紹介した割と古いオリジナル演目を持って全国ツアー中です。
雪組の特徴は、今回の全国ツアーでもミュージカルとして演じている「和物」の演目が得意というか、落ち着いたしなやかさや、日本人らしいしっとりとした味わいが表現できる組ということもひとつ言えると思います。
丁寧な舞台さばきは、他の組にはないものであると感じることが多いのです。
また、古い演目なども違和感なく堂々とこなし、最も宝塚らしい組と言えるかもしれません。
壮さん、愛加さんを力強く支えるのが、未涼亜希(みすず・あき)さん。
壮さんの二年後輩ですが、壮さんの前のトップスター、同期・音月さんのトップ就任を支えるように組替えで花組からやって来ました。
この人は、歌、ダンス、芝居、三拍子揃った宝塚歌劇きっての実力を持ち、「洋物」も「和物」もどちらでも凜とした立ち姿があまりにも素晴らしく、今回の全国ツアーでの武士のたたずまいも“美し過ぎる”くらいです。
別格の未涼さんと並び、こちらは「二番手男役」として早霧せいな(さぎり・せいな)さんが、男役としての堂々とした立ち居振る舞いで壮さんを支え、並び立っています。
ただちょっと申し訳ないが、もうひとつ「歌」が弱い印象があります。
もう一勝負賭けて、不動の二番手の地位を確実にしてもらいたいものです。
そしてもう一人、星組からやってきた男役・夢乃聖夏(ゆめの・せいか)さん。
この人はそれまで雪組には無かった“舞台に登場しただけで”豪華で艶やかな雰囲気を醸し出すスターです。
雪組の印象を変えた感もあります。
また、宙組から組替えで来た鳳翔大(ほうしょう・だい)さんも、その高身長と、日本人ばなれした華麗で“カッコイイ”ルックスが雪組男役陣の魅力をいっそう際立たせるようになったと思います。
また、男役から転向して、娘役となった大湖せしる(だいご・せしる)さんも、公演の度に新たな魅力を発揮し、貴重な存在となっています。
さらに、彩凪翔(あやなぎ・しょう)さん、彩風咲奈(あやかぜ・さきな)さんの二人は美形で美男で、スタイル抜群、ルックス抜群の雰囲気を持った若手男役。
芝居心も有り、今後さらなる飛翔が期待されます。
また、この組には千葉市出身の花瑛ちほ(はなえ・ちほ)さんという美貌の娘役(2009年初舞台)と、夢華あみ(ゆめか・あみ)さんという歌唱力抜群の期待大のやはり千葉市出身・娘役(2010年初舞台)がいます。
ぜひ大きく成長してほしいと願っています。
雪組には、しっとりとした演目、上品で(気品のあると言ってもいい)美しい演目など、雪組にしか出来ないような演目がありますし、いったんスイッチが入れば、明るく賑やかなサンバ、ラテン、ロックなども華麗にこなす実力があります。
オーソドックスな宝塚や、オールドファンをもうならせる宝塚がお好みであれば、もってこいの組だと思います。
次回の本公演は、あの映画「シャル・ウィー・ダンス」をミュージカル化して行うそうです。
雪組の皆さんが、どう“料理”して東京に持ってくるか、今から楽しみです(゚ー゚*)。oO
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